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ベッドから抜けられない朝/起きられない彼が悪いわ!


セットしておいた(正確には、セットさせられた)目覚まし時計が、普段は絶対に起きない時間にけたたましい電子音をかき鳴らした。


耳をつんざく電子音に、ジョーは思わず布団を深くかぶる。
が、ほんの少しだけ鼓膜の震動を和らげた程度で、まったく役に立たない。

布団の中から腕をにょっきりとのばして、目覚まし時計を探して行く。
ベッドサイドに置いてある、ミニチェストの上を彷徨う手。を、静かに見守る視線。


やっと見つけたOFFボタン。
その手が音を消した事に、にんまりと布団の中で笑ったのだろう、ことが簡単に想像できた。


ミニチェストからのろのろと、手が布団の中へと戻っていく。
布団の中にすっぽりと消えて、もそもそ。っと布団が動くと・・・ぴたり。と、その動きが止まり、穏やかな寝息に合わせて微かに上下しだした。


「も!!」
<アルベルト、ジョーが起きないわっやっぱり!!>
<・・・そうか、なら実行してみろ、003>
<了解!>


目覚まし時計の音を聴き、ジョーの部屋のドアを何度ノックしても起きる様子がないために、勝手に部屋の中に入っていたフランソワーズは、ドアを背に立っていた。


パフスリーブがお気に入りなパウダーピンクカラーのサマーニットを脱いで、70%セールで買った肌触りの良いシルク生地のレースがたっぷりと裾についた、キャミソール1枚になり、履いていた、デニムのミニスカートを脱ぐ。

バレリーナたちが喉から手がてしまうほどに欲しがると言われる、弓のような形をして長い膝下、引き締まったふとともも、白水晶のようなシミ一つない肌の、すらりとした足があらわになる。

シルク生地のキャミソールとお揃いのレースがふんだんに使われているショートキュロットは、ナイティとしても活用でき、今、フランソワーズの大のお気に入り。


<健闘を祈る>


気を許しているとはいえ、相手は”あの009”である。
脱いだ洋服をそろりと床に置いたまま、フランソワーズは薄氷の上を歩くようにフローリングの床を進み、気配を消して、まるで敵地へ潜入するような緊張感を漂わす。



ジョーの眠るベッド。



ヘッドボード部分はぴたり。と、壁際に寄せられている。
反対の足下から、そおっと、マットレスの沈みに彼が感ずかないように、片膝を乗せ、体重をかけていった。
耳を澄ませ”眼”のスイッチで、布団の中の彼の位置を見る。

フランソワーズから見て、彼はミニチェストがあった左側へと寄っているために、フランソワーズは右側のスペースへと、躯を移動させていく。


先ほどの目覚まし時計の音で、眠りが浅くなっているのか、小さく「ん?」と喉を鳴らすような声に、フランソワーズの全身が、猫の毛が逆立つように緊張する。

少し寝返り打った、ジョー。


フランソワーズはジョーのベッドの上で四つん這いになった状態でしばし、硬直。
再び、規則正しい寝息が聞こえ始めて、緊張を解き、ゆっくりとジョーのベッドの右側に躯を横たえた。

”眼”のスイッチで、布団の中を再び確認。
陽の光が入らないように、注意しながら、そっと布団へと忍び込む。




あどけなく、少し眉を下げて。
童顔、と、仲間達からからかわれては不機嫌になるが、今の寝顔はまさに”可愛い男の子”と言う言葉がぴったり合う。と、フランソワーズはのどの奥で笑うのを必死で我慢する。









ジョーの、香り。
ジョーの、温もり。

すっぽりと、同じ布団の中に入り込んだフランソワーズ。





作戦を実行するには、彼の腕の中へと飛び込んで、ある台詞を言わなければならない。
それは、アルベルトが”起きなかった”時に恋人によく詰られた台詞らしい。

その意味を訊ねたとき。


「ジョーに聴け。なんなら、いっそ使ってみろ。効果抜群だ」


と、言われて、今に至る。
















####

ふと、人の気配がした気がしたが、その気配は自分に危害を加えない人物であると、何の根拠もなくそう思う。

ゆっくりと、大好きな子の香りが鼻腔をくすぐり、それがどんどん強くなっていく気がした。
夢の中までもか・・、と半ば自分に呆れつつ、それでも、夢の中まで彼女の香りを胸いっぱいに楽しめる事が嬉しかった。







こんなに”リアル”に夢の中でも香りって楽しめるものなのかな?











