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苛々/ライバルの正体は!

「フランソワーズ、でかけるアルか?」

張々湖飯店の定休日。
ごろごろと邸にいる張大人に、珍しく呼び止められたフランソワーズは、びくん!っと肩を跳ね上げて、そっと振り返った。
そこは、ギルモア邸の玄関前。


「え、ええ・・そうなのちょっと駅前まで」
「ならジョーに連れて行ってもらうといいアルヨ!jy」
「いいのっいいのよっ!!」
「bフォエア’オファホフぃhp」


慌てて張大人の口を塞いだフランソワーズ。


「ね、ね、ね?・・・ジョーはいいのよ!いっつも悪いもの、それに・・・ね?ジョーと一緒だとお買い物し辛いものもあったり・・・・ね?」


フランソワーズに、”女の子の買い物”と、言われた上に、愛らしく”内緒ね!恥ずかしいもの・・・”と甘えられては、さすがに、張大人も、009にどんな折檻を受けても、絶対に口を割る事はない筈であった。


「じゃあ、行ってきます!大人。2時間ほどで戻るわ」


ピョン!と、跳ねるようにして、ギルモア邸の玄関から出たフランソワーズは、きょろきょろと”眼”のスイッチを入れて、周りを窺いつつ、手帳に控えているギルモア邸最寄りのバス邸の時刻を歩きながら確認した。


その姿を、追う影に気づかないままに。






<駅前だね?大人>
<・・・・協力したくないアルヨ>
<大人、これはミッションだ>
<でも、ねえ・・・フランソワーズは悪い事してないアルネ>
<・・・006!>


009の厳しい声が飛ぶ。
ひ!っと、姿が見えない、邸にはいないはずの009が醸し出す殺気を感じて、006は飛び上がる。


<・・・駅前アル・・・・・2時間くらいと言ったアルから、そこからどこかに行くには無理アルヨ・・・>
<了解>


009からの脳波通信が切れて、ほっと。安堵の息を吐き出しながらも、なんとも言えない困惑の表情を浮かべる、張大人。


「009の奥さんなる人、大変ネ・・・・。すんごく嫉妬深くて、束縛する亭主関白アルヨ・・・」


そんな彼の”想い人”である、フランソワーズこと、003に同情する。


「変なとこバカリ、鋭くて肝心のトコ、鈍チンさんとはネ・・・」











####


四角い箱に千円札吸い込ませて100円玉に交換する。
ピュンマが京都へ言ったお土産のチリメン地でできた、小銭用のがま口財布にしまう。


平日の店内は薄暗く、有線で流れる最新のJ-popが妙に寒々しい。
店員は店奥に引っ込んでいて、働いているのかどうか、わからない。けれど、店はちゃんとオープンしている不思議。
爆発的にヒットしたと聞いている、写真型シール機が、占拠するそれほど広くない店内に、ぴったりと壁際に並ぶ、体感ゲーム機たちが、無人の店内で明るく楽しげに決められた台詞を発していた。


ここは、ギルモア邸に一番近い駅前にあるゲームセンター。
フランソワーズは表に並ぶ、一番端っこのゲーム機前に、立っていた。


「今日こそよっ!」


ufoキャッチャーの中に、無数のぬいぐるみが放り込まれている。


「003だもんっこれ以上は絶対にミスできないわっ!」
「何を狙ってるんですか?」
「あれ!」


不意に声をかけられて、疑いもなく反射的に透明な箱の中に入っている1つを指さした。


「・・・・最近、こそこそ出かけてたの・・・あれのため?」


ため息混じりの声に、フランソワーズのよく知る、その声に。


「きゃああああああああああああああああああああああああ!」
「っ!ふらっっ」












####


「ひどいわっ!私にはプライベートってないの!?」
「報告義務があるだけだよっ!別にゲームセンターへ行こうと、デパートへ買い物しようと、キミの自由だけどっ、ただ行き先だけは誰でもいいから教えておいてくれって言ってるだろ!」
「だから!大人に”駅前へ行く”って言ったもんっ」
「”駅前”じゃわかんないよっ、それに!それを言ったのは、出かける前に大人に呼び止められたからだろ!」
「っっ!!!まさか、ジョーっ」


