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あしくび/ボクのせい?キミのせい?
フランソワーズ!!と、ミッション中にもかかわらず、009は彼女の名前を叫んだ。
奥歯を強く、強く噛み締める。




止まった世界の中で、間に合え!と、叫んだ。











「い・・・たあい・・・」
「っ大丈夫?!けがはっっ?!」


腕に003を抱きかかえて、がらがら、と、崖からすべりおちる衝撃を背で受け止めながら、足を踏ん張り、土を蹴って飛ぶ。
人では考えられない脚力を使い、崖を軽々と駆け上がって行った。


---まさか、あの場面で撃ってくるなんて・・・。







009の判断ミス。
003を危険に晒してしまった。と、唇を噛み締めた。


仲間達と合流する。


腕に抱えていた003を降ろそうとそっと、003を地に降ろしたとき、彼女はの顔が痛みの衝撃にゆがみ、躯が大きくよろけたために009の腕にしがみつく。


「フランッ?!」
「・・・足を、少し」


009は再び003を抱き上げると、一足飛びにドルフィン号へと向かった。













####


「足首を不自然に捻ったようじゃなあ・・・。まあ、心配いらん。当分大人しくしてなさい。人工筋肉が切れているわけでも、伸びたわけでもありゃあせんでな、X 線で見る限り以上なしじゃ」


ギルモアの診断にほっと安堵の息を吐いた009の様子を見るギルモアは、こころなしか微笑んでいるように思える。


「でも、無理しちゃいかんでな、固定しておくがいい。009頼むぞ、そこに包帯があるから、湿布と一緒に持って部屋に連れて行きなさい」
「え?」
「儂はこのまま006を診るからのう。しゃっくりが止まらんらしい・・・まったく、しゃっくりするたびに、ぼ、ぼ、と火を噴かれていたら、このままじゃと邸があっと言う間に燃えてしまうわい」


ひいっく!ぼっ、あちゃああああ!!!
ひいいっく!ぼっ!うわあああああっこっち向くんじゃねええええっ!


派手な声がさっきからメンテナンスルームの外から聞こえてくる。


「ここに居たら、丸焦げになるぞ」


ギルモアは009の手に必要なものを持たせて、さっさと003と共にメンテナンスルームから追い出した。











####

ひょこり、ひょこり。と、捻った足をかばうように歩くために、手に持っていた湿布や包帯を003に押し付けてさっと、003を横抱きに抱き上げた。


「ったく、博士は・・・適当すぎるよ!」
「006の方が重傷よ?邸が燃えたら嫌だわ」


抱きかかえられて、普段よりももっと近くに見上げるジョーの顔。
長い前髪が歩く揺れに合わせて、ふるえる。

まっすぐに足を進めて割り当てられた003の部屋に向かう。





「…・・・」

整った美しいラインを描く顎のライン。
知的になだらかな頬骨に、アジア人にしては高いノーズブリッジが通路に備え付けられた無機質は電灯に晒されて影をつくる。

少し細められている瞳の色が、いつもより濃く、テラローズ・カラーに見えた。


綺麗。と、感想を持つ。
素直に言葉に置き換えると、その言葉以外思い浮かばない。


「?」


碧の宝玉の視線を感じて、ジョーは腕に抱くフランソワーズに視線を落とした。


「あ・・・」


見つめていた人が、自分を見返してくる。
純粋に迷いなく、見つめ返して来る瞳に、フランソワーズは戸惑い頬を染めた。


「・・・・ごめんね、フランソワーズ」
「ジョー・・・?」


フランソワーズの部屋前に立ち、壁に備えられているボタンを片足を上げて膝で押した。
シュっと、スライドする音が響き、ドアが開く。

4畳半ほどのスペースに、簡易バス。
シングルベッドと、壁際に備え付けられたライディングテーブルとイス。


ドルフィン号内では全員が同じ内装の部屋を割り当てられている。
その部屋が”フランソワーズ”の部屋であることを証明するのは、彼女が邸から持ち込んだ、乗組員達の部屋では見られる事のない女の子なアイテムたち。


そっとベッドの上にフランソワーズを降ろしてから、ルームライトをつけた、ジョー。


「なにが、ごめんなの?」
「・・・・・怪我、ボクのせい・・」
「ジョーのせいじゃないわ!・・・・・まさか、撃ってくるなんて思わなかったもの。誰のせいでもないのよ」
「それでも、ボクのせいだよ」
「ジョー・・・」
「・・足、見せて」


