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11時59分
「今日が、その・・・・・知らなかったの」

11時56分。




17日になる前の・・・ギリギリの時間。


僕の部屋のドアをノックした。
「誰?」と、声をかけたけれども、返事がなく、面倒臭いけれども立ち上がってドアを開けた。


「フランソワーズ・・・?どうしたの・・・・・・・こんな時間に・・・」



滅多に彼女は僕の部屋を訪れない。
用事はすべて1階のリビングで顔を合わせたときに、すませてしまうから。


今にも泣き出しそうな、八の字眉の彼女に僕は焦った。

「フランソワーズ?・・・どうしたの?」
「今日が、その・・・・・知らなかったの」
「・・・・え?」
「私・・・知らなくって・・・」
「・・・なにが?」

フランソワーズは何を言いたいのだろう?

「16日・・・・お誕生日なのでしょう?」
「あ。・・・・・なんだ、そんなことか・・・・・」
「ごめんなさい・・・何もしてあげられなかったわ」
「いいよ、別に・・・僕も忘れてたよ・・・そっか、今日だったんだ・・・・」


僕の言葉に、さも傷ついたと言わんばかりに、彼女のこぼれんばかりの大きな瞳が涙に揺れ・・・・た、と思ったら・・・。


彼女の白い手が伸びてきて僕の首にまわされた。
僕と彼女の身長差を縮めるために、彼女が背伸びをしたら、僕の首にまわされた彼女の腕に力が入って、僕を引き寄せた。

近づいてくる空色の瞳は、レースのような長い睫毛に隠れてしまう。



触れ合った、やわかな感触は、温かくて甘い。


躯が凍る。
時間が凍る。

触れ合った部分以外、すべてが凍った。



ゆっくりと離れていく、柔らかな、彼女の・・・・。



「・・・・・・お誕生日おめでとう、ジョー」



解かれた腕。
俯いた彼女は逃げるように走り去った。








11時59分。



「・・・・・・・・・フランソワーズ!!」



僕は、彼女を追いかけた。
一つ、大人になった僕は、彼女に伝えなければいけないことが、ある。










end.










・あとがき・

平・ジョーですかねえ。
初々しいなあ・・・・。
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