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用意された朝食/ボクとアタシの朝の風景
ひと昔前のドラマや、映画、小説に出てくるような、家族で囲む朝の食卓の風景にて、かわされる会話がここ、ギルモア邸でも見られる。


「やめて」
「ん~・・・」
「もう、やめてちょうだい!」
「う・・・ん・・・」
「ねえ、ってば」
「・・・」
「訊いてるの?」
「ん・・・うん・・・・・」
「ねえっ!」
「ん~・・・」


生返事ばかり繰り返すジョーにたいして、フランソワーズは彼の手が伸びた先にあるお皿をさっと移動させた。


「・・・・・・ん?」


やっと、ダイニングテーブルの上に広げられていた専門書から視線をはずし、そこにあるべきであったトーストの乗った皿を探す。と、そこには、ぷっと頬を膨らませて睨む、碧の宝石。


「あれ?・・フラン、ボクのトーストは?」
「知りませんっ!」
「・・・・・・なに怒ってるの?」
「知りませんっ!」
「・・・それ、ボクのじゃないの?」
「違いますっ!」


ジョーの分のトーストの乗った皿は、彼の隣に座るフランソワーズの前に移動していた。


「ボクのだよ?・・なんでそんなところに?」


腕をのばして、その皿を引き寄せようとしたが、その手からフランソワーズがさっと皿をよけた。


「フラン?」
「もう、ごちそうさまでしょ?」
「ええ?・・・一口しか食べてないよ?」
「いいえ、もうジョーは朝ご飯を食べ終わったんですっ!だから、どうぞお好きなだけ、本を読んでくださいな!」
「でも、それボクのトーストだろ?」
「違いますっ!」
「あ!」


フランソワーズは皿からジョーが好きなバターたっぷり塗ってから焼いたトーストを、ぱくり。と、食べた。


「これは、アタシのです」
「食べたっ、ボクのだろ?・・・フランはジャムじゃないかっ」
「いいえ、今日はバターなの」
「なんでだよ?・・・じゃ、ボクの分は?」
「食べ終わったんでしょ!」


ぱくぱくぱくっ!と、トーストを勢いよく食べる、フランソワーズ。


「っ食べ終わってないよ!」
「知りません!」
「なんなんだよ?」
「お食事中に本を読むようなマナーが悪い人の分のご飯なんて、アタシ知らないわ!」


そこで、やっとジョーはテーブルの上の専門書を閉じた。


「これで、いいの?」


ちらり。と、フランソワーズはその本を見る。
ジョーは、はああ、と溜め息をついて、それをテーブルから隣の誰も座っていないイスの上に移動した。


「朝ご飯、ください」
「はい」


手に持っていたトーストを皿の上に置いて、フランソワーズは新しくジョーのトーストを焼くために立ち上がる。
それを視界の端で見ながら、隣のイスを少しばかりひいて置いている専門書を開こうとする・・と。


「ジョーっ!!」


厳しい声がキッチンから聞こえ、びくんっ!っと肩を窄める。


まいったなあ・・・。と言うくちびるの動き。
どんな小さな声でも、彼女が聞き逃すわけがない。


フランソワーズが食べかけていた、”元”自分のトーストを腕をのばして皿ごと引き寄せる。と、その2/3ほど食べられてしまったトーストを手に取り、かじった。


「あ、フランソワーズ・・オレンジジュースある?」
「は~い!」


機嫌の良い声に、ジョーは、ほうっと胸を撫で下ろす。



「なあ、ジョーよ」
「?なんだい、グレート」
「・・・・いや、なんでもない」
「そういえば、博士は?」
「地下だろう?イワンが昨日から昼の時間だしなあ」
「そうか、張大人はお店?」
「ああ、夜に宴会の予約が入ってるんでねえ、我が輩もそろそろ向こうへ行くよ」
「そうなんだ」
「・・・・・・なあ、」
「なに?」