フランソワーズがベッドの端に腰掛ける正面に立つと、片膝をついてジョーはフランソワーズを見上げた。


「自分でできるわ・・・ジョー」
「博士に頼まれたんだよ、ボクが」


捻った左足を、そっと持ち上げて、ブーツを脱がす。
痛まないように、そろり、そろり、と注意しながら脱がしていく。

フランソワーズはただ黙って、ジョーの手元をを見守る。
素足があらわになり、ブーツに押し込んでいた防護服の裾を少しばかり巻上げる。


細く、白い、くびれた足首。
片膝ついた自分の膝上に、それをのせた。


触れるのは、素肌。
ジョーの手の体温が、伝わる。

響かないように、繊細に指先で動く。




”治療”なのだ。と、言い聞かせる。





ジョーの眉根が苦しげに下がる。









誰かの心臓が痛む。

緊張に。
後悔に。



閉ざされた空間に。
吐き出す二酸化炭素に埋め尽くされて。


頭が酸欠であることを訴えるように、痺れる。


「・・・後は邸に帰るだけだから、ゆっくり休んだらいいよ」


フランソワーズの膝上に置かれた湿布を手に取り、包帯で固定する。


「ありがとう」
「まだ痛む?」


見上げられる瞳に、フランソワーズの心臓が痛いほどに跳ね上がる。
これ以上の痛みは要らないとばかりに、首を左右に振った。


ルームライトにハチミツ色の髪が放つ光が舞う。
目を細めて眩しげに見つめる。

彼女の足首を、そっと指先で撫でて、膝から降ろすと、その手は撫でるように移動して、フランソワーズを再び横炊きに抱きかかえるように、シングルベッドに横たわらせた。


「眠るといいよ、起きる頃にはギルモア邸だから」


腕をフランソワーズの躯がから離して、彼女の赤いカチューシャに手をかけて外し、それをライティングデスクの上に置いた。


「じゃあね、おやすみ」
「ジョー・・・待って」
「?」


部屋を出て行こうとした、ジョーを呼び止める。


「・・・・もう少し、居てくれないかしら?」
「休んだ方がいいよ?」
「ほんの、少しだけ」


逡巡する思考がジョーの瞳の動きで、わかる。


「・・・少しだけ、ね」


ジョーはフランソワーズの横たわる、シングルベッドの端に腰を降ろすと同時に、ふうっと、溜め息がこぼれ落ちた。

その溜め息にいくつもの理由をフランソワーズは見つける。



「あのね、・・・」
「ん?」
「助けてくれて、ありがとう。ジョーじゃなかったら捻挫くらいじゃすまなかったのよ?」
「・・・・・捻挫も必要なかったよ、ボクg」


伸ばされた白い手。


「っフラn」


上半身を起こして、フランソワーズはジョーを抱きしめた。


「お礼を言ってるの!ちゃんと受け取ってくださいっ」


きゅうっと腕に力を込めて、ジョーの首にまわした腕をひきよせると、姿勢を崩したジョーが倒れ込むようにしてフランソワーズの肩にかかる髪に顔を埋めた。




「ありがとう・・・、助けてくれてありがとう」
「・・・・」

彼の後頭部に手を回して、フランソワーズはジョーの髪に指を差し込んで撫でる。


「・・・あれくらいの爆風に巻き込まれるなんて、アタシも情けないわ!しかも崖に落ちちゃうなんて、恥ずかしい!」
「あれくらいって、フランっ」


跳ね上がるようにして、フランソワーズの肩から顔を上げようとしたが、それをぐっと、手に力を入れてフランソワーズは押しとどめた。


「あれくらいなのよ?・・・・ジョー、全部を自分のせいにしないで。アタシのミスは、アタシの責任なの。お願い、自分を責めないで。これくらいの事いつものことだわ・・・・」
「フラン」
「そっちの方が辛いのよ?」
「え?」
「これっぽっちのアタシの怪我くらいで、苦しそうに・・・」


フランソワーズの手がジョーの後頭部から離れると、自然とジョーは顔を上げた。
髪を撫でていた白の手が、ジョーの前髪を書き上げて、彼の眉間に指先が添えられた。


「皺を寄せちゃって!ジョーの綺麗な顔に跡がついちゃうわ!こんなに寄せちゃったら皺が残っちゃうじゃない!!」
「はあ?!き、綺麗っ?」
「駄目よっ!絶対に駄目っ!!」
「フラン・・・?」


ぺち。と、両手を頬で包まれた、ジョー。


「こんな小さな事で皺を寄せていたら今後どうするの?もっともっと辛い時、どうするの?」
「・・・・それでも、さ」
「も、いいのっ。アタシにちゃんと反省させてちょうだい!ジョーがそんな顔だと、できないわっ!!」
「・・・フラン」