フランソワーズの、香り。
それが、シャンプーなのか、石けんなのか、香水なのか、なんなのか、男の自分にはよくわからない。
とにかく、彼女はいつも、花の香りがする。


腕をのばせば、彼女を抱きしめられる?


泣いてる彼女じゃなく。
戦闘中の彼女じゃなく。


ボクだけを見てくれて。
ボクだけに笑ってくれる。







ボクだけに、ボクだけの、彼女を・・・・。











一番強く香る場所へ腕をのばした。

「?!」






触れた、柔らかさが愛おしくて、ぬいぐるみでも抱き寄せるかのように、それを胸の中に閉じ込めた。
右腕を、頭の下に通し、背中へと腕をまわし。
左手を、ウエストから抱き込む。



---なんだか・・・・本物のフランソワーズを・・・



柔らかく滑るような肌の感触。

いつもより甘く感じる、フランソワーズの香り。
彼女の柔らかく、細い絹糸のようなハチミツ色の髪が、顎下に触れているような。


きゅうっ。と、腕に力を入れる。






---細っ・・・・・ちゃんと・・・食べてる?・・・・



あまりの華奢な躯つきに、ジョーは、肩から背中を撫でるように移動させて、ウェストのラインをなぞる。

つるつるとした生地が、手のひらに気持ちよい。


ウェスト部分から腰に向かってのカーブの深さが信じられず、ジョーの手が往復する。
抱き込んだ何かが、びくん。と、跳ねるような反応をした。


「・・・nん?」


ジョーはさらに強く抱きしめる。
すると、胸のあたりに、小さな手のような感触で、自分を押し返そうとする力を感じた。


「ジョー・・・痛い、そんなに力を入れたら、・・・アタシ、つぶれちゃうわ」
「・・・・・・・・・・・・・?」
「お願い、う、腕の力を、緩めて・・・」


その声に、ジョーは素直に腕の力を緩めた。


ほうっと、首もとにかかる、ぞくぞくと自分の背を腰を刺激する吐息。













何かが、おかしい。















目覚めるのは、もったいないけれど。

確か・・・フランソワーズと出かける約束をしていたはず。
そろそろ起きないと、彼女のご機嫌を損ねてしまう。



夢の中の彼女よりも、現実の彼女の方が・・・・。












「約束の時間に起きられないくらい素敵な夢なの?夢の中のお相手は、キャシー?ヘレナ?イシュキック?それとも、アルテミス?・・・もしかして、アタシの知らない他の女性かしら?」



---hえ?



腕の中に・・肩がむき出しの、見上げて来る、こぼれ落ちそうなほどに大きな碧の宝石を、縁取る睫がまたたく風に顎先が・・・。


「・・・・・・・・え。ええ?」






「朝の方が夜よりも元気なんじゃなくて?」





?!





ぴったりと隙間なく抱き合わさっている躯。




「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ」


布団の中での絶叫に、フランソワーズは思わず耳を塞ぐ。


「ひどいわっ!私は別にジョーを暗殺しに来たサイボーグでもなんでもないのにっ!!そんなに驚かなくてもいいじゃないっ。戦闘中はよくあなたの隣に寝てるのにっ」


















暗殺用サイボーグより、たちが悪いっ!













腕からフランソワーズを離した瞬間、ジョーは加速装置を噛んで、部屋の角に逃げ込み、背中を壁にすりつける様は、なんとも情けない。







「でも、アルベルトの言った通りね!すっごく効果があるわ♪」


---アルベルトだとっ!?