フランソワーズは口元に両手を当てて、こぼれ落ちそうな瞳でジョーを見つめた。


「・・・・な、なに・・フラン・・?」


勢いを削がれて、急に弱気な声になる、ジョー。


「大人を使ったのね?!、私がどこに行くかっ!!そうなのね!?」
「べ、べ、別にっ」


びくっ!と、ジョーの肩が跳ねた。


「そうなのね!!」


ずい!と、ジョーへと詰め寄る、フランソワーズ。
に、大して、一歩後退する、ジョー。


「っっ・・k・・・・キミが黙ってるからだろ!」
「報告するほどのことでもないものっ!みんなだって、コンビニへ行くのに何も言わないじゃないっ!レンタルショップにDVDを借りに行くときもっジョー、私に何も言わないわっ!勝手にアナタが好きなのばっかり借りてくるのっひどいっ」
「だって!フランを連れて行ったらっ、いっつも同じもの借りるだろ!だからっDVD買ってあげたじゃないかっ」
「他にも観たいのがあるわっ!!」
「ホラーなんて、ボク観ないのにさっ!」
「アタシが好きなんだもんっいいでしょっ!!何よっジョーなんてHなシーンがいっぱいあるの選ぶくせにっ!」


ジョーの頬が紅くなる。


「なっっ!ボクはジェットじゃないっ!!勘違いするなよっ。一回だけだろっ、そういうシーンが長くあったのっ。それにっあれはそんなにHじゃないっ」
「やらしいっ!ジョーのHっ!!」


フランソワーズの言葉にむっとする、ジョー。


「やらしくないっ、そんなこと言ったら、フランソワーズが選ぶのだってそういうシーンがあるだろっ!」
「愛のある芸術的な表現だものっジョーが選ぶようなのと一緒にしないで!」
「一緒だよっ!」
「違うもんっ!」
「おんなじっ!」


う~~~~~~~~っとにらみ合う、ジョーとフランソワーズ。

















「あれに見えるは、我が邸の姫と王子で・・・・」
「みたいだね・・・」


”クリアに話しが聞こえるにはあり得ない距離”にも関わらず、駅から出て来たピュンマとグレートの耳に届いた、聞き慣れた男女の声。


「なんだか、幸せそうだね」


声が聞こえる方向へと首を巡らせる。
街から離れた”海水浴シーズン”以外に栄えることがない、駅。

新しく設えられたバスロータリーに、1台も止まっていないタクシー乗り場。
真新しいアスファルトが、車の往来が少ない事を示す。


「ジョーが車で来てるなら、ついでに我が輩たちも邸に連れてかえってもらうかあ?」
「いやいや、それはグレート。野暮ってもんでしょう?」


障害物らしい、障害物となるような建物はなく、駅前と言っても、バスロータリーを挟んだ大通りに並ぶ、雑貨ビル。
1ブロックほど、続く店だが、どの店も毎日が常連さんのために営業しているようなものである。


「ん~、確かに」
「僕さ、こういうの持ってるんだけど?」


そんな中に、ぽつり。と、営業するゲームセンター。
年代物のゲームもあれば、最新のプリクラ機もあったり、その統一感の無さが1シーズンだけの稼ぎで持っている。と、言わんばかりである。

けれども、小さな町には、それなりに暮らす人々がいて、家庭があり、週末には近くの小中学生の社交場となっている。
が、今日は平日のまだ、ランチを楽しんでいる人がいる時間帯。

ゲームセンター前で、亜麻色の髪の少女と、栗色の髪の青年が言い合っていれば、目立つ事この上ない。


「?」
「ほら、僕が勤務している保護地区は広いだろう?B.Gの虫型兵器を改造して、小型カメラにしたのを、譲ってもらったんだ。向こうで使用しながら、僕なりに手を加えたのを、今、持ってるんだけど?」
「ほお、それはまた、用意がいいといいますか?」
「いや、さっき秋葉原で買ったの、コイツをもう少し弄りたかったからなんだ」


