RSSリーダー
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
Souhaite-moi bonne chance (前)


平ゼロっぽい設定です。




なかなかコチラに来られなくて、すみません



僕は相変わらずです

今はギルモア博士と、イワンと・・
フランソワーズの4人で暮らしてます

一緒に住んでいた張大人とグレートは少し前に開店したお店が忙しくて、…
あ、
前にご報告したお店が、先月無事に開店しました
そちらを先に、でしたね

すみません


とっても美味しいんですよ

お店のメニューの中では、僕は、海老チリのランチセットが一番好きです

ビックリしました?


苦手だった魚介(特に甲殻)類
今はちゃんと美味しくいただけるようになりました

僕自身も美味しいって思ってることにまだ馴染めなかったりします(笑)




ええっと

それで、お店が予想以上に忙しくなってしまったので
ギルモア邸からお店の2階を改装した、そちらに住む事になったんです

2人がいなくなって、少し寂しいのですが
ときどきお店へフランソワーズと一緒にお手伝いに行くし
夕食をごちそうになりにも行っているので、大分慣れました


働いている二人はとても楽しそうです

得に楽しそうなときは
フランソワーズにチャイナ服を着て欲しい!と
チャイナ服ばっかり載ったカタログを観ているときかもしれません(笑)

彼女は嫌がっているのですが
僕は、絶対に似合うと思っています


絶対に、ピンク色がっ

あ、


その、



チャイナ服の話しをしにきたのではなくて



ええっと、


あのですね


それで…

実は・・・、
その、もうすぐ

彼女の

フランソワーズの


誕生日なんです




今月の24日です


その日に
24日になんですが

・・彼女をデートに誘う決心をしました
いつもの”買い物”とか”お使い”じゃなくて、

その、ちゃんとした


デート







一緒に暮らしているから、なんだか今更かな?って
変な感じがするとか、思ったりもしたけれど

どこかで線をひかないと
ずっとこのまま、かな?って思うようになって

それでもいいんですけれど

いえ、違いますっ

よくないです。




彼女のことを
もっと、もっと大切にしたいんです。



自分のことにはとても無頓着で、彼女はいつもしなくていい我慢してしまうし
ちゃんと僕が見ていてあげないとって思っています


この間も、そういうことがありました
・・・それで、思わず僕はフランソワーズを怒りました

けれど
彼女を怒るのは間違っていだって、気づいたんです



フランソワーズが僕に甘えられないことが
”しなくてもいい我慢をする”一番の原因だということに気がづいたんです


もっと僕を信頼して頼って欲しいと強く思いました

なので
デートにOKがもらえるように、上手くいくように、・・・お願いします。

彼女が自分一人で全部を背負い込もうとせずに
僕にも分けてくれるようになることを

見守っていてください



それで、なんですが

・・・彼女を、ココに連れて来てもいいですか?
・・・・紹介、したいんです。





会ってもらえますか?


・・僕の、大好きで大切な人に






一緒にお祝いしてください、フランソワーズの・・誕生日を






神父さま
wishmeluck.jpg







下ろしていた瞼をゆっくりと押し上げた。
組んでいた指に力が入ってしまっていたせいか、指を解くのに動きがぎこちなかった。

「・・・よし!これでもう、絶対に後戻りできない」

胸いっぱいに冷たい1月の空気を吸い込む。
吸い込み過ぎて器官の変なとろこにヒュっと空気が入って、痛かった。


足元近くで揺れている花束が、寒そうに見えた。

太陽が急ぎ足で海へと潜ろうとしている。
肩に当たっていた暖かさが、長くなった影に吸い込まれたように感じる。それはジョーの形をした小さなブラックホール。

日が落ちたら、やっぱり寒い。
報告をするだけだから、と車の中に上着を置いてきたのは失敗だったと悔やまれる。車を留めた場所まで意外に遠かったことを思い出して、軽くため息をついた。
見晴しが良すぎる丘から眺める浜辺の景色は潮風を遮ってくれる木々もなく、容赦なくジョーの躯に体当たりする。
いくらサイボーグだと言っても、防護服を着ていないときは肌身に染みて辛い。細部までとてもデリケートに作られているのを面倒に思ってしまううが、また、そこが人間らしい。

