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Evergreen

まどろみの光が暖かく、レースで飾られたフレンチ窓を覗き込む。
穏やかに流れゆく時間は、ライムポトフに降り注いで。
目に鮮やかに映る生命の輝きの色は、忙殺されるのが当たり前の、荒んだこころと体に、本来あるべき姿を思い出させてくれ・・・・る?







「ったく、なあにが不満なのよっ?!」


そんな静寂を打ち破る!
今日も元気に(?)カフェ・Audreyに響き渡るのは香奈恵さんの声!


「・・・大地さん、”雨上がりの虹にかけた一言を”(ミックス・フルーツゼリーとムース重ね/テーブル用)を追加していいからしら?」
「はい、・・・でも、大丈夫ですか?5つ目ですよ・・?」



不機嫌な果実って、何の言葉だっただろう?
どこかで聞いたことがある、響き。


ドラマだったかな?

映画?







そんな事は、どうでもいい!
今、オレの目の前にいる彼女に、似合ってしまった言葉だと思うからだ。



不機嫌な果実。
不機嫌なフランソワーズさん。




「ええ!大丈夫よ。心配してくださってありがとう、優しいのね、大地さんって」


不機嫌・・・?
にっこりと微笑んだフランソワーズさんの、明るく、花が咲きゆれる・・・ような、それは今日、なんだかすこし無理している感じがする。


なんだろう?


やっぱり、今日のフランソワーズさんは、機嫌が悪い。と、言うよりも少しだけ・・・落ち込んでいる?

原因はなんっすか?!







「あんたねえ、言わずにこころの中に溜め込むの、止めなさい!」
「・・・・でも、言ってもどうしようないんですもの」


いつものフランソワーズさんなら、ここで愛らしい頬をぷっと膨らませて、形よい唇を尖らせる仕種を見せるように思えた。
けれども、今日は香奈恵さんからの視線から逃れるように、斜めにすこし俯いて、視線をテーブルに落とす。


「ほ~ら!やっぱり何か不満があるんでしょ!踊りにも出てたわよっあんなんじゃあ、受からないわよ?」
「入団テストは受けません」


ぱっと、顔を上げて、まっすぐにこぼれ落ちそうなほどに大きな瞳に強い意志を持った宝石が煌る。


「ああったくっ!!なんでよっ、はっきり言えば、受ける必要なんてないのよ?あんたが首を縦にさえ振ってくれれば、カンパニーはいつでもあんたをソリストとして迎え入れる準備があるんだからっ」


大げさなリアクションだけれど、さすがバレリーナ!!
動きが絵になる・・・。


「プロになるつもりはないの、そこまでストイックに踊れないもの・・・」
「あ~あ~、そうよね、そうでしょうね!!ちょっとプライベートに不満があっただけで、あんなに踊りに影響が出るようじゃあ、無理だわね!」


香奈恵さんの言葉に、むっとしたフランソワーズさんは、いつになく、空色の瞳を鋭く、香奈恵さんを睨んだ。
長くてしっとりとした睫は揺るがずに、宝石のように輝く碧を縁取る。


「踊りには、出してないわ!」


チェリーカラーの形よいふっくらとした、艶めくくちびるが早口に香奈恵さんに抗議する。


「で~テ~ま~し~た!」


おどけるように言葉をのばしながら、レモネードがそそがれたグラスのストローを銜えた。


「出してません!」


きっぱりと言い切るフランソワーズさんは、今までに見た事がないほど・・・。


えええ?!・・・ふ、2人がケンカ?!


オレはテーブルから離れる事が出来ず、そのままトレーを抱えて立ちつくし、2人を見守る。
・・・怖くて、止めにはいるなんて、こと、出来ません・・・。




「じゃあ、出してないって言える根拠はなによおっ!」


口に含んだレモネードを、喉に通して、潤った香奈恵さんの声が響く。
腕を組んで椅子に背を預けた香奈恵さんの瞳が、細く辛辣にフランソワーズさんを睨んだ。


「・・・・出てないの!踊っていた私が出てないって言うのだから、影響なんてないわ」
「ケーキ5つ目よ?前のときは確か・・・島村っちのイギリス滞在が1週間のびた理由を言い忘れただけで・・・・、島村っちには文句のひとつも言わずに、・・・ここでケーキバイキング並みに食べてたわよね?」
「ジョーのお仕事だもの、理由を聞いても私には関係ないの。あのときは・・・・と、とにかくっ香奈恵さんにはわからないわ!」


ぷっと、やわらかな頬を膨らませて、顔をそらした。
その動きに、きらきらのハチミツ色の絹糸が追いかけて、光が舞散り、花の香りがオレに届く。


尖らせた唇が、可愛い!
目元がちょっぴり潤んでますっ!





あっ、そんな事を言ってる場合じゃない!


けど、



フランソワーズさんの横顔が、伏せ気味の長い睫が落とす、頬の影が・・・何か、いじらしくみえて、線の細い華奢な肩を抱き寄せてあげたくなる。


そんな衝動を、ぐっと胸に抱えたトレーで我慢する。
したくても、したいけどっ、できないっ・・・・・オレ。





「あら、どうかしら?言ってみなさいよ、わからないときはちゃあんと、わからないって言ってあげるわよ?」


胸前に組んでいた腕をテーブルに乗せて、尖った顎をフランソワーズさんへと突き出すように、香奈恵さんは彼女の逸らされた、潤む宝石を覗き込んだ。


「手をつないで堂々とデートなさっていた、香奈恵さんにはわからないのっ」




え?!



おおおおっ!

香奈恵さんが?!

手をつないで?!


・・・・なんか、想像できないっす!
手をつなぐって言うより、こう・・男の腕にしなだれかかる、腕を組む方が彼女らしいっていうか・・・。




「・・・・はあ?」


香奈恵さんの声は、間の抜けた空気まじりの力ないもの。に、含まれた少しばかりの驚きは、彼女の呆けた顔と、何度もまたたきを繰り返す、マスカラたっぷりの睫でわかる。




「あら、香奈恵さん彼氏ができたのお?」
「違うわよ、あれはただの”ボーイフレンド”の1人!」


義姉さん、タイミング良すぎ!
・・・あ。

フランソワーズさんが注文した、”雨上がりの虹にかけた一言を”(ミックス・フルーツゼリーのムース重ね/テーブル用)と、新しいアップルティ。そしてダージリンのホットに、”キスだけが知ってる秘密”(3層のチョコレートケーキ)一緒にトレーに乗せてやってきた義姉さん。




じ、地獄耳・・・・。


ついでに香奈恵さんの隣の席に座り、・・・トレーのものをさっさとテーブルに移して、俺に手に、萌子義姉さんの持ってきたトレーを突き出した。



はい。

義姉さん、休憩っすね?
休憩っていうか・・・あの・・もう、働かないっすよね?


オレは義姉さんのトレーを受け取りつつ、抗議の視線をむける。と、義姉さんはにっこり笑って一言。


「なんのために、大地がいるのよ?働きなさい!」



・・・・・ええ?!

オレだけ働くのかよっ!
オレだって、気になるんだよっ義姉さん、ひでえ!


と、思っていたら、開いていた席のイスに指差した。



「ぼおっと立つなら仕事する。座るなら大人しくしてなさい!」




ああんっ!さすが義姉さんっ!!
さきほどの言葉は却下しますっ。萌子さま、さまっ!

