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switch
長引いたミッションから愛おしき我が邸(や)へ帰ってきた。

ON/戦場とOFF/日常の切り替えに手間取っていた昔とは違う。
邸の香りに身を浸せば現実に経験してきた”それら”は夢だったのではないかと思うほどに、遠くに感じることができた。

完全に忘れる、ことはできない。
忘れてしまいたい、とは思わない。
常にこころのどこかに引っかかっているけれど、戻ってきた日常にそれらを持ち込むことはしない。


そんなONとOFF、切り替えるためのスイッチは仲間たちそれぞれにあるらしい。











「フランソワーズ、ちょっと」
「なあに?」


リビングルームを通り過ぎようとしていたフランソワーズを、ジョーは捕まえた。
彼女は重そうな洗濯かごを手にしている。
帰ってきたばかりなのに、すでに洗濯機を動かしてすんなりと日常へと馴染んでいた。

「すぐ終わるから」

ソファの上に湿った布が山となっている洗濯カゴを置いたフランソワーズの手を、引っ張った。
引っ張られた力にバランスを崩したフランソワーズを、庇うようにしてジョーはソファに置かれた洗濯カゴの隣に座った。

「ゼロz・・」

ジョーの膝上に尻餅をついたフランソワーズは、瞬時に体勢を立てなおそうとする。
そんな彼女を膝上に留めておくように抱きしめて、彼女の唇に触れた。

チュッと、音が鳴る。

「な・・・い、ん?」

音がなるキスを、意識した。

「ただいま、フランソワーズ」

ジョーの膝上に腰をおろし、抱っこされたフランソワーズは小さくため息をついた。
愛らしく長い睫毛が縁取る青が批難めいた色を見せるが、それらは2回目の柔らかさに溶けていく。

「・・・おかえりなさい」

3回目のキスは、009から優しい恋人への帰還を喜ぶフランソワーズからだった。


「・・・久しぶりだね」


ジョーの躯の中のどこかで、カチッとスイッチが切り替わる。















end.




こちらは「ヨミに咲く花の種」からの再掲です。
(文章は手直ししています)
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Le 9, Mars, 2013.

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