風にされるがままに晒されたジョーの髪は、大変なことになっていた。
くせっ毛の髪に何をしても”無駄”だと諦めていた。そんな彼にたいして、毎朝ヘアブラシを手に追いかけてくるフランソワーズが見たら・・・、と思うと凍える躯が少し温かくなったように感じた。
彼女を思い出して意識すると、なんだか恥ずかしくなって足裏がくすぐったくなってくる。
モゾモゾとしたくすぐったさが足裏からモゾモゾと膝から腰、背中へと順に上がってきて、ジョーをブルルっと震わせた。

「風邪ひいたら、デートどころじゃないから・・そろそろ行きます」

ジョーは十字にかたどられた墓石にむかって深々と頭を下げた。















Je vous souhaite bonne chance(後)へ続く

こちらはフランソワーズのお誕生日1月24日に「拍手お礼」画像として毎年(?)使用していた絵と文章です。
文章は書き直し+しています。
このたび、前後編のお話にして、表記事(?)にUPすることにしました。

*Souhaite-moi bonne chanceはwish me luckと同じ意味です。*
スポンサーサイト
web拍手 by FC2
Je vous souhaite bonne chance(後)
Souhaite-moi bonne chance (前)






波音が心地よいBGMとなる、海辺のログハウス。
サイボーグである彼らが一時身を置く場所として選んだにしては、とても大胆な隠れ屋だった。


暖炉にくべた薪がパチン!と指を弾くように鳴った。

リビングルームの暖炉前でロッキングチェアに深く腰を下ろしているギルモア博士は、手にしているパイプから、ゆっくりと吸い込んだ煙が肺を一巡する感覚を楽しみ、輪っかを作るように吐き出した。

今夜の夕食はジョーの好きな海老のチリソースに、生春雨巻き。しいたけのさっぱりサワースープ。
フランソワーズが張々湖飯店へお手伝いへ行った日に持ち帰ってくる夕食は、大概にしてジョーが好きなメニューが選ばれる。
その辺りの乙女心をジョーは気づいてないようだ。と、食後のお茶を待ちながらノンビリと考える。


ーーーいまさら気づいていない・・わけはない・・か。


腰を捻って、後ろへと振り返る。
ドアの向うにはキッチンと一つになったダイニングルーム。
二人は夕食の後片付けと食後のお茶の準備をしていた。







「・・これでいいかな?」


シンクに溜めたお湯の中に使った食器を浸し、スポンジを手に取ったフランソワーズへ、新しくストック用の棚から出してきた洗剤を渡した。


「ありがとう」
「ラベンダーでよかった?」
「ええ」


セット売りになっていた新発売の食器洗剤の香りは全てバラバラだった。


「紅茶の葉は・・・どれにしようか?」


新しい洗剤からラベンダーの香り。
スポンジいっぱいに泡立てたフランソワーズの手を見つめていたジョーは、そのままキッチンに居るために自分にできる仕事を探す。


「これが終わったら、私がするから」
「お茶くらい、僕だってもう、淹れられるさ」


目に入った紅茶缶を3,4個ほど棚から取り出した。
リズムよく食器を洗う水音。波音。リビングルームからニュースを読み上げるアナウンサーの声。
コンロにかけたポットは沸々と水を温める。

水切りカゴにお皿が並ぶ。
ツルッとピカっと、CMの謳い文句通りの洗浄力。


「どれがいいのかな?」
「・・・今夜は、レモンでいただこうかしら。ジョーは?」


フランソワーズはジョーへに背を向けたまま、答えた。
彼女の動きに合わせて揺れる亜麻色の髪。跳ねた髪の角度に、ルームライトがキラキラと散っている。


「キミと同じで」
「そう?・・・」


ギルモア博士は?と心に浮かべただろうフランソワーズの疑問に答えるように、ジョーがキッチンから出て、リビングルームへむかった。
003であるフランソワーズだから聞こえているだろうけれど、リビングルームから戻ってきたジョーは、ギルモア博士もレモンで良いという解答を伝えた。