オレは、さっと隣のテーブルのイスに座り、体だけを香奈恵さん、義姉さん、そしてフランソワーズさんのテーブルの方へとむけた。
ありがたいことに、ランチタイムのラッシュを過ぎた今、カフェ内はそれほど忙しくなく、レジに立つバイトの2人の話し声さえも聞こえてくる。

そんなの聴いてる場合じゃない!!




「あんた、見てたの?」
「・・・・偶然、見かけたの」


へえ、意外とそういうのって珍しくないですか?


「いつ?」
「2日前,フォー・シーンズのホテルで・・・」


フランソワーズさんは、熱々のアップルティーのカップにくちびるを添えると、ふう、と息を吹きかけた。

テーブルに広がるアップルティに、少しシナモンを着替えた香りが広がる。



・・・フォー・シーンズ・・・?

げ!
超一流ホテルっ

さすが、新進気鋭のプリマドンナ、今注目されてるだけあるっすね!
(この間、香奈恵さんの取材をうちのカフェでしたんですよ~)



「なんで、アンタがそんなところにいたのよ?」
「食事に行っていたの」


そんなところに?!
誰とっすか!?



「誰とよ?」
「ジョーと」


・・・スミマセン。
当然ですよね。

相手はF1ドライバーに昇格した、若手ナンバーワンっすからねえ。
なんか契約金、すごいらしいっすね・・・。



「・・・・で、何が不満なの?あんたもデートしてたんじゃないっおあいこよ?!ついでに泊まったんでしょ?どうせ!私はバーに行ったのよ、飲みよ、飲み!それだけなのっ、アンタの方が良い思いしてるじゃないっ」


オレからすれば、・・・はい、お互いさまですねえ。



そういえば、・・・・オレ、最後にデートしたのいつだろう・・・。
あ、香奈恵さんの、プリマになったお披露目パーティの前に、・・・フランソワーズさんとデパートへ行って以来?

あれ?
それ、デートって言えるのか?


最後はジョーが迎えにきたし・・・・。


え?



それを含まなかったら、オレ・・・っ!!
か、考えるの止めようっ。うん、集中、集中!





「手を・・・繋いでいたんですもの・・・」
「何よ?それが悪いの?」


呆れたように、香奈恵さんはテーブルの上に頬杖をついて、尖った顎をそこへ乗せると、小さな溜め息をついた。
フランソワーズさんは小さな声で「悪くないわ」と呟き、銀色のスプーンを手に、”雨上がりの虹にかけた一言を”(ミックス・フルーツゼリー)の、ゼリーをつついた。


「そうよお、手をつないでデートくらい、この大地でもしたことあるわよ?フランちゃん、なにを今更!」


義姉さんっ、余計なお世話ですっ!
余計な一言ですっ!


・・・遠い昔の話しです・・・・。



「・・・だって、私とジョーは・・そういうの、そういう、その・・・しないもの」
「しまくってるじゃない!」


手にのせていた顎を浮かせて叫んだ、香奈恵さんの発言に一票!


「違うの!そういう、・・・の、・・・じゃなくて。あ、萌子さん」


フランソワーズさんは、義姉さんの顔をみて、隣の空いたイスの上に置いていた、紙袋を手に取って義姉さんに見せた。


「・・・ありがとうございました、今日持ってきたんです」
「ああ、はいはい。面白かったでしょう?」
「とっても!”蜂蜜とミツバ”に”恋コンプレックス”、”恋愛パンフレット”、”桜と男子”夢中で読んでしまったの、続きお願いできます?」




・・・・義姉さんが集めてる少女漫画だった。
兄貴の書斎には、義姉さんのコレクション用棚もあり、たまに読んでます。
後学のためですっ!

べ、別に、ファンレターとか出してないっすよ!!
・・・・出して、ないっす、よ。

葉書くらいの、もんっすよ・・。








「・・・・・それのせい、でしょ?」


頷くような動きで、香奈恵さんは顎でフランソワーズさんの隣にある、紙袋を指した。


フランソワーズさんが名を挙げた、漫画の内容的にいっても・・・そう思います。
影響受けてますね!




「おかしいわ・・・だって・・・だって、私とジョーは、こういう風な・・・こと、なかったもの」


拗ねるような言い方をして、ゼリーをぱくぱくと、形良いくちびるへと運んでいく。





---え?フランソワーズさんと、ジョーにはなかったんですか?



「ある方が不思議だわよ」
「え?」


ええ?


「あんたと知り合ってから、ずっと見てきてるけど、だって変なのよっ!!島村っちとアンタって」


つうっと銜えたストローが色づいて、吸い込まれていく先は、その大きなくちびるが、自分のチャームポイントだと、知っている香奈恵さんの喉を潤す。

香奈恵さん用の甘さ控え目のレモネード。


「変、かしら?」


フランソワーズさんの、つるりと輝く白水晶の小さな手に、ほんのり色づく桜貝の爪。
その手が持つ銀色のスプーンが、ゼリーの層を抜けて、ムースを掬う。
フルーツ・ミックスゼリーの下は、さっぱりしたヴァニラビーンズ・ムースに少しばかりのミントのさっぱり感。



「じゃあ、言ってごらんなさいな」
「何を?」


何をっすか?



「どっちが先に告白した?」
「私」


即答で答えた、フランソワーズさん。
・・・ちょっとだけ、悲しいな、その答えを聴くの・・・。



「で、いつ”恋人”同士になったのよ?」
「・・・どういうのが、その・・・いつから、なの?」


香奈恵さんは、くちびるからストローを離して、身を乗り出すようにしてフランソワーズさんを見る。

少し戸惑い気味に答えたフランソワーズさん。
ゼリーをすくって口へと運ぶ。と、ぱくり。と、食べて、頬がくうっと上がり、瞳を細めた。


ああ、美味しいんですね!



「告白されて、島村っちの答えは?」
「・・・・え?」


笑顔が一瞬にして消えて、驚きと困惑に揺れる宝石の名は、パライバトルマリン。
その瞳が、まっすぐに黒曜石のようなしっとりと熟れた黒を見つめる。


「なんて答えてもらったのよ?島村っちから!」
「な、何も、ただ・・・」
「だた、なあによ?」


言いづらそうに、お皿に添えてあったフルーツを、スプーンで転がしたのは、色鮮やかなフランボワージュ。

銀に弾かれた、恋の色・・・と、同じ色に染まるフランソワーズさんの頬。


「・・・その、あの・・・言葉じゃなかったの」


言葉じゃない?



「はいはい、押し倒されたのよね?その後は?」




・・・・・・・・・あ、そうですか。








くっそ~~~~~~~~~~、ジョーのヤツっ!!









あとで、じっくり話し聴かせてもらうからなああああああああああああ!


っと、握りこぶしを作って、オレは2枚のトレーと一緒に立ち上がった。
義姉さん、自分の分はしっかりテーブルに運んできたのに、・・・オレの分は?






