RSSリーダー
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
お出かけno.9 ~スーパーにて.5~
イワンが昼の時間のときにだけ、フランソワーズとジョーが使う、合い言葉。

「ジョー、買い忘れたものがあるの・・・」

彼女はかならず、イワンが起きているときに何かを買い忘れる。
以前、買い出しのときにフランソワーズがイワンを一緒に連れて行こうとして、他のメンバーたちから、荷物が多いからと、彼らは彼らなりにフランソワーズを思って言ったのだが、当のフランソワーズは、それがショックだったらしい。

彼女は、彼女なりの理由があってイワンを買い出しに連れて行きたいようだ。
それ以来、彼女は「わざと」買い忘れをする。

「・・・・車をだすよ、先に行って準備してる」

ジョーがそう言うと、嬉しそうにフランソワーズは こくん と頷き、彼女のピンク色のスリッパは心地よい足音で ぱたぱた と リズムを作りながら、ギルモアの研究室に居るイワンを連れ出す用意をする。

フランソワーズは、ジョーの「その」言葉から”車にベビー用シートの準備”をしてくれることがわかるのだ。

3人のお出かけの日は、イワンはフランソワーズから「よそ行き」用の服を着せてもらう。こうやって買い物に連れ出されることに、イワン自身はどうおもっているのかジョーはわからない。この「お出かけの日」にイワンが持つ超人的な能力をなかったことにするように、過ごす。


####

ギルモア邸の玄関前まで車を移動してフランソワーズからイワンを受けとり、彼をしっかりと、ベビーシートに座らせる。

「痛くない?・・・だいじょうぶか?・・・」

イワンの様子をみながら、ジョーは安全ベルトの調節をする、が。この時もイワンは何も言わずに、ただジョーの手をみているだけだった。

後部座席に座っていたフランソワーズが、心配そうにのぞき込む。

「だいじょうぶ?」
「ああ・・・これでいいと思う」

ジョーはシートベルトから手を離し、イワンの頭を優しく撫でる。
そして、運転席に乗り込んでから、フランソワーズの方へ振り返った。

「それで?新しくできた大型スーパーは、どこ?」


####

通い慣れたスーパーとはちょうど、反対側の街に、米からやってきた輸入食料品がメインとなった
大型スーパーが開店したのは、昨日。

フランソワーズが行きたくて、そわそわしていたのをジョーはよく知っていた。今日の買い忘れは、ボディ・ソープに、スポンジなどの掃除道具のストック用のもの。

「必要なときに限って、なくなっちゃうのよ?不思議だわ!」

彼女はイワンを抱きながら、きょろきょろ と、できたてホヤホヤのスーパーを見渡す。オープンした翌日なだけあり、広々と普段通うスーパーの2倍はある通路でも、人とぶつからないように、気を付けなければならなかった。

イワンを抱きながら歩くフランソワーズは見ている方が危なっかしく、ジョーは彼女を庇うように歩いていたが、しまいにはフランソワーズの腕からイワンを取り上げて、片手で軽々と大切にイワンを抱きながら、空いたもう片方の腕はしっかりと、フランソワーズの背にまわしていた。

「ジョーは心配性ね?」

ジョーの腕に抱かれるイワンをのぞき込むように見るフランソワーズ。
イワンも人の波が面白いのか、きょろきょろと視線を色々なところへむけていたのでフランソワーズに負けないくらいに、好奇心をくすぐられているようだ。

少し興奮しているのか、ふくふく としたイワンの頬が、いつもより少し紅い。

「ほら、フランソワーズ。危ないから前をみて歩く」

イワンに話しかけていたために、彼らの横を急ぎ足で通り過ぎようとした女性と、フランソワーズは軽くぶつかってしまったが、フランソワーズの背にまわされているジョーの腕が彼女を守る。女性とフランソワーズは目線で、お互いにぶつかったことを謝った。

「今日は食料品はいいんだろ?また来たらいいから、向こうの方へ行こう。・・・必要なものはそっちだろ?」

ジョーはそう言いながら、フランソワーズの背を力任せに押して、方向転換を促した。フランソワーズは背中にジョーの腕からかかる力と、温かさにちょっとだけ抵抗して、「しょうがない人ね」という表情をつくるが、その蒼い瞳には幸せの色が溢れている。

####

移動した生活用品のコーナーは、幾分か食料品売り場よりも人が薄れていた。
輸入品の多くは米からの物が多かったが、ときおり見つけるヨーロッパからのものを見つけては、フランソワーズは手にとって、ジョーに一つ、一つ商品の説明や、それにまつわる彼女の小さな物語を彼女の愛らしい唇から、涼やかに話している。

イワンがときどき、身をよじって抱き心地が悪いことを訴えるのでその度に、ジョーはイワンが心地よく過ごせるように抱き直す。そうやってジョーがイワンを抱き直すたびに、フランソワーズはジョーに寄り添い、イワンの様子を伺いながら、彼らに話しかける。