大人の店を手伝うグレートは定休日の今日、日本に滞在中のピュンマにつきあって朝早くから出かけていたのである。


「それでは、使用してみますかいな?」
「そうだね、それの善し悪しで博士と”楽しみ”ながら改良しようかな?」


にやり。と、微笑み合い。ピュンマの手からグレートに見守られて飛んでいく、極小虫型カメラ。


「映像は僕のパソコンに繋がるようになってるんだ」
「電話したほうがいいなあ、博士に」
「急いで帰ろう!」
「じゃ、空から行きますか?」


きょろきょろと周りを見回し、見つけた物陰にさっと身を隠した2人。
グレートはその姿を変えて、ピュンマを連れて空から邸に戻った。












ふう~ん、と、飛んできた虫は、そっとufoキャッチャーの過度に止まり、二人を少しばかり見下ろす感じで止まった。







「も!いいもんっっジョーなんて知らないわっ」


にらみ合いを先に止めたのはフランソワーズ。
ふん!っと、ジョーから顔を背ける。


「いいよっ!知らなくてもっボクが把握できていれば!」
「いやらしいっ」
「何がだよっ!」
「ジョーってストーカーだったのね!」
「!」


フランソワーズの言葉に、カチン!と、ジョーの頭に火花が散る。
怒りの導火線に着火した模様。


「ストーカー?!」
「ええ!そうよっ!」
「っっ!」


ジョーの顔色が変わる。


「勝手にしろっ!!」
「い~~~~~っだ!」


舌を突き出して、ジョーに向かって思い切りあっかんべー!と、してみせた、そんなフランソワーズに、ジョーの怒りの矛先は・・・。


「っ!!!!!!!」
「あっ!ちょっと、何するのっ!」


フランソワーズを押しのけるようにして、ufoキャッチャーに向かい、ポケットに財布に入れず突っ込んでいた小銭を取り出すと、乱暴にゲーム機の縦長の穴に押し込んだ。

2人のテンションに合わない、間の抜けた長閑なサウンドが流れ始める。


「私がっっ」
「ボクの勝手だろっ、ボクはキミなんて知らないっ、このゲームをしに来ただけだっ」


フランソワーズを無視してスタートボタンを押す。
のんびりと、動き出したクレーンが向かう先に、フランソワーズの目の色が変わった。


「あっ!それっっやだっ、取っちゃだめえっ!!アタシが狙ってたのっ!!」
「知らないっ!」
「あ、あ、あ、あ、・・・駄目よっああああっっ!!」


ボタンを絶妙なタイミングで押して、離す。
フランソワーズは必死でジョーの邪魔をしようと、彼の腕にしがみついて、揺らすが、びくともしないのが009である、ジョー。003の腕の力くらいでは、邪魔できない。

のんびりと、ゆっくりと、クレーンは目的の景品へと降りていき、がっちり。と、掴んだ、それを眼にした、フランソワーズは。


「いやあああああああああああああああああああんっっ!!」


と、盛大な悲鳴を上げる。が、クレーンはそんな彼女の気持ちなどかまいもせずに与えられた命令通りに、それを持ち上げた。
ジョーの腕から手を離し、ゲーム機にぺたり。と張り付くフランソワーズ。


ゆらゆらと危なげに、掴んだものの重さに揺れながらも、しっかりとクレーンは目的の位置まで向かい、ぱっと、それを離す。
景品はプラスティックのホールへ吸い込まれて、箱から外の世界へと投げ出された。
がこん。と、商品受け取り口から、それを取り出したのは、フランソワーズではなく、ジョーの手。


「じゃ、ね。ボクは帰るよ。後は勝手にどうぞ」
「っっ・・・・ひどいっ・・・」


手に入れたばかりの景品を片手に、フランソワーズに見せつけるようにして、ぽんぽんとお手玉のようにそれを投げるジョーは、ufoキャッチャーから離れて、その場所をフランソワーズに譲った。


「これを取りにきただけだから、さようなら」
「嘘つきっ!!それっアタシが狙ってたのよっ!ひとつしかないのよ!!」
「知らない」
「すごく端っこにあって、やっと取りやすい位置にまで移動させたのよっっ!」
「知らない」
「っジョーの意地悪っ!」
「知らないよ」


無表情に、フランソワーズの言葉をかわして取り合わない。
こぼれ落ちてしまいそうな碧の空模様がみるみる変わっていく。

天気予報では、晴天確実な今日なはず。

止まっていた虫が飛んで、フランソワーズの方向へと移動すると、彼女の肩越しからジョーをみた。



ぎゅう。と、握りしめたスカートに、下唇を巻き込むようにして噛み締めて、ジョーを睨む、フランソワーズ。
そんな彼女を見下ろしている、ジョーは、ちくり。と、胸が痛み出し、ムキになった自分が情けなくなったりもする。
長い前髪に隠す表情(顔)は、フランソワーズよりも泣きそうに思えた。