「え?」
「その後は?」








義姉さんは、香奈恵さんとフランソワーズさんのやりとりを聴きながら、黙々とケーキとダージリンを楽しんでいる。
早足に席を離れて、自分の分のアイスコーヒーを用意する。
そんなオレをバイトの2人が笑って見ていて、その内の1人がストローを渡してくれた。

オレは、少し恥ずかしくて、視線を床に落として、また席に戻る。







「いつ、好きとか、愛してるとか言われるようになったの?」
「少しずつ・・・よ。知ってるでしょう?香奈恵さん」
「その間、恋人してたんでしょ?」
「・・・あ、あの」


一段と完熟度が増した、フランソワーズさんの頬の色。


「まあ、しっかり、ちゃっかり”押し倒されて”はいたわけね?ったく、ヘタレのくせにっやることだけは、しっかりやってんだから!だから紛らわしいのよ!!ヘタレはヘタレらしく、うじうじ、もじもじ、清く正しく美しい宝塚交際をしてりゃあいいっていうのに!」
「でも、ジョーだもの・・・」



それでいいんですかっ、フランソワーズさん!
でも、オレ、フランソワーズさんが”ジョーだもの”って言うときの、恥ずかしげに瞳を伏せる瞬間が好きですっ。


席につき、自分が座るテーブルにアイスコーヒーを置く。
コースターを忘れてしまったために、コツン。と、テーブルとグラスがぶつかる、小さな音。


「フランソワーズ、私に島村っちを紹介してくれたとき、”彼氏”って言えなかったでしょ?」
「・・・・そう、だったかしら?」
「今は?」
「え?・・・今?」
「あらぁ、そういえば、島村っちさんのこと、フランちゃんの”彼氏”として紹介してもらってないわ?お家の方。として初めはあったし、・・・島村っちさんもそう言ってたわねえ」


ケーキを食べ終えて、満足そうにダージリンティの香りを吸い込みながら、義姉さんが会話に参加。



「そういうことよっ!少女漫画の定番は告白するまでの心の機微とハプニング。さまざまな試練(トラップ)を乗り越えて、告白して、返事もらって、ドキドキして、少しずつなのよ!初めは手を握る、ほっぺにちゅー、口ちゅー、大人ちゅーっていう段階があるのをじれったく、もったいぶって描いてるの!途中にだって、三角関係や、勘違い、すれ違い!あ・・・ここは、しっかりやってそうよね?・・・ま。と~に~か~く~~~~~っ!」


ずいっ!と、フランソワーズさんにむけて指差した。
フランソワーズさんの瞳がその指先に向かうので、少しだけ寄り目になって・・・・ああ、・・・おどけた感じの表情が!

オレの心の中にだけ存在する、”フランソワーズさんアルバム”に加わりました。



「あんたの場合、そういうのすっ飛ばしている上に、やる事だけしっかり終わらせてるんじゃない、どうやっても無理よ!手なんか繋いで、イマサラ”どきどき、胸きゅん、はにかむ恋愛”するなんて、あり得ないでしょっ」


言い切った香奈恵さんは、ぴんっ、と。フランソワーズさんの愛らしい鼻先を弾いた。



「そうかしらあ?」


間延びした、義姉さんの声。
・・・最近、兄貴の口調に似てきてる気がする。
夫婦ってそういうもんかな?



「なあによ、モエモエ?」


・・・モエモエ・・・。



「私が思うに、だからこそ”イマサラ”って感じが重要に思えるわ。そういうのをすっ飛ばした、フランちゃんと島村っちさんだからこそ、今からでもゆっくりと振り返る”恋愛”でもいいと思うのよ」
「振り返る恋愛?」


振り返る?







オレと香奈恵さんの視線が、義姉さんに向かう。
フランソワーズさんは、ムースを掬い、義姉さんの次の言葉を待つ。


「そう、初心に返る!何事も、”初めての気持ち”ってあるじゃない。いくらフランちゃんでも、告白したときの緊張感やドキドキした気持ち、忘れてないでしょう?それに、島村っちさんだって、告白されたときの気持ちもあるでしょう?時間をかけて少しずつ、フランちゃんに好きって気持ちを伝えられるようになるまでの、こころの過程があるんですもの、ね?」
「う~ん、モエモエが言うこともわかるけどお、でも相手はあの島村っちよ?上手くいくかしら?」
「そこがポイントよ!カナカナ!」



か、カナカナ?!



前は、香奈恵っち、萌子っち・・だったような?



「・・・ポイント?」


フランソワーズさんの手から、銀のスプーンが離れた。
愛らしく小首を不思議そうにかしげる仕種は、どこかの鳥かごから外の世界へと冒険に旅立った小鳥が、初めての世界で知る全てに対して投げかける、無垢な仕種。


「そうなのよぉ。初心に返るけれど、昔の自分に戻っちゃうわけじゃないの。いい?気持ちだけ、そのときの感覚を思い出すの。その後、色々な経験をして島村っちさんもフランちゃんも恋愛において、お互いに成長したんでしょ?したはずよね!その上で今の関係が築かれているでしょ?築き上げた関係までキレイさっぱり”当時”に戻るわけないんだから!過ぎた時間が戻らないけど、気持ちは、振り返ることができると思わない?」
「モエモエ、それって・・・同じ人相手にもう一度”恋”する、と。今の状況の中で再恋愛?」
「そういうことお!カナカナ、いいこと言うわね、再恋愛!何度同じ映画を見ても、同じところで感動もすれば、新たな発見があるのと一緒みたいな感じかしら?」


にんまり。と、笑う、義姉さん。
義姉さんはいつでもポジティブなんだよなあ・・・。


「ふうん。モエモエは、そうやって倦怠期を乗り越えてきたってわけえ?」
「中学からよお?付き合い。まあ、ダイが留学していた時期は遠距離だったけれどねえ」


カナカナは興味深げに、モエモエを見つめた。
(口に出しては言えないなあ・・・)


「・・・・」
「で?私が手をつないでデートしてるのが、うらやましくて、拗ねて、不機嫌だったわけってか?」
「だって・・」


視線を再びフランソワーズさんに戻した香奈恵さん。
オレも、義姉さんも彼女へと視線を向ける。


「ほら、ここまで話がすすんでんだから、はいちゃいな!」


フランソワーズさんを煽る、香奈恵さん。
なんだかんだと、香奈恵さんはフランソワーズさんのことを、大切な友人として心配っていることがわかる。


「・・・ジョーは手を繋いでくれないの・・・手を握って引き寄せたり、って言う感じで・・・街中でデートしていても私の背に腕がまわされてるし、なの」
「フランちゃんは手を繋いで歩きたいわけね?」
「ったく、そんなことでイチイチ、街中の男が片膝をついてアンタのご機嫌取りをし始めるくらいの、悩ましげな憂いた表情(かお)で不機嫌にならないでよ!調子狂うわ!簡単じゃない、言えばいいのよっアンタ得意でしょ?フランソワーズのお願いを無視するような島村っちじゃないじゃないっイマサラよ、それこそ。不機嫌になる理由にもならないわっ!」


はああ。と、言葉の後に肩で息を吐き、チェアの背に倒れるように体重を預けた。


た、確かに!





華やかに、天上の光纏う虹色の笑顔に煌めく、この世の碧という碧の中で彼女のもつ碧は、地球上どこを探しても見つけることができない、神のしずく。
嫉妬する女神たちをも、彼女の笑顔を見れば、極上の天酒(アムリタ)を三日三晩呑み明かす、酔いの絶頂の瞬に夢心地を思い出し、ウットリとこころ嫉妬の織を溶かして、彼女の虜になってしまう。


そんな彼女が、悩ましげに、悲しげに、憂えた宝石さえも色あせる、神秘の秘宝の瞳と、愛らしく下げた眉根で街をあるけば!!

