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グリーンアップル

最近のフランソワーズのお気に入りは、食器用洗剤でスポンジいっぱいに泡立てること。
日本の洗剤や掃除用品はとても優れているらしく、キッチン、掃除用品コーナーに
足を一歩踏み込んだら最後、2時間はその場から離れないフランソワーズ。

ジョーの最近のお気に入りは、台所で食器洗いをしているフランソワーズ。
袖をまくってシンクに積まれた食器類を、一生懸命に洗うフランソワーズの後ろ姿を、飽きもせずに見つめている。

フランソワーズの両手が泡に柔らかくつつまれる。
彼女が選んだグリーンアップルの香りがほんのりと漂ってくる。

かちゃかちゃと食器が触れる音、水道の水がゆるゆると流れる音。
ときどき後ろに立つジョーの方を振り返り、幸せそうに微笑むフランソワーズ。
きゅっきゅとスポンジで洗うたびに、フランソワーズのからだが、微かに揺れる。
彼女の美しい亜麻色の髪も、彼女の肩で揺れる。

ジョーはその揺れに誘われるかのように、フランソワーズに近づいていき、そっと抱きしめた。
食器洗いの邪魔するつもりはないけれど、彼女に触れていたい。
ジョーは彼女の腕が自由になるように、背後から彼女の肩を包むように抱き締めた。
フランソワーズの肩にキスをひとつ。

フランソワーズは驚くこともなく、黙々と食器洗いに精を出している。

「なあに?」

少し間を開けて、フランソワーズはジョーにといかけた。
彼女の手は休みなく動いている。

「別に」

そっけなく答えたが、少しだけ腕の力を強めた、ジョー。

「もう少しで終わるわ」
「・・・うん」

フワンソワーズの肩越しから見る泡だらけの手。
汚れた食器を一度水で流し、スポンジの泡で洗っていく。
ジョーはフランソワーズを抱いていた腕を解いて、シンクへと腕を伸ばした。
そして、フランソワーズの手からスポンジと食器をそおっと取る。
ジョーが何をしたいのかフランソワーズは解らなかったが、彼がしたいようにさせるため、何も言わない。

フランソワーズの背後から腕を伸ばして、彼女に代わって食器洗いを始めたジョー。
ジョーがスポンジできゅっきゅと食器を洗うたびに、微かに彼のからだが左右に揺れる。
フランソワーズの左頬にジョーの頬が微かにふれ合う。

「お手伝いしてくれるの?」
「・・・うん」

2人の手は泡だらけ。

ジョーの胸の中にすっぽりと収まるフランソワーズ。
フランソワーズをその腕で包み込むジョー。
2人はふうわりと重なり合ってグリーンアップルの香りに染まる。

蛇口から水がゆるゆると流れる。
泡をゆっくりとその水で流す。

泡で包まれていたジョーの手から、白い泡が消えてなくなった。

フランソワーズは、それが少し寂しくて・・・。
予備のスポンジに、たっぷりと洗剤を含ませて、より沢山の泡を作り出した。

食器はあと2人が飲んだ珈琲カップのみ。

グリーンアップルの香りがする泡だらけの2人の手。
2人の手が重なって、泡の中に隠れてしまう。

お揃いのカップをゆったりと泡に包んでいく。
どれがジョーの手で、フランソワーズの手なのかわからない。

泡の中でふれ合う手と手。



「・・・フランソワーズ」
「なあに?」

「ありがとう」


ーーーーキミといる時間にありがとう。
    キミがくれる幸せにありがとう。
    キミがキミでいてくれることにありがとう。
    
 フランソワーズ、フランソワーズ、フランソワーズ。
 ありがとう。


ボクはキミが好きだよ
ずっと、ずっと、ずっと 好きだよ。
    








end.





N.B.G 投稿作品

・あとがき・
新しい洗剤を買ってきたルームメイト。
とっても良い香りだったのでございます。

ジョーは家庭の温かさを知らずに育ったみたいですので、
小さい頃に経験していそうなことを、あらためてフランソワーズからもらっている。
って言うカンジです?
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