ジョーがトーストを食べ終えたころ。
キッチンから、ちんっ♪とトースターのタイマーが切れる音。


「・・・・・・毎朝、毎朝、おんなじ内容だなあ・・」
「?」
「いや・・・なに、まあ・・・。”新婚さん、いらっしゃい”って番組知ってるか?」
「・・うん、見た事ないけど、ボクが小さい頃からあった番組だけど?」
「応募しようかと、思ってな・・・」
「ええ?!・・・グレート結婚するの?」


熱々の、バターがしっかりしみ込んだトーストとオレンジジュースの入ったグラスをトレーに乗せて、ダイニングテーブルに戻ってきたフランソワーズがジョーの声に驚く。

グレートは、ジョー、フランソワーズ、ジョー、フランソワーズ。と、交互に彼らを見て、にやあり。と、嗤いながら席から立つと、2人の瞳が同じタイミングと速度でグレートを追いかける。


「違う、違う。ジョー、吾輩ではなく・・・」


そこまで言って、グレートは口をつぐむ。
もしも、ここで自分が言った一言がきっかけで、毎朝繰り広げられる”ドラマ”が見られなくなるのは少しばかり淋しい。


「・・・・ま、いってくらあな」



ウィンクひとつを残して、グレートは張大人の店へと向かう。












ダイニングルームに残された、”新婚”さんたちは・・・。


「ねえ、なんなの?誰が結婚するの?」
「・・・いや、グレートが”新婚さんいらっしゃい”って言う、一般の人が参加する番組に応募するって言うから・・・」
「ええ!?グレートが結婚するの?」


フランソワーズは驚きの声を出しながら、トレーをテーブルに置き、ジョーの前に、焼きたてのトーストと、オレンジジュースを置いた。


「さあ、・・・彼に結婚前提におつきあいしているような女性、いたっけ?」


熱々のトーストを手に取る。


「知らないわ。訊いた事もないし、それらしいことも・・・感じた事ないわ」


たっぷりバターがしみ込んだトーストをぱくん。と食べる。と、じゅわり。と、舌の上に乗った。


「感じ、るって何さ?」
「女の人の気配よ」
「女の人の気配?」
「ああ、もう・・・バターが!気をつけて?」
「うわ・・・、何かない?」


ぽたり、とバターがジョーのTシャツに落ちる。と、さっと、キッチンへ戻り、キッチンペーパーを手に戻ってくきたフランソワーズがそれをジョーに渡す。


「気をつけてよ、もう!」
「うん。で、・・・気配って?」


ジョーの隣の席に座りながら、彼の質問に答える。


「女性の影よ!・・・なんとなく、女性の使うものを持っていたり、いつもの生活パターンじゃなくなったり、頻繁に電話がかかってくる、とか。出かける回数が増えるとか、邸で食事しなくなる、あたりが基本かしら?」
「ふうん・・・そういう風には感じないね?」


もう興味がないのか、おざなりな返事で、トーストを食べ続ける。


「でしょ?・・・・もしかしたら、お友達か、お店のお客さまの事かもしれないわね?」
「かもね、・・・・・・・でさ」
「なあに?」
「バター替えた?」
「あら、分かるの?」


オレンジジュースのグラスを手に取る、ジョー。


「いつもと、ちょっと違う気がしただけ、だけど?」
「新製品みたいなの、どっちが好き?」
「前の・・・かなあ?」


つぶつぶ果実入りのオレンジジュースは、ギルモア博士のお気に入り。


「そう、わかったわ。お試しで買ってみたの。じゃあ週末まで待ってね?」
「使い終わってからでいいよ?」
「お試しで買った方は、お菓子とかお料理に使うわ」
「ふうん、・・・わかった。じゃ、今日行こうか?」
「今日?」