大変だああああああああっ!



男が、放っておかないっしょ?!
フランソワーズさんを衝動的に抱きしめたくなるのが、遥か太古の時代より、全世界の男と言う性のDNAに組み込まれてしまっているんですよっ!

自覚してくださいっ。





あなたは素敵すぎるんですっ、フランソワーズさんっ



興奮した気持ちと体を冷ますように、ストローなしでオレは一気にアイス珈琲を喉へと流し込む。
体の中を通る、キンっと冷えた珈琲が、胸に、胃にたまる。

ふうっと、グラスをくちびるから離して、息を吸い込んだ。
オレの手の動きに合わせて、グラスの中の氷が涼やかに、からん。と、鳴る。

手にしみ込む氷の冷たさが、グラスに浮かぶしずくが、手のひらに熱に消えていく。





「・・・・・一度ね、一度だけ、手を繋いでくれたことがある。の、は、ある。の・・・」


んんん?




囁く声は小さく、からん、と。レモネードのグラスで揺れる氷が動いて、オレがテーブルに置いたグラスの氷と輪唱すると、その声を消してしまいそうだった。





「それは、あの・・つき合う前で、私がジョーを好きと想う気持ちを、ちゃんと自覚する、ずっと前で・・・。彼から、ジョー,から・・・突然、”外へ行こう、海岸に行こう”って誘われて・・・・」



茹だるような真夏の熱さを、肌を撫でるようにして癒してくれる冷たい潮の香り含む風が、オレの脳裏を通り過ぎた。


波の音が、聞こえる。








フランソワーズさんの声に、仕種に、そして、言葉に、オレは見た事もない、2人の海を、描く。












一定のリズムを刻み、波打ち際にひいては、かえる。
貝殻たちを運ぶ、海水泡立った白が、きらきらと、反射しては一瞬にして消える。


その儚さに、目を細めた。





海面に光舞う彼方、遠い、遠い、フランソワーズさんの生まれた国がある。





彼女は、視界の両端で”地球が丸い”ことを感じ、この海が、彼女の生まれ故郷と繋がっていることに、淋しさをかくした。


見上げる空は、同じ空。
風を肌で感じているのに、空に浮かぶ、綿のような雲は、その位置を変えないために、リアルな絵を見上げている気分になる。



視線を空から・・・ヤツの、潮風にゆれる、クセのある栗色の髪へ。
明るい日差しの中、ヤツの髪は金茶色に変わっている。



太陽の熱を捕らえて離さない砂浜は、さらさら、と。風跡を刻む。



甘く豊かに香る、フランソワーズさんの花の香りは、うっとりとするハチミツ色の髪に絡まる甘えん坊な潮風が、彼女の香りを胸に抱いて、どこか遠くに旅立っていく。



2人は、一定の距離を開けて、波のリズムに合わせて歩く。


ジョーの、背中を見つめる、フランソワーズさん。
フランソワーズさんの、視線を意識する、ジョー。




2人は同じ、波の音に耳をかたむけて。
















「ただ、歩いていて・・・



ずっと彼は何も言わずに歩いていて、



そんな彼をずっと、追いかけて。




急に立ち止まったと、思ったら・・・




”手を繋ぎたい”



って一言。




びっくりして、でも、どうしてかは聞けなくて。





・・・どきどきして、・・・・・・・ちょっと怖かったかな?





でも。
断ることなんて、私にはできないの。






・・・彼の手に、自分の手が触れた、あの瞬間・・・を、思い出したのだけど、ちゃんとは思い出せないの。


それくらい、緊張して、パニックになってたのよ、私」







立ち止まり、振り返ったヤツは、陽光を背負い。
まぶしげに瞳を細める、フランソワーズさんの耳に届いた、言葉。







”手を繋ぎたい”






差し出された手。

戸惑う碧。





けれど、差し出したヤツの手のひらに重ねられた。




変わらない、リズムを刻む、波音。
変わらない、光と風。

変わらない、青と、蒼と、碧。







「それで、ね。


手を繋いで、


海岸を歩いたの。


ずうっと、黙ったまま。


手を繋いでも、彼の隣に歩くことはできなくて、


手を繋ぐ前と同じように、彼の背を追うように、


彼の手に引っ張られるような、


そんな風に手を繋いで。









ただ黙って海岸を歩いたの。



一言も、何も言わなかったのよ・・・。
そのまま、邸に帰って・・・。


今でも、あれは夢だったのかしら?って思うくらい・・・不思議なの。



ジョーに、・・・・あのときは、どうして?って訊きたいのだけど、訊けないままなの。



香奈恵さんが、・・・手を繋いでいるところを、見て・・・あの日のように・・手を、ね?手を・・・繋ぎたかったの・・・・」











二つのシルエットが、浮かぶ。




ヤツは、ジョーは、・・・・・・何を思って、フランソワーズさんと”手をつなぎたい”って言ったんだろう?

























「ふうん、そんなことがあったのねえ、なんだか、B級映画みたい」


ぽつり、ぽつり。と、途切れるように話したフランソワーズさん。
第一声はやっぱり、香奈恵さんだった。


失礼なっ!!
フランソワーズさん主演の映画が”B級”なはずないじゃないっすか!!




「でも、ね。その後にも先にも、手を繋いだのは、それっきりなの・・・。こう、危ないときとか、急ぐときとかには、”ひっぱる”って感じであるけれど、それは・・違うでしょう?」


冷えかけたアップルティを、大切そうに両手で包み込み、温め直すような仕種。
義姉さんは、うん。うん。と、同意するかのように頷いた。


「それで、その後つき合ってからも、ないのね?」
「私が、ジョーの腕に・・腕を組む事はあるわ。でも、だいたい彼の腕は私の背に添えられてるのよ」
「島村っちは、島村っちさんなりの考えがあるんじゃないのかしらねえ」
「だから昨日、言ったの」
「っなあんだ!!やっぱり”お願い”してるじゃないっしっかりとおっ!それで、何が不満なのよ?」
「・・繋いでくれなかったの」
「あらあら」
「ヘタレねっ」


オレは2人のリアクションに便乗する。

ジョーっ、何やってんだよっ!


「ごまかすみたいに、抱きしめられて、キスしてくれて・・・あとはいつも通り」
「どうせ、あ~んたたちのことだからさあっ!街のど真ん中で一目も憚らずでしょ?そっちの方が問題なの!手をつなぐ方が公共ワイセツ罪にひっかからないのよ?!」
「・・・理由、聞いてみたの?フランちゃん」
「昨日の、今日ですもの・・・聞いてないわ」
「ったく、簡単じゃなあいっ聞きなさいよっ!もしロクな返事がもらえなくて、あんたが変わらず”不機嫌”になるんだったら、私が一発ぶん殴ってあげるから!!!!!!」


ぶんっと香奈恵さんの拳が空気を切る。

・・・・いい左をお持ちですね、香奈恵さん・・こわっ・・・・。







「聞いても、いいのかしら?」


宝石を縁取るレースのようにととえられた、繊細に揺れる睫は、カフェに舞い散る、自然光を優しく集めるように、何度か不安げに瞬いた。


「良いに決まってるじゃなあいっ!”手をつないでくれないのは、どうして?何か理由があるの?”ってねえ?モエモエ」
「ええ!もちろんだわっカナカナの言う通りだと思うわ、フランちゃん」


・・・女子高校生のノリですか?
ちょっと、見ていてひいてしまうんですけど、オレ・・。
(義姉さん、高校卒業したの・・・ぐはっ、足っ足っっ、義姉さんっパンプスっか、っかか、かかっとおおおおっ!)




