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握りこぶし/綺麗な、キレイな、きれいな。

こぼれ落ちそうな瞳に、今にもこぼれ落ちそうなしずくが揺れ溢れている。
ふっくらとした唇を巻き込むようにして噛み締めて。

瞬くたびに、彼女の顔は空をあおぐ。



はあ、と。吐き出す息は哀しみの色。




目の前に広がる焼けた荒野。

ここに、街があった。



黒い残骸。

ここに、人がいた。





鼻をつく異臭。

ここに、笑顔があった。





ここに、命が輝いていた。








黒と夕のコントラストが、彼女の背中をかたどる。
風がないのにも関わらず、彼女の緋色が揺れた。

ただ、ボクは彼女の傍らに立つ。



彼女が何を思い、何を悲しみ、何に胸を痛めているか。
ボクの気持ちと重なる。


「003・・・・、我慢しなくていい」




それだけ言うのが精一杯だ。
目の前に広がる光景を観て、何を言葉に置き換えることができるだろう。
何が彼女を慰めることができるだろう。




ちっぽけなボク。
最強のサイボーグの名が、空々しい。





そっと視線だけで彼女を観る。
不謹慎にも、その横顔があまりにも美しく、息をのむ。

キミは本当にあの、フランソワーズ?






脳裏によみがえる、20時間前のキミ。


とんちんかんなことを言う、キミがいい。
お菓子が大好きな、アイスクリームが大好きな、キミがいい。
ちょっと理解できない趣味の、キミがいい。



綺麗な、キレイな、きれいな、003。



だけど、ボクは・・・。



理解できない、女の子な、キミがいい。





「・・・・003、そろそろ行こう。ここはもう」
「もう少し・・・、もう少しだけ、お願い・・・・・」
「ここに居ても仕方ない」
「・・・・・・忘れたくない」
「・・・」



一粒だけ、彼女の頬を伝ったしずく。
スローモーションのように流れて彼女のあごを伝い、落ちた。

乾いた大地に落ちた、それを見つめて、ボクは願う。









いつの日か、そのしずくの落ちた先に花が咲くように笑う、キミ色の花が咲きますように、と。

その花が咲く頃には、・・・・この腕にキミを抱きしめていられる男でありたいと願う。








太陽が沈みきった空気は冷たく、ボクらを包む。


「もう、いいだろう・・・行こう003」
「・・・・ええ、009・・・ありがとう」


満点の星空に、どの星よりも輝く笑顔。




ぐっ。と、固く握りしめた拳。



「絶対に、止めてみせるっ」
「行きましょう、009」





落ちたしずくに、キミの涙に誓う。



「003、無事に帰ったら・・・・」
「もちろんっ・・・・季節限定のソフトクリームを買ってね!」
「それに、細胞君シリーズ、第二弾だろ?」
「ええ!・・・・ええ・・・・」


早足に、ボクよりも先を急ぐ。






「フランソワーズっ」
「っ?!」




キミは驚きに振り返った。





「オオガミ教授が秋の慰安旅行にキミを連れてきてくれないかって、言われてるっっお礼したいからって!」
「え?」
「だから、さっさと終わらせるっ」











ボクは、走り出した。
そして、キミの手を取り、抱きかかえると加速した。















*シリアスもじもじ・・・。そういうこともあるさ。
 旅行なもじもじ書きたいんです。(マーメイドな彼女もね!)
 いつになるか・・・。

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