グラスを置いて、残りのトーストをやっつけ仕事ように、口に放り込んだ。


「うん、・・・コズミ博士が、通う大学。の。・・・・・・・・図書館から借りてきた本、・・・・今日。まで、だからね、・・・・返しに行く.ついでに、寄るよ」
「も!口の中にトーストが入ったまま、話さないでっ!!」


ごくん。と、飲み込んで、オレンジジュースと一緒に流し込んだ。

「ごめん」
「・・・・じゃあ、イワンのミルクもお願いしていいかしら?思ったよりも買い置きが少なくて・・」
「キミも一緒に来る?」
「いいの?」


邪魔じゃない?と、言いたげな、八の字になるフランソワーズの眉。


「いいよ、本を返すだけだし。どこか行きたいところがあるなら寄るよ?」
「?!っっ・・・・・・・な・n・何時に行くの?」
「う、ん・・・とくに決めてないから、キミが用意できたらでいいよ」
「映画に行きたいわっ!」
「映画?・・・どれ?」
「”少林寺パンダ”か、”日本の怪談”!」
「・・・・・時間調べてみるけど、パンダにしとこうね」
「?・・・・・・・・・いいけど、じゃあ、”怪談”の方はまた今度ね?」





カワイイものも好きらしいが、ホラーも好き。
最近、フランソワーズの好みの傾向が見えてきた、ジョー。
それでも、いまだに多くの謎がある。



ジョーが知らない、不思議がいっぱい。





---女の子って、変なの・・・。

万華鏡のようにキラキラしていて、キレイで・・・。
くるくるまわして覗き込んで見る絵のように、彼女の機嫌もくるくる変わる。



ずっと、見ていたい。
飽きないんだよ、なあ・・・.





ご機嫌のフランソワーズは、”お昼は外食しましょ!”と、地下に籠っているのギルモア用の昼食とイワンのミルク作りを始めるためにキッチンへと戻っていく。


「フランっ珈琲欲しいんだけど」
「は~いっ♪」


ジョーはイスに置いていた、専門書を再びテーブルの上に置き、読みかけていたページを探すためにぱらぱらとめくる。









キッチンから、ダイニングルームに繋がるカウンターテーブル越しに、みるジョーの姿。


嬉しくて、嬉しくて、飛び跳ねて、ふわふわする気持ちに身をまかせ、きゃあ!きゃあ!っと声を上げたいのを必死で我慢するフランソワーズ。


「ジョーっ」
「なに?」
「・・・・・・・・・っなんでもないわ!やっぱり」


キッチンのカウンターからのぞく恥ずかしげに、少しばかり紅がさした頬フランソワーズをジョーは専門書から顔を上げてみる。


「なんだよ?」
「んふふ、なんでもな~い♪」
「・・・なに?」
「なんでもないわ♪」
「なんでもないことないだろ?人を呼んでおいて・・・なに?」
「なんでもないのよ♪」


くるり。と、ジョーに背中をむけてしまったフランソワーズにたいして、ジョーはクスリ。と、笑う。




---可愛いなあ・・・。



























####

「・・・・ここで儂はいつも、思うんじゃ」
<何ヲ?>
「・・・イワン、ミルクが欲しいと泣いてじゃな」
<アア、ソウイウコトネ>


キッチンの隣にある収納室を改造してつくった地下への通路の扉が薄く開いていた。


「若夫婦に、息子、その祖父と、叔父たちって感じでいいじゃろ?」
<どらまダネ>
「ドラマじゃのう」
<映画にツイテ行クッテドオカナ?>
「・・・ほお、それはまた・・・・・」
<B.Gノ虫型兵器ヲ改造して、小型カメラにシチャウノ>
「して、そのこころは?」
<ホームドラマ・さいぼーぐな人々”新妻は超高性能のレーダー付きで浮気ができるもんならしてみなさい!~だんなさまは逃げ足早いKSK装置付き”~>
「いくぞ!イワンっ」
<オウ!>















*もじもじ?ねえ、もじもじっですかあ???・・・意識してないとこうなるってことですね*
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