「フランちゃん、今日も、島村っちさん迎えにくるんでしょお?」


フランソワーズさんは、頷いた。
陽の光に、明るい亜麻色の髪が、彼女の動きを追いかける。

フランソワーズさんのトレードマークの細く、スワロフスキーのビーズをあしらったカチューシャが、きらり。と光って、オレは片目を細めた。













####


午後の光は木漏れ日のように淡く、ときおり揺れて影をさす。
ウィンドウのフレームで区切る街行く人々は、古ぼけた16mmフィルムのコマのように見えた。

店内に漂う、ほのかにパンが焼ける香り。
夕方の帰宅途中のOL、会社員、夕食の買い物途中のお母さんたちをターゲットに、明日の朝用?目的でお買い上げいただくパンを焼く。
これが意外と好評なのだ。

売り切れごめん!で、だいたい完売する毎日。



美味しそうな香りが店内を包むころ。
店が少しばかり慌ただしくなる。が、裏口から入ってきたのか、スタッフルームから姿を現した美恵子さん(義姉さんの高校時代の同級生で、カフェAudreyの唯一の正従業員)が、オレに向かって手を振った。

義姉さんも、オレの様子に気がついて振り返ると、柏手を打つように手を合わせ、ぺろり。と、下を出す。
すると、美恵子さんはおどけた様子で、拳を作り、はあっとその手に息を吹きかけて笑った。




ジョーが、いつも車を停める有料駐車上の方角から歩いて来るのが、カフェのウィンドウから見えたのは、話題のトピックがかわって、30分ほど経ったころ。


オレは、ヤツをウィンドウ越しに見る。




空気が違うんだ。
ヤツの周りだけ、空気。と、言うか、空間・・・が違う。

時間の流れの違いを、感じるんじゃなくて、”見る”んだ。




ゆったりと前に出す、足。
スニーカーは黒。


着慣れたジーンズは色褪せて。
癖のあるラインが、ジョーの仕種を表している。



暦の上では処暑を詠み、長い夏の終わりを告げようとしているけれど、相変わらず、店内の冷房の温度設定は変わらない。

・・・のにも関わらず、


ヤツを追い抜いて、歩き去るサラリーマン風の男のシャツは、べったりと体に張り付いてみえたのに。
無造作に着ているヤツのシャツは、歩く速度に合わせてゆったりと揺れる。




汗って言葉、知ってますか?
いや、それ自体が・・・お前人間じゃねえだろ?











ドアのチャイムがちりりんっと鳴る。
冷やされた空気が、ジョーを包み込む。と、ヤツはほっと、息を吐いた。


あ。やっぱり暑かったんだ・・・。
でも、なんでそんなにっ三、三、三組、爽やかさん(くみ)?!>知ってる人は知ってる。




レジ前にいた1人が、ジョーに気づく。と、彼女にむかって優しい、甘みを含んだ微笑み、(これを、老若男女問わず、ときめきプレゼント実施中!の、香奈恵さん曰く、容赦なく無駄にフェロモンをスプリンクラーのようにふきかけまくる状態)で答えて、テーブル席へと視線をむけた。


いつもの時間に来る彼だから、アルバイトの彼女もよく知っている。
彼が彼女のために、この店に来ていることを。
なので、そのまま彼をテーブル席に案内するようなこともなく、少しばかり上気した頬の色で、ジョーに向かって頷く仕種で答えた。




ヤツ独特の歩で、テーブルに近づいて来る。


「・・・・お揃いで」
「いらっしゃいませ、島村っちさん」
「よお、何にする?」
「・・・珈琲」


オレの前を通り、当たり前のように、フランソワーズさんの隣の席に座る、ジョー。


そう、・・・・そのために、この席は先ほど義姉さんが、フランソワーズさんから返してもらった少女漫画の入った紙袋を、スタッフルームへと置いてきた。






「島村っち、なんでアンタ、フランソワーズと手をつながないのよ?」



いきなりっすか?!



ジョーが席につくなり、香奈恵さんは今日のメインテーマをさらり。と、口にしてしまった。


「か、か、香奈恵さんっ!!」


ジョーに向かって微笑み、いつもように、彼にキスしようと腕をのばしたフランソワーズんさんの手が止まり、香奈恵さんの方に驚きの視線を投げた。


「手?・・・を、繋ぐ?」


香奈恵さんの言葉に、眉間に皺を寄せつつ呟かれた、ジョーの声。
が、しっかりヤツは、フランソワーズさんの頬に手を添えて、彼女の頬にキスを一つ。

フランソワーズさんは、頬で受け止めたジョーのキスの感触に、香奈恵さんから視線を外し、困ったように、眉根を下げてジョーを見つめて、そのくちびるにそっと、触れるだけのキスする。



いつもよりも、ほんの少し、・・・切なく見えた。


ジョーは目蓋を閉じる事なく、そのまま彼女のキスを受け止める。
フランソワーズさんの隠されていた、碧が再びこの世に現れて、・・・その宝石を覗き込み、言葉にせずに、ジョーは彼女へと問う。






”何の話し?”




「フランソワーズと手をつながないのは、なんでよ?」


香奈恵さんが、言葉を繰り返した。

「・・・別に、・・・・・必要ないから」
「あらあら・・」
「っっ!」
「っ香奈恵さんっ!!」


がたんっ!っとイスが、テーブルが揺れた。
勢いよく立ち上がって、腕を振りあげた香奈恵さんっ。

フランソワーズさんも立ち上がり、香奈恵さんを止める。


「ったく、相変わらずっヘタレへの愛よ、愛っっ!殴らせなっ」
「・・・いったい、何?」
「もう、お願い・・やめて香奈恵さん、ここは店内よ。萌子さんに迷惑がかかるわっ」


義姉さんの名前を出されて、ちらり。と、視線を義姉さんにむける。
ただ、香奈恵さんにむかってにっこり。と、いつものように義姉さんは笑った。

それだけで、香奈恵さんは振り上げていた拳を降ろして、大人しく席に着く。




・・・・じ、実は義姉さんが最強?!



「・・んだよ?」




あれ?
・・・・ジョーも機嫌が、あまりよろしく、ない?
香奈恵さんのせいもあるかもしれないが、いつもよりも対応が・・・?
まあ、この暑さだし、そういえば・・・ジョーってイギリスから帰ってきたの、2、3日前の、はず・・・。
あ、だからあの一流ホテルに・・・?


わかってしまう、自分が悲しいなあっ・・・まったく!!






オレは、残りのアイス珈琲を飲み干す。
使われなかったストローが入った白の封が、グラスに浮かんではすうっとテーブルに降りおりる雫に濡れた。



海外(向こう)での準備に、日本とイギリスを往復する生活を送っているジョーは、オレたちが想像するよりも、かなりハードな生活をしているらしい。
(先月のモータースポーツの雑誌で知ったんだけどさ)



ジョーの態度が不機嫌な原因はそのせいかも。
さすがに、疲れてるのかも?






