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波音

潮風と戯れる波の音が、星の瞬く音を打ち消していく。 月がインディゴカラーに穴を空けたように見えて、その向こうの宙が 見えるかもしれないと、思った。 冷やされた空気は振動することなく、肌をなでる。 静寂は、何色をしているのだろう?と、瞼に描いてみるけれど、 本当の静寂を知るときは、自分が”停止”するときだと、自嘲した。 波が砂浜に寄せられて、引いていく音が子守唄。 子守唄を追って、呼吸を整えていく。 心臓の音が聞こえ出す。 <・・・もう、寝た?> <・・・・いいえ、起きてるわ> 音でなく、振動でもなく、人工的に届けられた人の意思。 ベッドの上で寝返りをうった。 シーツが絡まって。 掛け布団がねじれて。 マットレスが軋む。 枕に頬を押し付けて。 耳が波の音を忘れた。 <・・・・来ない?> <・・・・・え?> 心臓の音が彼女の意思を邪魔をする。 <・・・・・・・・眠れないから> <・・・何か、暖かい飲み物でもいれましょうか?> また、寝返りを打って、天井を見上げた。 <・・・・・・来て> 波の音が戻ってくる。 <来て・・・・。眠れないから> <・・・・こんな時間に?> <こんな時間だからだよ?> 仰向けの状態で、首だけを窓へと傾ける。 カーテンを閉めていないけれど、カーテンを閉めているように感じる。 瞼を閉じて。 ふう、と息を吐き出した。 瞼に浮かべる静寂の色は、何色でもない。 黒。でもない。 ただ、何も映し出していないだけ。 耳に心地よい波の子守唄。 こん、こん。と、調子が外れたリズムを聞いて、跳ねた勢いに マットレスが偏って沈む。 フローリングの床につけた素足が冷たさで火傷しそうだった。 <ジョー・・?> ひとつ、深呼吸をしてから、ひんやりとしたドアノブを握り、 音を立てないようにそっとドアを開けた。 「・・・・眠れないんだ」 「私も、よ・・・・」 部屋に引き入れて、昼間と同じように抱きしめる。 彼女のお気に入りの、シャンプーの香りは変わりなく、甘く、胸をくすぐる。 「落ち着かないんだ。・・・・・まだちょっと信じられない」 腕の中の彼女が身じろぎしたので、腕を緩めて彼女の顔を覗き込んだ。 「・・・信じてくれないの?」 震える声が、空気を振動させる。 「・・・・もっと、確実に信じたい」 頬にキスを一つ。 そのまま離さずに、ささやく。 「もっと、ちゃんと信じさせて」 頬の熱がくちびるに伝わる。 彼女の戸惑いと緊張と、困惑の揺れが抱きしめる腕に、躯に伝わる。 「まだ・・・・・・・、そんな・・・の、・・だって・・・私たち・・」 腕に力を入れて、より彼女の躯と隙間なく密着させて、 彼女の亜麻色の髪に顔を埋めた。 「・・・眠れないから」 「・・・・そんな、の・・・」 「・・・じゃ、どうして来たの?」 首筋に、彼女の長いまつげが作る風がかかり、彼女の想いを知る。 「・・・怖い?」 こくん。と、素直にうなずかれた。 「・・・・無理強いはしない。キミが嫌という限り、何もしない。 ・・けど・・・・眠れないから、一緒にいたい」 「私も・・・一緒に、いたいわ・・・。で、も・・」 腕を解いて、彼女の手をとり誘う先に、彼女の足はすくむ。 「・・・・・誓うよ」 「・・・何に?」 「・・・キミを好きだと言う気持ちに」 同じ音を聞いて。 同じ子守唄を聴いて。 緊張に強張っていた躯を解いて。 おいかけ合う息づかいは、安らかに。 波の子守唄に誘われて。 初めてお互いの気持ちを伝え合った日、その夜を一緒に過ごした。 end. sozai/ふわふわ。り

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・あとがき・ 大人なチャレ~ンジ!(ちゃちゃ!) って、大人じゃないっ・・(苦笑) あの、3にお断りされちゃいました!
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