「こんなの・・・・・、言ってくれればいつでも取ってあげるのに」


たった1回で手に入れた景品を、フランソワーズに差し出した。


「・・・」
「なんで、秘密にするの?そんな必要あるの?」
「・・・」
「黙ってる理由なんてあるのかよ?」
「・・・」

少しだけ乱れた口調。

握りしめていたスカートを怖ず怖ずと離した手で、フランソワーズはジョーが差し出した景品を受け取ると、その胸に抱きしめた。


「勝手にすればいいよ、もう、本当に知らないから・・・。黙って出かけるのはルール違反だ。駅前でも、たった2、3時間ほどでも、だ。・・・もう少し自覚して欲しい」
「・・・」
「以上。ここから離れないのなら、そのままいればいい。移動するときは・・・誰でも、ボクじゃなく・・いいから、移動先を報告するように」


くるり。と、フランソワーズに背をむけて、歩き出す。









歩き出す。
歩いて、離れる。







フランソワーズから、離れる。











ふと、気づけば、邸に彼女の姿がなかった。
誰に聞いても知らない。と、言われて、心配と不安と、焦りで胃がむかついて、心臓が押しつぶされそうだった。
慌てて邸を出ようとすると、ひょっこり。と何もなかったように帰って来る。


そんなことが繰り返された。




もしかして?と。
もしかして?と。






キミはボクに秘密にしなければならないことが?




キミが言わない、言えない。
言いたくない、秘密?






・・・・・・・プライベートなこと、だから。と、我慢していたんだ。



















他の、誰か。
自分のしらない、誰かと、会っているんじゃないかって。




















怖かったんだよ。
本当は、知るのが。


キミが内緒にしていることを、知るのは、怖かったんだよ?












<・・・・・・ジョー・・>











ぴたり。と、足を止める。
人には聞こえない、回路を通して、彼を呼ぶ彼女の声は、涙声。






<・・・ごめんなさい>













はああ・・と、全身で溜め息を吐く。
ボクも、ボクだ。と、ジョーは思う。

普通に、帰って来た彼女に”どこへ行っていたの?ちゃんと言ってからでかけてよ”と、気軽に声をかけられたら、それですんでいたのだ。



たった、それだけのことだったのに。

彼女のこととなると、変に臆病になる。
そして、彼女のすべてを把握してないと、気が済まない。



誰かに、報告するんじゃなくて、ボクに報告してほしいんだ。
ギルモア博士には、”散歩で駅前に”って、キミが通い出すころに報告していたのを、知っていたのにさ。
・・・ボクに車で連れて行ってもらえ、って、言われたのに、キミが断ったから。

張大人にも、そうだったから。











ボクだけが、キミの散歩を知らなかった。
すごく、腹が立った。


<ごめんなさい、ジョー・・・>





と、同時に、哀しかった。









くるり。と、再び180度の方向転換。
早足にフランソワーズに近づくと、また1つ溜め息を吐いた。



009を盾にしている、自分が情けなくて苛々するし。
大好きな彼女を責めた自分にイライラするし。
















もどかしいボクと彼女の関係にも、いらいら。



「心配、したんだよ。これでも・・・」














はっきり気持ちを伝えたいけれど、言えない臆病なボク。



「ごめん。・・・・・・フランソワーズ、ごめんね」
「・・・・・・」
「ごめん」
「・・・・・・」
「・・・・・・」


下に落としていた視線をゆっくりとあげて、フランソワーズはジョーを見上げた。
フランソワーズは、少しだけ恥ずかしげに瞬きをして、ぷうっと、頬を膨らませてみせた。


「アタシ、ちゃんと言ったもん。






苛々する。
妖怪、いったんもんめに、乗っている子泣き爺がプリントされているぬいぐるみ(?)、がキミの”逢い引き”の相手だったなんて・・・。


そんなのに、焼きもちやいてたのかよ、ボクは・・・・。















####


「ジョーって、遊び人だわ!」
「!?」
「だって、これをたった1回で取っちゃうんですもの!!」


”ストーカー”発言の次に、”遊び人”と言われたジョー。


「あんなの、クレーンは決まった動きしかしないし、それと景品の位置を考えれば誰だって簡単に取れる・・」
「嘘よ!」
「嘘じゃないよ、フランが下手なだけだよ」


そんな彼は、コンビニエンス・ストアのレジで、フランソワーズの分のヴァニラ・ソフトクリームの代金を払った。

店員から受け取ったソフトクリームを片手に、開いている方の手にジョーに取ってもらった景品を持つ、フランソワーズ。


エントランスのマットを踏んで、自動ドアが開く。

”ありがとうございました~”と、言う店員の声に見送られ、ジョーは手を伸ばしてフランソワーズが持つ、”いったんもんめに乗る子泣き爺”がプリントされた、ぬいぐるみ。と、言うよりも、クッション。を、受け取った。