「あのね、島村っちさん」
「・・・?」


義姉さんの声に、ジョーはフランソワーズさんから視線を外す。


「フランちゃんがね、島村っちさんが手をつないでくれなくて、淋しいって言うのよ」
「・・・・手、を?」
「そうよお。女の子にとってはとおおっても、大切なことなんだから!!」
「昨日っ!フランソワーズに言われたのにっ無視したんですってねえっ?ヘタレのくせにっフランソワーズのお願いを無視するなんて一億光年早いのよっ!!」


2人は交互にリズム良く、ジョーに先ほどの話題を聴かせた。
その、なんて言うか、顔で笑っていても・・・(いや、香奈恵さんは笑ってないけど・・・)


うわ・・・なんか、・・・怖いよぉぉぉぉ。
(婿養子ってこんな感じ?!)





「フランソワーズ、どういうこと?」


話し続ける2人の声を、遮るように、ジョーはフランソワーズさんに向かって訊ねた。


「・・・・・・・」
「・・・フランソワーズ?」


ジョーのアンバー・カラーの瞳がフランソワーズさんに訊ねる。
フランソワーズさんは、まっすぐにジョーの、その瞳を見つめて、すこし緊張気味に開いたチェリーカラーのふっくらとした、くちびるが動いた。


「昨日、・・・・手を繋ぎましょうって、言ったわ、私」
「・・・それで、繋がなかったからって、・・それがそんなに重要なこと?」


小さく、こくん。と、頷いた。


「・・・手を繋いだ事、ないもの」
「・・・・・あるだろ?」


2人は見つめあい、囁くようにして会話する。
それを、黙って見守るオレら、3人。


カフェ店内の、全ての音が。
ウィンドウ越しに聞こえてくる、街の雑踏から浮き上げっていく、2人の声。


「ジョーの言う、のと、少し違うわ」
「違うこと、ないよ・・・、俺が頼んで、邸近くの海岸、一緒に歩いたろ?」


オレの座る位置からは、ジョーの表情(かお)を見る事ができない。
ヤツの長い前髪が邪魔してる。


「あの日だけなの?」
「・・・・・・あの日は、・・・その・・・・・・・特別...」


ジョーの声は、甘いテノールに、低音のノイズをカットした。
心地よい響き。

ん?

でも、・・・なんか歯切れが悪いぞ?




「・・特別?」
「俺にとっては、ね・・・。でも、覚えてたんだ、あの日のこと」
「当たり前よっ!!だって、すごく・・・すごく・・・びっくりしたもの」
「・・・好きだったから、・・・・お願いしたんだ、けど?」


フランソワーズさんの空色の澄んだ空が、大きく深呼吸する。


「ウソ・・・だって、それじゃあ」


食い入るように、世界は彼だけ。と、言うように、見つめて。



「ウソじゃない。それが嘘じゃなかったら、キミより俺の方が・・・って?」
「・・・ジョー、だってあのときはまだ、私・・・」


---あなたに、009に憧れていて・・・・・・まだ、好きだって自覚は・・・・・・・。



「フランソワーズが考えているよりも、かなり前から好きだったんだ、よ。俺、キミのこと」
「・・・初耳だわ」
「・・・言った事ないもん、俺」



もん?!



「どうして?」
「・・・・・・もう、いいだろ?」
「知りたいわ!」
「いやだ」
「教えて?」
「ヤダ」
「も!どうしてっ!!」


フランソワーズさんの、小さくて白い手が、ジョーの、腕に。


「・・・・・・言ったら、笑う..よ」




それは、オレらが、か?!




ジョーは拗ねるような口調で、呟いて・・・・、俯いた。




「島村っちのくせにっもったいぶるんじゃないわよっ!しっかりはっきり、鍛えた腹筋を駆使して笑って差し上げるから!いいなっ」
「そうねえ、ここまで会話に参加してるんですもの、訊く権利があると思うのだけど?私は、笑わないように努力します!・・・大地っ珈琲は?!」
「は、はい!!」
「・・・まいった、な」


俯いた顔を上げて、ジョーは今日初めて・・微笑みを、その甘い顔に浮かべた。



オレは急いで、レジカウンター奥の厨房へと走り込む。
ジョーの分の珈琲を、カップに注ぎ、零さないように!と思うけれども、急ぐ足がつくる震動に、素直に答える黒い液体は、カップソーサーにたまる。

テーブルに置いた、それを見て呆れたように、またジョーは笑った。


なんだ・・・機嫌が悪いんじゃないんだ。
外の暑さでちょっぴり苛ついていたんだな!こいつう!


「大地、中身半分・・」
「あとで注ぎ直してやるって、で?笑うような理由なのかよ?」


再び、イスに座った俺。
女の人、3人の会話にはさすがに口を挟む(勇気がない)のは、遠慮していたが。
ここにジョーがいるなら、問題なし!


どんどん、突っ込むぜ!!

(あ、義姉さんが・・美恵子さんに・・・・)





「・・・う..ん・・・・・・人によってはだろう、けど。・・・・・・できたら言いたくない、よ」


美恵子さんが、ジョーのための、新しい珈琲をもってきて、オレがいれてきたのと交換する義姉さん。


・・・初めからそうしてくれたら、いいのに・・・。


「私にも?」


ヤツの腕を引いて、こちらを向いて。と、おねだりする。
フランソワーズさんは甘えて、上向き加減に顎を上げた仕種でジョーの瞳を覗きこみ、彼女の声は少しだけ、オレの胸を痺れさせた。


オレの腕にも甘えてくださいっ!


「・・・・・そういうの、あるだろ?」
「ないわ!」
「・・ないの?」
「ないのよ?」
「・・・・・・俺は、ある」
「全部知りたいの、私、ジョーの全てを私のものにしたいの。だから、ジョーに私の知らない秘密があるなんて、許せないわ!」
「・・・話さなかったら、どうなるの?」
「怒る」
「・・・怒るんだ?」
「ええ!とってもっいっぱい怒るわ」


香奈恵さんの大きな口が左右にへにいいいいっと引っ張られて、嬉しそうですね・・・。


「いいよ、怒ったら。怒ったフランソワーズも好きだから、ね」
「もちろん、どんな私でも、あなたは好きなはずよ?」
「うん」
「でもね、今回は違うの」
「・・違う?」
「そう、違うのよ?」
「・・・・・・どう、違うんだよ?」
「手を繋ぐから。・・・・ジョー意外の人と、手を繋ぐわ」


ジョーの肩が、息が止まって、アンバー・カラーの瞳が時間を失う。


「・・・俺以外の人と?手を、繋ぐ?」
「ええ、そう。・・・・・・ジョー以外の男の人とよ。手を繋いでくれる人と、一緒に街を歩くわ」


にっこり。と、花が咲く。


オレでも、いいっすか?!






「・・・・・・・泣くよ?」


ちょっ!!泣くのかよ!
・・・それくらいでか?



「泣いても知らないわ。勝手に泣いてちょうだいね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に、泣くよ?」
「ええ、どうぞ!ジョーが泣いてる間、私は楽しく手を繋いで街を歩いているわ、きっと」
「ふうん・・・」




おおっ!
大胆発言ですよっフランソワーズさんっ。
(オレでよければっ、この手をどうぞっ)




「本当なの」


自信たっぷりに言い切るフランソワーズさんは、愛と美の女神アフロディテさえも嫉妬して憤死すかねないほど、魅力的に微笑んだ。




「・・・そろそろ帰るよ」





ええ?!