水切りカゴにすべての食器を並べ終えて振り返ると、ティポットに熱々のお湯が注がれていた。
レモンティに合うだろうとジョーが選んだ葉がジャンピング中のようだ。
揃いの3つのティカップも並べられている。けれど、肝心のレモンの姿が見当たらない。

胸前で腕を組み、真剣な表情で砂時計を睨んでいるジョーの姿に、フランソワーズはくすっと笑う。
缶の蓋は開けっ放しの上に銀スプーンが刺さったままだ。
ジョーの後ろを回って缶を手に取り、銀のスプーンをシンクに置く。缶の蓋を閉めて、同じく棚にしまわれずに出しっぱなしな缶たちを元の場所へと戻した。

棚に伸ばした手が流れて冷蔵庫へと伸ばされる。鮮やかな黄色を選び出し、ジョーの隣へ。


「あっ・・ごめん・・・」


砂が半分ほど落ちた。


「いいの」


カット用の小さなまな板と果物用のナイフをジョーに頼んで取ってもらう。切ったレモンを置く小皿も一緒に。
真ん中から大胆に切る。


「フランソワーズ」
「なあに?」


すべての砂が落ちた。
フランソワーズの隣で、ジョーはレモンを切るフランソワーズの手元をみながら、砂時計をひっくり返した。


「今日は・・どうだった?」
「この間よりもお客様が増えてる気がするわ」
「そっか・・」
「明日にね、アルバイト募集の広告を出すのですって」
「ふーん・・」
「私たちに頼ってばかりじゃいられない、ですって」
「気にしなくても、いいのにね」
「・・・もうすぐしたら、作ってもらえなくなっちゃうのかしら?」
「ん?」
「どうしましょう・・私、あまり上手じゃないから・・・お料理」


スライスしたレモンを小皿に載せた手が止めて、ふうっと軽いため息。
お菓子やケーキ作りは好きだけれど、と付け足した言葉に、答えた方がいいのかどうかジョーは迷う。
そんな表情がすぐに顔に出てしまうジョーの、真っ直ぐで正直な性格そのものだ、とフランソワーズは幸せに感じる。

残ったレモンをサランラップで包み冷蔵庫へ戻したのは、ジョー。
フランソワーズはシュガーポットをトレーにのせた。


「ああ、砂糖か・・・」


自分が用意し損ねていたことに焦るジョーが、微笑ましい。
トレーの上に用意したものを二人で一緒に確認する。


「準備OKね、ありがとう」
「あっ・・」


トレーの上にティポット。保温用のカバー、最近知った”ティーコゼー”という名前のをかぶせて。


「どうしたの?」


お揃いのティカップは1つ1つの花模様は違う。


「足りないって思わない?」
「え?」


ギルモア博士は薔薇。ジョーは鈴蘭。フランソワーズは、菫の柄。


「うん、やっぱり足りない」


シュガーポットの中には角砂糖。角のない、コロコロと転がる丸い形で、白と茶の2色が入っている。


「甘いものが欲しいの?」


小皿には輪切りにしたレモン。


「いや、そうじゃなくて」


ジョーは「足りないなあ」と言いながらトレーを持ち上げた。
フランソワーズは不思議そうにジョーを観る。その顔にたくさんのクエッションマークを描く。


「わからない?」
「・・ええ、わからないわ」
「この上に、もう一つ乗せていなくちゃいけないのはね」


モゾモゾとした口の動き。
何か言いにくそうな、くちびるの、動き。


「・・・ええっと、」


トレーを持ち上げたまま、足は一向にリビングルームへと動き出さない。


「あのね」


フランソワーズは頭の中でトレーの上にないものを一生懸命に考える。甘いもの、以外になにがあるのだろうか、と。
夜のデザートは、ギルモア博士の健康のために控えようと、この間二人で決めたばかり。だけど、食べたいときもあるからときどきは、ということで話しをまとめた。