フランソワーズも、当たり前のようにそれをジョーへと渡す。



追いかける虫は一定の距離を保って2人を追いかけた。


「報告します、009」
「?」


ぺろ。と、ソフトクリームを舐めてから、厳かに言った。


「ミッション・コンプリート!」
「・・・・・・・経緯を報告せよ」
「どうしても欲しかったの!」
「報告しなかった理由にならないよ」


2人は、ゆっくりと歩きながらギルモア邸へと戻る。


「・・・・・結局、またジョーにね?」
「なに?」


隣を歩くフランソワーズの歩くテンポにあわせながら、ジョーは彼女をみた。


「いっつも、いっつも、アタシ、ジョーの手で、力で・・・だもの」


ぺろり。と、舐めたソフトクリームが、あまり甘くない気がする、フランソワーズ。


「それがどうかしたの?」
「・・・・・・子どもじゃないわ」
「・・・そんな風に思ったことないよ?」
「欲しいものくらい、ちゃんと自分で手に入れるのよ?」


うん、わかっているよ。
でも、それでも・・・。
それをボクの手で、したいだけなんだよ。




キミの欲しがるもの、キミのすべてをボクの手で・・・ボクだけで埋め尽くしたいんだ。





「それなら、そのソフトクリームはいらないってことだね?」
「!」


フランソワーズは早足にジョーから離れた。


「それとこれは別なの!」
「自分で欲しいものは手に入れるんだろ?」


逃げるフランソワーズを追いかける。


「もっ!へりくつばっかり!」
「フランソワーズだってさ!」


すぐに追いついたジョーは、ソフトクリームを持つフランソワーズの手に自分の手を重ねて、逃げないようにすると、大口をあけて、ぱくり。と、食べた。


「いやあっ!ジョーっ、半分食べたっ!!」
「さっさと食べないと、溶けちゃうよ?」


また、食べようと、ソフトクリームへと顔を近づけるジョー。


「駄目っ!!」


フランソワーズはとっさにジョーの手から、”景品”を取り上げて、それをジョーの顔に押し付けた。


「・・・・・」










見事。
子なき爺のプリントされた絵の。
くちびる。と、くちびるがぶつかる。


「フラン・・・・・・・・・」
「あら、・・・しなかったわ!」
「・・・・」
「んふふ♪そういう仲なのね!」
「・・・ふざけんな」


ジョーは自分のポケットにある、携帯電話にぶら下がるそれに苛々をぶつける日々が始まる。



「お邪魔しちゃったら悪いわ!」
「おい・・・」






ふう~ん。と、飛ぶ虫が2人を追いかける。

帰り着いた邸でジョーを待っていたのは、”子なき爺がジョーの1stキスの相手”と言う声と、証拠映像をプリントした画像。


そして、ベストなカメラワークで捕らえた2人のツーショットは、ギルモア邸からのグリーティングカードとして、世にお披露目された。

それは3ヶ月ほど先ののクリスマスの出来事。








*おまけ*

日本を去る前日、ピュンマはグレートにあるDVDを渡した。

「いつかさあ、お祝いにこれをお式で披露したいんだけど?それで、君の意見を聞きたいんだ!」


渡されたDVD視聴会は、2人が”週末の買い出し”に出かけている時間に開かれることとなった。


DVDを見終わった、ギルモア、グレート、大人、イワンは大変に盛り上がり、早速ピュンマへと、賛辞のメールが送られた。






アコースティックギターに、女性ボーカルの落ち着いた声。
アップテンポな、どこにでもあふれているラブソング。

その曲にあわせて編集された、あの日の映像(+α)。




”ラストにさあ、2人のキスシーンでもあれば、満足なんだけどね!”


と、返信されたメールに。


”ま、気長に待つさ!小型カメラ大量生産してなあ”




と、送り返した。














*ってことだそうです(笑)
 今回は、あまり9を振り回してない3です。
 
相互LINKをしていただいた、りーみんさま(山の端の月・サイトさま)から ”いったんもんめと子なきじじい”のぬいぐるみ♪を教えていただいて、それは使わねば!と(笑)このお話ができました~。>ありがとうございます!

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