席から立ち上がり、テーブルにあったレシートを持ってレジへと向かう、ジョー。
義姉さんがジョーを追いかけて行く。

フランソワーズさんではなく、義姉さんがジョーを追いかけていく。のに、フランソワーズさんは、席に座ったまま、離れて行くジョーの背を見つめていた。

香奈恵さんは、にやにやと面白そうに嗤っている。










フランソワーズさんは、ジョーを追いかけない。











「”手をつなぐ”くらいでっ!!ったく、弟よりもお子ちゃまねえっ」
「フランソワーズさん、ジョー、帰っちゃいます・・よ?」
「いいのよ、あ~~~~んな、ヘタレ。たかが”手を繋ぐ”くらいの事で、あんなにひた隠す方が悪いっ、フランソワーズ!あんなのポイっしちゃいな!ポイっ!よ、ポイっ!!いい男紹介するわっ、弟じゃつまんないもんねえ?」


ああっ香奈恵さん、オレの気持ちを・・・・・・・エスパー?





ゆっくりと、冷めてしまったアップルティーの、カップをそっと両手に包み込んで、薄くなってしまった香りを、求めるように、カップにくちびるを添えた。

フランソワーズさんの、喉が、こくん。と、鳴る。


カップをテーブルに戻したとき、フランソワーズさんの視線は、レジカウンターへとむけられた。



青空に雲の影。
おおきな、こぼれ落ちそうなほどに、おおきな瞳はレジ前に立つジョーの背に向かって問う。


”本当なのよ?”














オレはレジカウンターで支払いをしている、ジョーの方へと視線をむけた。


「・・・・あ、あれ・・って・・・」








フランソワーズさんが、イスから立ち上がった。












グー、パー。グー、パー。と、

開いて、閉じて、開いて、閉じて。と、動く、のは・・・・ジョーの手。
















カフェ・Audreyのレジ。
ケーキが並んだショウ・ケース、義姉さんはお持ち帰り用に・・何かを包んでいる。




ジーンズに財布を閉まったジョーの手が・・・不思議な動きをしていた。







グー、パー。グー、パー。

開いて、閉じて、開いて、閉じて。





手は、ジョーの背・・・ベルトあたりに添えられて、ぐー、ぱー。ぐー、ぱー。を繰り返した。






”フランソワーズ、来て...?”







フランソワーズさんは、慌ててジョーへと駆け寄っていく。
白に、薄いブルーの小花が散る、切り返しのないベビードール風のワンピースが、ふうわりと、眩しげに広がって・・・まるで・・・小さな女の子が飛んでいってしまう風船を捕まえるように。




しっかりと握られた、手。と。手。













んだよ、結局そうなのかよっ!
もったいぶってんじゃねえよっ、ジョーっ!





「ありがとうございました~♪ またいらしてね、フランちゃん、島村っちさん」


ジョーは義姉さんから、白い箱を受け取った。


「ええ、またね萌子さん。さようならっ、大地さん、香奈恵さんっ!」











手を繋いで。









幸せそうに輝く笑顔は、オレじゃやっぱり無理なんだよな・・・・。






歴史に名を残す、どんな天才画家でも、彼女のあの笑顔を再現することはできない。
カメラだって、その輝きを捕らえることなど、100年先の科学技術を持ってしても、無理だと思う。



不機嫌な果実は、ご機嫌の完熟食べごろ果実。に、早変わり。



右手にケーキの箱。
左手にフランソワーズさん。


ドアを肩と肘で開けたジョーは、こちらに振り向くことなく、長い前髪に隠しているために表情は見えない、が・・・。
店内に入り込む、オレのこころに答えてくれた夏を惜しむ風が、・・・・そして見えた、ヤツの・・・。



ドアのチャイムがちりりんっと鳴る。
手を繋いだ、初々しい恋人たちに、また来てね、と。

















「みたああああああああああああああああああああっ?!カナカナ!」


彼らが去った後。
義姉さんは大興奮で、レジカウンターからオリンピックの公式記録を塗り替えんばかりの勢いでテーブルに戻ってきた。

「ええっもっバッチリね!」


まあ、その興奮具合も分からなくないけどさ!


「・・・すっげえ・・・・・ジョーのやつ、顔も耳も・・・あれは絶対」
「全身茹で蛸よっ!!島村蛸ね!いい感じに茹であがってるわ~あれはっ」


変だぞ!
手を繋ぐぐらいで、何をそんなに・・・、ゆであがってるんだ?!



「フランちゃんが島村っちさんの手を取った瞬間っ、島村っちさんったらっ!ああ、私のボキャブラリーじゃ、あんなの表現できないわあああああああああっ!!」


お、落ち着いてくださいっ義姉さんっ!
(あなたは兄貴の嫁!)


「ふふふふふふfっ!!モエモエ~、私さあ、思うんだけどお・・・」


ああ、か、カナカナっ何か良からぬ事を考えてますねっ!!














####


「ジョー?」

「ねえ、」

「じょお?」

「Joe?」

「ジョウ?」

「ねえ、ジョー?」


彼女を引っ張るようにして、歩いていたが、彼女は歩く速度を遅くして抵抗したために、彼は、彼女へ振り返らず、歩みの幅を狭めて、そして、そのテンポを彼女に合わせた。


「なに?」
「理由、教えて?」
「手を繋いでる。・・・これでいいだろ?」


ぶっきらぼうな言葉。


右手にケーキの箱。
左手にフランソワーズさん。



「もう、誰もいないわ、私だけよ?」
「・・・・・・・・・」
「どうして、”特別”なの?」
「理由なんてない」
「嘘」
「・・・うん、嘘」


ジョーが車を止めている有料駐車場は、カフェ・Audreyから角を曲がって2、3ブロック離れた場所に、オフィスビルに挟まれた一角にある。


「・・・・・・・私、あのとき・・・・、びっくりしたけど。嬉しかったのよ?009じゃない、ジョーの手が、嬉しくて、幸せで、ずっと、このままでいられたら、って思ったの」
「・・・」
「でも、正直痛かったわ」
「痛かった?」
「ええ、とっても、痛くて、辛いかったの。・・・・・・駄目だって、009だから、ジョーにはもっと私なんかより、素敵な、ふさわしい女性がるから・・・・・・」
「いなかった。キミしか見てなかった、よ・・・・ずっと」
「嘘つきね!」


ジョーが握っている手に、力を入れる。


「嘘じゃない」
「でも、知らなかったのよ?私。・・・こうやって、ね?手を繋いでいる事が、嬉しいの。でも、あの日はすごく変な気分だったわ。ふわうふわ、して、どきどきしているのに、ちくちくと、悲しかったの・・・憧れの人と一緒に・・・なのによ」
「・・・・・死ぬほど勇気がいることだったんだから、な。・・・手を繋いでほしいって言う、の・・」
「がんばったのね!」