「も!目覚まし時計が鳴ってもおきないんだもの!」


ジョーのベッドの上で、躯を起こしたフランソワーズの、普段では絶対に考えられない露出度の高すぎる服(?)に、ジョーは彼女を直視することができない。


「ふ、フランソワーズっ!!!なんて格好でっそれにっ!!何考えてんだよっボクだってっ男だぞ!」
「あら、ジョーって女だったの?」
「っ?!そうじゃないっっっっっっ!!少しは考えて行動してくれよっ!普通っ男のベッドにそんな格好で潜り込んでくるかよっ!!常識で考えてくれっ」
「だってジョーが起きないんだものっ!!」
「普通に起こしてくれたら起きるよっ!」
「起きないわよっ約束した時間はとっくに過ぎてるのよ、それに、あんなにきつく抱くんだもの、つぶれちゃうかと思ったわ・・・痛かったのよ、とっても・・」


そういって、フランソワーズは胸の前で交差させた両腕で、左右の二の腕を撫でながら、頬ほんのりと染めて俯くが、瞳は上目ヅカイにジョーを見つめる。





そんな薄っぺらな服でっ!


なんてポーズをとるんだっ!

そんな顔しないでっ。







やばいって!
ボクだって健全なっ・・・・くそっ!!!




「そうだわっ、ねえ、ジョー」
「なんだよっ!!」
「も・・・そんなに怒らなくてもいいんじゃなくて?ジョーが悪いのよ?起きてくれないんだもの」


いつものように拗ねてみせるが、いつもと違う。




やばい

やばっ・・・・




「あのね、アルベルトがジョーに聴きなさいって言ったの」
「何をっ」

























アルベルト、殺すっ!


シュンッ。と、空気を切り裂く音。が、フランソワーズの耳に届いたときには、そこにジョーの姿はなかった。



「・・・・も!教えてくれないのネ!意地悪っ今日はいっぱい、我が侭きいてもらうんだからっ!」







































*おまけ*

「アルベルとおおおおおおおおおおおおおおおっ」


ジョーの声とともに、突然リビングルームに手品のごとく姿を現したのは、先ほどの悲鳴の主。


「ああ、起きたのか。ま、あの悲鳴を聞けば起きたのは分かるがな」
「フランソワーズに変な事教えんじゃねえよッ!」
「変な事だと?」
「そうだよっ!」
「変じゃないだろう?男のそういう事を知っていても良い年頃だしな」
「そういう問題じゃないだろっ!」
「で、教えてやったのか?」
「教えられるかよっ」
「・・・。あの子も年頃だし、あれほどにキレイなんだ、男がどういう生き物か、知っておいた方が良い・・・・。”もしも”のことがあったとき、傷つくのは男でなく、女なんだぞ?」


アルベルトの言葉に、ぐっと。息を詰めるジョー。


「・・・・・・・」
「男がどういう眼で女を見ているか、そして、それがどういう結果を生むのか、オレたちが100%守ってやる保証がない以上、彼女もいつまでも”こども”でいられないだろ?」
「そんなこと、起きるもんか・・」
「ん、なんだ?」
「ボクが生きている限りっフランソワーズがそんな危ない目に合う事なんて永遠にないよっ!」
「・・・それなら、とっとと自分のものにしてしまうんだな。とるぞ?」
「?!」

ニヤリ。と、左口角を上げて嗤ったアルベルト。


「あ、ここにいたのね、ジョー・・・あ、アルベルト。ありがとう!ジョーはすぐに起きたわ、あなたの言った通りよ!」
「フランソワーズっこんなヤツの言う事なんて、一生聴かなくていいからっ行こうっ」
「え?!あ。あ、あの、ジョー?!」


フランソワ-ズの腕を引っ張りリビングルームから出て行くジョー。
そんな2人を見送り、珈琲を飲み終えると、胸いっぱいに空気を吸い込み、心地よく吐き出した。


「ああ、ぎるもあてーに帰ってきたな、・・・・いい朝だ」









*もじもじ?・・・・・・・・・・・(--;) ごめんなさい*
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