食べたいけれど、言い出せないのかしら?だったら、私が言った方がいい?
頭の中で冷蔵庫の中にある、チョコレートのマーブルパウンドケーキを描いた。


「キミの、誕生」
「え?」
「・・・キミの、誕生日の日」
「私の、・・・誕生日?」


そう、私の誕生日は、来週。と、今思い出す。
キッチンにはカレンダーがないので曜日までは確認できない。


「空いてる?」
「・・・特に・・予定なんてないけれど・・・・」


張々湖飯店のお手伝いの予定が入っていた気がする。気がするだけで入っていなかったかもしれない。あとでちゃんと確認しなければ。
フランソワーズは、頭の中のto do listにチェックを入れた。


「ここに、乗ってないのは、キミの、予定」
「・・・、」
「24日に白紙の、キミの予定をのせてくれたら・・・、僕がその日1日をいただきたいのですが・・・」



何を言っているのだろう。
フランソワーズは、ジョーとの会話を再生しては巻き戻す。




24日。

予定。

誕生日。

開いてる。

乗ってない。

お茶。

トレー。



お菓子。







24日。


誕生日。



1日。



いただきたい。











「つまり」


遠まわしすぎる言い方だ。でも、初めに少し助走を付けたかった。
流れを掴みたかった。
きっかけになる空気が欲しかった。だから、こんな言い方になった。


「キミの誕生日に、さ」


呆然とするフランソワーズをちらっと観て、ジョーは足をリビングルームへ向けて動かした。


「僕とデート・・・しよう」


ダメだ、彼女の顔を直視できない。


「答えは・・キミが持ってきてよ、向うで待ってるから。・・・ダメならダメで、いいから。・・教えて」


顔が熱い。
特に、頬の真ん中。じ
わじわと熱が広がっていく。
心臓が、紅茶の葉よりも勢いよくジャンプしている。



「じゃあ、これは持っていくね」


キッチンに、フランソワーズを一人残してリビングルームへ。
ビリジアングリーンが鮮やかなソファが気に入ってギルモア博士が購入した北欧デザインの応接セット。
ロッキングチェアから移動して、テレビが見やすいソファへと移動した博士がジョーを迎えた。


「おまたせしました」
「おお・・・?・・・・・ありがとう」


ジョーの顔が紅いことに気づくが、特には触れなかった。
テーブルの上にトレーを置いて、ジョーが紅茶のサーブを始めた。


ポットを手に、紅茶を注ぐジョー。
キッチンにまだ居るであろう、フランソワーズがこちらへやって来る気配がない。


「フランソワーズは・・」


3つ目のポットへと紅茶が注がれ始めたとき、アナウンサーが代わり、スポーツニュースへ。
明るく元気な曲が流れ、その曲に似合った元プロ野球選手が解説が始まる。

波音が遠ざかる。
暖炉にくべた薪が手を叩くように跳ねて、よく響く。
ジョーは注ぎ終えたティポットに保温用のカバーをかぶせ終えて、ギルモア博士への前に紅茶を置いた。


「・・・フランソワーズ、は?」


胸にじんわりと滲む香りを楽しみながら、ギルモア博士がティカップを持ち上げた。
紅い顔をしたジョーと真正面から、視線が合う。

彼の瞳が涙目になっているようにみえた。
硬直した躯をぎこちなく揺すっただけで、ギルモア博士の質問に答えず沈黙する。












スポーツニュースが終わり、芸能ニュースに切り替わった。



「デートに誘いました。・・・答え待ちです」
『ついに噂のカップルが公にお付き合いを宣言しました!』


女性アナウンサーが興奮した様子で、ジョーの声に被る。


「・・・ほお、」


ギルモア博士が小さな感嘆の声を漏らし、一口、紅茶を口に含んだ後、フランス語で呟いた。



「Je vous souhaite bonne chance」
「・・どうも」










まもなく、フランソワーズがフラフラとした足取りでリビングルームへとやってくる。









end?







*Je vous souhaite bonne chance = I'll pray for you. =あなたに幸運があることを!*
web拍手 by FC2
| home |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。