「んっと、これでいいか、イワン?」

「イワン? だいじょうぶかしら? ジョー、やっぱり私がイワンを・・・」

「だめだ、キミ危ないから・・・イワンを絶対に落とす」

「まあ!イワンはティッシュの箱じゃないわ!」

「・・・だめ」

ジョーは少し考える「フリ」をして、とても真剣な顔でフランソワーズにイワンを抱かせることを拒んだ。

「イ~ワ~ン~、そんな堅い腕に抱っこされてるより、私の方がいいわよね?」

世界最強のサイボーグを骨抜きにする、華やかで愛らしい笑顔をたたえながら、フランソワーズは両手を広げて、イワンに「こっちにいらっしゃい」とアピールする。ジョーはその笑顔をなるべく見ないようにしながら、イワンを両腕で、この世で一番大切な宝物のように抱えこむ。

「だめだって言ってるだろ、フランソワーズ。キミ、買い物しないと。イワンを抱きたかったら、さっさと終わらせろよ」

「あら、イワンを抱きながら買い物できるわよ!」

「・・・それをを見ていて危ないから、俺がイワンを抱いてるんだろ?」

「い~♪わ~♪ん~♪」

ジョーとは話しにならない!と、ばかりにイワンに甘い声をかける。

当のイワンは2人のやり取りをだまって訊いている。
口に加えた黄色のおしゃぶりが まぐ もぐ と動いている。


「ちょっ、フランソワーズ・・・無理に・・・危ないから!」


商品棚から離れた、エスカレーターが2階へと向かう登り口付近に作られた、買い物客が少しばかりの休憩ができるように置かれている、5脚ある黄緑と黄色で彩られたベンチの一角。


「ジョー、ほら諦めて、ね? いっわっん~♪」


日本人とは明らかに違う、明るいハチミツ色の明るい髪を可愛いらしく揺らす、少女のあどけなさが抜けきっていない、人目を引きつける容姿の女性が・・・

白銀の髪を持つ赤ちゃんは ぷくぷく ふくふく とした頬を紅くして、落ち着いた青色の、品の良いベビー服の上に、小さくお洒落なベビー用パーカーを着せられたイワンと言うなの赤ちゃんを・・・・


スポーツか何かで鍛えているのか、しっかりとした体つきだが、その動きは柔らかく、栗色の前髪が揺れるたびにのぞく優しい褐色の瞳が、困ったように瞬きするけれど、彼の目元は幸せに微笑んで・・・・

愛おしそうに青年の腕に寄りかかり、赤ちゃんをその腕に抱きたいと、青年に甘えるように訴えていた。


想像し得る印象からは、子どもを持つには少しばかり、早いのでは?と思われる2人。
そんな彼らの会話やり取りに、行き交う人々は足を止めて・・・口元をほんのり緩め、くすくすと笑い、囁きながら通り過ぎる。


「みて、可愛い赤ちゃんを取り合ってる~。お母さんは外国の人かな?」

「あらあら、若いお父さんとお母さんねえ、どっちも抱っこしていたいのね~」

「赤ちゃんが可愛くて仕方がないんだ~、なんか可愛いカップル~、あ、夫婦か。」

「ふふふ、ちょっとあそこの2人、夫婦かしら?やだ、赤ちゃんを取り合ってるわよ?」

「お、新米夫婦か?・・・出来ちゃった婚・・・?いいな~美人な・・・ぐあh!」



足を止めて2人を見守る人が、少しずつ、少しずつ・・・増えていく。

幸せな笑い声が、少しずつ、少しずつ・・・広がっていく。



「いわん~♪、い~わん~♪が、だ~き~た~い~♪」

「・・・だ。め。なんだよ、その変な歌・・・」

「ジョ~お♪は、怒りんぼ~♪」

「・・・フランソワーズ・・・・・」

「ね?ね?ジョー、疲れたでしょ?」

「・・・・・・キミがそうやって寄りかかるから・・・重い」

「失礼ね!私が重いなんて!ねえ、聴いたイワン?ジョーが私を重いって言うのよ?そんな意地悪なジョーの腕にいていいの?」


イワンは何も言わない。
面白そうに2人を交互に眺めて、ときどき、もごもごもご とおしゃぶりを揺らすだけ。


「・・・・最近、顔丸いよ?」

「な!」


ぷうううっとフランソワーズは、頬を膨らまして抗議する。
反射的に、ジョーの腕に添えられていた彼女の手に力が入った。

「・・・痛い、痛いって・・・いてっっ・・・はいはい。キミは軽いです。羽のように軽いから、キミを片手で持ち上げられるだろ、俺は・・・」

フランソワーズの顔をのぞき込み、ジョーは明らかにフランソワーズの機嫌を損ねたことを、彼女の瞳の色で悟った。一瞬、イタズラっこのような表情を見せて、大げさにジョーは言った。