隣を歩く、フランソワーズさんは興味津々にジョーの顔を覗き込むように窺う。
絶対に理由を言うまで、諦めない!と、彼女の意思の強さが碧の宝石を輝かせる。


「それで?」



この瞳をされたら、もう、話さないわけにはいかないことを、ジョーは長年の経験からよく知っている。
このまま黙っていたら、きっと彼女は・・・・・・。


ジョーは観念したかのように、早口に言い切った



「俺だって・・憧れてたんだ、よ。・・・・キミに、キミとっ好きな女の子と手を繋いで海岸を歩くことっ」
「・・・え?」


ジョーの頬にさす朱が濃くなる。


「っだから、もう俺の中で、あのとき、キミと手を繋いで歩いた。ってことが・・・特別、で。思い出すだけでも恥ずかしいんだよっ!もう・・いいだろうっ」




頬から広がっていく朱の色に、フランソワーズは釘付けになる。


「ジョー・・・あなた・・・・」









---憧れていた。

  強くて、気高くて、優しくて、愛らしくて、綺麗で、・・・温かくて、・・・どうしようもなく気持ちがキミへ傾いていく。

  


  だから、キミとだけ手を繋いで。
  だから、キミとだけ手を繋いで海岸を歩いた。
  
 






  憧れの、キミと手を繋いで海岸を歩くのが・・・・・・。



  唯一、あのときの俺ができる”好き”の表現方法だった・・・・・から。
  

















白い箱が落ちた。





同時に、その手が彼女の頬に触れて、誤摩化すように、キス。







落とした白い箱の中身よりも、甘くて、美味しいくちびるの、彼女。
今朝飲んだ珈琲の苦みを胸に残してながらの、彼。




繋がれた手は、そのままに。







立ち止まる事なく、通り過ぎる人々は自分が映画のエキストラになった気分だろう。
世界は、彼らだけを見ている。











街の雑踏にまぎれて、肺にこもった熱が作り出した音。



「告白してくれる?」




キスが・・・とまる。







「・・・・・?」
「ちゃんと、好きです。つき合ってくださいって言われたいわ」


愛らしく形良いくちびるが、囁いた。

「・・・・」
「ね?」
「・・俺、キミにプロポーズ、したんだけど?・・・・保留にされてるけど、ね」


頬にふれる、彼女のくちびるをくすぐったそうに、受けながら、ジョーも囁いた。


「・・・・言って?告白して?」
「・・・」
「もう一度、恋愛しましょう?」


ジョーの手を強く、握る。


「もう一度って・・・」



こぼれ落ちそうに大きな宝石は神秘的な碧の色を輝かせながら、強さを秘めた煌めきを生み出す。
瞬きもせず、フランソワーズさんは言う。



「あの日の続きをしましょう・・・・・あの日の、あなたに会いたいわ」








---・・・・・・・・好き、だ。


好きな女の子と・・・・君と手を繋いで海岸を歩く。ことに、憧れていた。
初めて観た映画の、初めて”恋人”と言う言葉を知った日から。


いつか、自分も同じように愛して愛されて、こうやって繋がれて歩くんだ。っと、憧れていた。






たった二文字が言えなかった、言う事を、諦めた・・・・・。
言ってはいけないと、こころの奥底に沈めた、あの日の、あのときの、俺。


手を繋ぐこと。
それが、唯一自分にできた表現。






「あなたの気持ちを伝えて・・・あの日の、”手を繋ごう”の・・・理由」







深く、深く、深く、慎重に息を吸い込む、ジョー。


「フランソワーズ、キミが・・好きだ。・・・・・・俺と、結婚を前提につき合ってください」

「いや」











「おい・・・・・」

















「結婚前提は余計なの!それはまだ、もう少し物語が進んでからなのよ?」


ジョーのアンバー・カラーの瞳が驚きに見開かれた。


「・・・物語って・・・・・」
「もう一回!」
「・・・・・っ」


びし!っと、人差し指をジョーの目の前に突き出す、フランソワーズさん。

ジョーは、彼女を抱き寄せていた手を解いた。
そして、半歩ほどフランソワーズさんから距離を取る。


「・・・・キミは、これから”島村ジョーの彼女”です、って自己紹介することを、命令する」
「初めまして、私は島村ジョーの彼女です。って?」
「そう」
「命令なの?」
「そうだ、よ。命令。だからキミは逆らえない」
「・・・・告白じゃないわ!」
「俺の命令は絶対」


ぷうっと頬を膨らませて抗議する、フランソワーズさんにたいして、微笑んだジョーは、繋がれたままの彼女の右手を持ち上げて、その手の甲にキスを一つ。


「好きだよ・・・フランソワーズ・・・・・・愛してる。キミに命令できるのは、009である俺だけだから、命令させて・・君は俺のだ、って」


ジョーの視線が、重なり合った手に落ちた。











あのときも、そうだった。


重なったキミの手は、小さくて柔らかくて・・・。

繋がれている手の温度があがって、汗を掻くのを我慢しないと。と、焦るほど、じわじわと表面に湿った感覚が襲ってくる。
どきどきと、気持ちは高鳴り、キミの顔がまともに見れなくて、ゆっくりと歩きたいのに、早鐘打つ心臓が、それを許してはくれなかった。

海岸に誘うだけでも、NBGと戦うよるも勇気が必要だった。
”手を繋いごう”と頼んだときの俺の気持ちなんて、・・・キミには想像できないだろう、な。





初めて観た映画のタイトルなんて、思い出せない。
・・・・けれど、思い出せば、そこに、手を繋いでいる、俺とフランソワーズの姿が浮かぶ。


















俺なりの・・・告白だったんだ、よ。
生まれて初めての。




「好きだ、よ。愛してるよ、フランソワーズ・・・キミ以外、いない」
「・・・・もう少し、歩きたいわ・・・・・、このまま」





手を繋いで。









「ケーキ、買い直さないと、な」



2人は、再び歩き出した。






































今、店に戻ってくるのは、あまりおすすめしないぜ、ジョー!









end.


















・言い訳・

はい~!
「9999番」を踏んでいただいた、y___さまへのキリリク・ストーリーでした。

リクエストをいただいたのは、”大地くん・シリーズ”で。
「自分では敵わない、だからこの二人なんだな。の、大地君が2人を見て感動してしまう、
二人の絆がわかる甘くて可愛いおはなし。とのことでした。

・・・・お答えできてますでしょうか?!
感動っていうか、”やっぱりな~・・”的なんですけれど・・・・。
絆=手を繋ぐ!と、単純脳細胞が妄想いたしました・・。

可愛いのポイントを、過去のウジウジ9(笑)に感じていただけると・・・嬉しいです。
幼い9が口をぽかん。と、開けて映画を見惚れているのを想像するのは、楽しかったです。

「ぼくもっ!ぼくも!!大きくなったら大好きな人と一緒にあんなふうに歩くんだよ!」

なあんて・・・。
ずうっと、こころの中に抱いていた野望?だったご様子です(笑)


今回もタイトルに再び悩みました。「Evergreen」は、ふと、添削中に思い浮かんだのですが・・・。
初めにタイトルをつけないので、一番時間がかかるのは、タイトルなのかもしれません。

意味は、永遠の緑(エバーグリーン)の意味の常緑の葉を花束に使うと、永遠の愛を贈る。ということらしいんです!!

もうっ!これっきゃないですよっ。
で、タイトルです。(密かに、9はまだまだ青いんですって意味も・・・?)


お花屋さんが言うには、プロポーズ時の花束には差し込んでおきましょう。だ、そうです。





こんな感じに仕上がりました(どきどき)が、もっと甘々でっ!可愛いのんっ!っと思われましたら、遠慮なく、本当に、遠慮なくお知らせくださいね・・・。>y___さま。



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