ジョーは自分の頬を包む手に、自分の手を重ねた。


「ジョー・・・ね?・・・・お願いだから、これぽっちのことでそんな顔しないでちょうだい・・・」
「フランソワーズ・・」







囁くように名前を呼ばれて、じんっと、背中が痺れた。





「j・・・ジョー・・・?」







包まれた手が熱い。
ジョーの、頬も同じくらいに。





重なる視線。
見つめ合う瞳をそらせない。

息を吸うのさえも憚られる。
くちびるが妙に渇いているのを意識する。



どちらともなく、呼吸が止まった。
フランソワーズの手を握りしめるように、ジョーの手に力が入る。



伏せられるように、瞳が細められて。
促されるように、少しだけ首を傾けて。

近づく鼓動と体温と・・・・、ふれあおうとするのはチェリーカラーの・・・。






「いよっ!治療終わったってなっ!ほらよお、張大人がメンテ中だろっ?ミルクが熱過ぎるだの、冷た過ぎるだのっ、ウッセーンだよっ00す・・・」





開いたドアと、飛び込んできた声。





ベッドが置かれた壁際とは反対の壁に、背をぺたりと寄せたジョーと、不自然な位置に手を固定したまま、ベッドの上で固まっているフランソワーズ。


「んあ?なんだ、ここに居たのかよ009っ、お前でもいいからよっ001の満足いくのを作ってくれよっ、オレはやってらんねえよっ!!」
「う、うん!わかったよ002っ、じゃあね003、ゆっくり休んでっっ!!」
「え、ええ、ええ、ええっっ!!」
「行こうっ002っっっ!」
「お、おお・・・」


009に腕を引っ張られて、003の部屋から離れる002





「いててててて、いてててええっっいっててっ痛ってええええっっ!!!!ちっったっっ00っおいっいてえんだよっ!!」



009に握られた腕がぎりぎりと、食い込んでいった。


「いてえええええええええええええええええっって!オレをメンテナンスルーム送りにするつもりかよおおおおっっ!?」








どっどっどっっどっっどっっどっっど。と、急ぐ足音に合わせる心音。
無意識に握りしめる002の腕。

抗議の声が聞こえるものの、何がなんだか訳が分からずに、002の腕に頼るようにして、握りしめた。


---ボク・・・、何をしようと、した?!







瞬きするたびに、思い出す。



---フランソワーズの、碧と赤い・・・。



「なにやってんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「うがああああああああああああああああああっそれはオレのセリフだっ!!!」


廊下で叫び合う二人に奇妙な視線を投げ掛けるのは、アイス・ブルーの三白眼。
ドルフィン号、コモンルームのドア口に立ちながら、腕には001を抱いていた。



「なんだ?2人とも・・・003を襲いそこねたのか?」


004の言葉に足が止まる。



「ちげーよっ!コイツがっ」
「・・・・なんだ、襲い損ねたのはジョーか?」
「!!」


009に掴まれていた腕の力が一瞬、弛んだ隙に腕を振り解き009を見た002。


「襲ってなんかないっ!!」


真っ赤に茹で上がった見事な紅。
防護服よりも紅くみえる。



「おお、おお・・・全身防護服とは、さすが最新型だな?」
「マジかよっ?!・・・お前っフランソワーズに何しやがったっっ?!」
「な、何もしてないっ!!」
「じゃ、なんでそんなに茹で上がってんだよっ」
「生まれつきだっ!」


ぶっ。と、004が吹き出した。


<じょーガ、ソッチノみっしょんヲこんぷりーとスルナンテ、当分無理ダヨ・・・>
「ま、手を握るくらいで茹で上がってるみたいじゃな?」
「違うっkっ」


口を滑らせかけて、慌てて手で覆い言葉を飲み込んだ。瞬間に002が飛びかかって来た。


「はきやがれっ!!」


油断大敵。
動揺する009はバランスを崩した。











ドルフィン号が邸について。
005に抱えられて邸の自室に戻る003の後ろを、ひょこり。っと、足を引きずるように歩く不機嫌な009。


「まあ!ジョー・・・言ったわ、責任を感じないでって・・・。捻挫までして痛みをシェアしなくてもいいのよ?」
「・・・」


ボクの眉間の皺が深くなる。
それは、ボクのせい?キミのせい?









*おまけ*

邸の階段を上りきった後、ジョーは右へ、フランソワーズは左へと分かれていく、前。
フランソワーズはつん。と、ジェロニモに合図を送る。
ジョーの目の前で、そっとおろしてもらったフランソワーズは、腕をのばして、ジョーに捕まると・・・。


「お揃いね!」
「・・・」
「早くなおるおまじないしてあげるわ!」
「!!」






ちゅ!と音を立てて、ほおにキス。


ぼ!っと燃え上がったジョーを無視して、ジェロニモはフランソワーズを再び抱き上げて、部屋につれていった。


どた!っと、尻餅ついたジョー。
部屋から出てきた、ジェロニモに遥か高い位置から見下ろされて、一言。



「・・・・お前はフランソワーズにおまじないしないのか?」


---しようと思って失敗しました。






黙って立ち上がるジョーを助けた、ジェロニモは彼らしくなく、にやり。と、嗤った。












*お題は”あしくび”・・・・足首といえば捻挫!
 3に手を出すのはまだ早いってことですか・・・・。
 もじもじしてください(笑)
 
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