「・・・・・降参・・・ほら。イワンを抱きたいんだろ?笑えよ、笑って・・・」


フランソワーズはじっとジョーの顔をみつめて、その顔は、まだ怒っている「フリ」をしている。


「・・・機嫌を直すんだったら、キミがイワンを抱いて、買い物を済ませて・・・」


ジョーはもう気づいている、フランソワーズが怒っていないことを。けれども彼はあえて知らない「フリ」をする。


「・・・帰りに大地の店でケーキを食べて帰ろう・・・? そういえばイワン、ああいう店、まだ一度も行ったところないだろ?」


フランソワーズはジョーの顔をみつめたまま、ゆっくりと少しだけ離れる。
ジョーとフランソワーズは正面にきちんと向き合う。


「はい。イワン、フランソワーズにかわる、よ?」


ジョーは そおおっ と腕に抱いていたイワンを、少し膝を折ってフランソワーズの胸元へ運び、フランソワーズは優しく丁寧に そおおっ と下から支えるように、イワンをジョーの手から受け取り、抱きしめる。


「んふふ、イワン~♪」


フランソワーズは、やっと自分の腕の中に戻ってきたイワンを愛おしそうに頬ずりをし、額にキスをひとつ。イワンはくすぐったいのか、少しだけ手足を ぱたぱた と動かした。

そんなフランソワーズとイワンの様子を、嬉しそうに、愛おしそうに、ジョーは温かく見守りながら、自分の腕からなくなってしまったぬくもりに少し淋しさを感じるが、その空いた腕を愛しい人の背にまわしたとき、




わあああっと浜辺に打ち寄せる波のような・・・笑い声。
ほんの数分間だけの出来事。
3人を取り囲むように・・・人は集まっていた。


フランソワーズは、恥ずかしさから真っ赤な顔で逃げるようにその場を立ち去ろうと、ジョーを促す・・・が、ジョーはにっこりと笑って、何事もないように、いつものペースで悠然と構えていた。

ジョーのそんな態度に、恥ずかしがる自分。が、恥ずかしくなったのか、フランソワーズはジョーの背中に隠れるように、人々の目線から身を隠そす。


買い物もそこそこに、駐車場に戻らされたジョーは、「せっかく来たのに」と不満そうだった。が、彼が本気でそうは思っていないことをフランソワーズはわかっている。

車に乗り込み、イワンのシートベルトを確認する。
大きなジョーの手が、イワンのお腹の上を行ったり、来たり。

それを見ていたイワンが、ぐううっと彼のからだを前に傾けたと思うと、小さな、小さな、もみじの手が きゅう っとジョーの人差し指を握った。


<ジョー、マタ 連レテ来テ・・・ふらんそわーずモ一緒がイイ>


「・・・ん。今度は負けないよ?フランソワーズに取られないように、しっかり抱っこしてやる。な?」

<ジョー・・・ソレは ムリ。君ハふらんそわーずニハ 勝テナイ ネ♪>

end.




・あとがき・

1がらみの9と3でした・・・。
私は一体、何が書きたかったんでしょ?

これ、大地くんの名前を出してしまったので、
これをプロローグにして、えっと・・・
あっちと繋げようかな?

って思いついたので、これは今はこちらで保管しますが、
「大地くん」とこ用に続きがかけたら、移動しま~す!
(書かなかったら・・・永久ここに居座ることでしょう・・・)
赤ちゃん連れてきたら大地君びっくりするかな???っと(笑)

行き当たりばた子と呼んで下さい・・・m(;∇;)m 


でもこのジョーは、あっちのジョーじゃないような・・・(ー’`ー;) ウーン。

====
大地君と繋げました・・・(^_^;)
・おまけ・

車に揺られて、イワンは窓から見る、ちょっといつもと違う風景を楽しんでいたとき、
ふと、とあることを思い出し、ジョーとフランソワーズには気づかれないように、
一応は2人に注意を払いながら、彼の能力であるテレパスを飛ばした。

<・・キ・・・・キコエル?>
<やあ、イワン。ちゃんと聞こえるよ!>
<デ、君タチは、今ドコニイルノ?>
<まだ、あのスーパーだよ?>
<ボクタチはイマから、ふらんそわーずノお気ニイリ の カフェ に イク>
<う~ん・・・そこまでは無理かな・・流石に気がつくよ>
<ボクもソウ思ウ>
<今日はこれでいいかな? ちょっとしたハプニングもあったしね~♪>
<ジャア、博士ニ頼ンデ チャント 保存シテネ>
<うん!もちろんさ!! でも、先に見てもいいかな?2人が帰ってくる前に>
<モチロン。 君ノカメラワーク ガ スゴク 良ク ナッテル カラ
楽シミにシテル ヨ。ミンナ>

<もうしばらく、パパとママと遊んでなね?イワン>

<・・・・ウン。ピュンマ アリガト>



イワンのコレクションに加わる、今日の出来事。
ピュンマとグレートが撮影したそれは、コンピューターとDVDに保存される。


タイトル「お出かけno.9 ~スーパーにて.5~」



博士は研究に行き詰まると夜な夜な「これ」を見ては、楽しんでいた・・・。

end.
web拍手 by FC2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。