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朝の食卓

ちん♪とオーブントースターがなる。 3段式の特別サイズは、毎朝フル稼働。 玉子Lサイズは2パックあっても、たまに足りなくなる。 生クリームを多めに足して、ちょっと誤摩化した感じの朝食の定番、 卵をかき混ぜるのに、なぜに手が疲れるのだろうか?と 疑問に思うのは毎日の事。 何枚焼いたか数えてる場合じゃないベーコンをカリカリに焼いて、 3玉のレタスを手でちぎり、輪切りにしたトマト、 昨日の夕食時に作りおいておいたマッシュポテトでサラダを作って ドレッシングをかける。 珈琲サーバーに作っておいたはずのそれは、あっと言う間になくなって、 オレンジジュースの新しいパックをどん!とダイニングテーブルに載せる。 「今、新しく豆を挽くから!それまでは紅茶か オレンジジュースね!」 大家族の朝は、忙しい。 ジェットが朝からコーラを飲みたがる。 珈琲を切らせてしまって、不機嫌なアルベルトが、焼き上がった トーストを重ねた皿から一番新しいのを選ぶ。 ジェロニモがマッシュポテテを掬ったフォークがまるで デザート用にみえる。 はいヨ!と、フライパン片手にできたてのスクランブルエッグを おかわり!の声の人の皿に載せていく張大人。 1人優雅に紅茶の香りを楽しみつつも、すでに3枚目のトーストに お気に入りのアプリコットジャムを塗り終わる、グレート。 かりかりベーコンが大好きなピュンマは、口にそれを加えながら、 今朝届けられたばかりの新聞を読んでいる。 おかわしたふわふわのスクランブルエッグに、ケッチャップを たっぶりかけているのは、ギルモア博士。 「ジョー・・紅茶でいいかしら?」 「ん」 一番最後にテーブルについた、彼の分のサラダと、かりかりベーコンに、 先に彼の分を張大人から確保してお皿キープしておいた、それを置く。 「お早う、フランソワーズ」 「お早う、ジョー・・・今日は出版社の方へ行くの?」 「ん~・・・別に行ってもいいような、行かなくてもいいような」 のんびりと答えた彼が、寝癖でぴんぴん跳ねた、相変わらずの 髪を掻く。 「ねえ午後に、ちょっと街まで出たいのよ」 「そうなの?」 「ついでにって思ったのだけど・・・行かないならいいわ」 ティカップを持ち上げた彼に、話しかけながら、フランソワーズは キッチンへと戻る。 「あ!・・・そうだ、フランソワーズ」 「なあに?アナタのトーストはもう少しで出来るわ!」 ジョーに呼ばれて、キッチンカウンターから身を乗りだすように、 フランソワーズがダイニングテーブルの一番端っこに座る 彼にむかって微笑む。 「結婚しよう」 ちん♪とオーブントースターが鳴った。 それはジョーのための、焼く前にたっぷりとバターを塗った一枚。 「・・・・・・え?」 「あ。焼けたね!」 「え、ええ」 フランソワーズは聴き間違えたかと、空耳かと、なにごともなかったように、 トースターからジョーの分を手に取って、他のトーストとは別にして ダイニングテーブルへと、トレーに乗せて運ぶ。 ジェットが口からだらだらと、コーラを流す。 アルベルトの手からブルーベリージャムを塗ったパンが、ベトっと彼の膝に落ちた。 ジェロニモが、ぱく。と、トマトをほおばった。 ピュンバが手に持っていた新聞を綺麗に二つに破いた。 張大人が中身の無いフライパンをフライ返しで、さもそこにスクランブルエッグが あるかのように、グレートの皿に載せ続ける動きをしつつ、グレートは口まで 届いていないカップを斜めに傾けた状態で、見事に紅茶を床へと流し、 ひげをケチャップで汚したギルモアが、ひっく。と小さくしゃっくりをした。 フランソワーズはトレーから、ジョーのバターがたっぷりしみ込んだトーストを、 彼の前に置いた。 「ありがと」 「どういたしまして・・・」 テーブルにつく固まった全員の目だけがジョーとフランソワーズに向かう。 「それでさ」 「・・・はい」 「結婚しようよ」 目の前におかれた皿の上のトーストを、嬉しそうに頬張りながら、 トレーを手にジョーの傍らに立つフランソワーズを視線だけで見上げる。 「・・・・・・・・ジョー・・?」 「イヤ?」 「あ・イヤとか・・・えっと、その・・別に断る理由はないの・・・だけど」 「ん、良かった。じゃ、そういうことで、結婚するよ?」 「・・・はい」 「それで、午後に街まで出たいんだよね?」 「え、ええ・・・」 「ん。車をだすから、指輪、フランソワーズが好きなの選んで」 「・・・え?」 「左手につけるんだろ?そういうのって、よくわかんないから、 キミが好きなの選んでよ」 「え、あ、はい・・・」 「あと、結婚するのに何が必要?」 ばくばくと、トーストを食べ続けながら、ジョーは話しを進めていく。 「ドレス・・・かしら?」 「ああ、そういうのって女の子の夢なんだよね?」 「い、ち、おう・・」 「わかった。それも観に行こう」 「k、今日?」 「別にいつでもいいけど、早い方が良いかもね」 ジョーの前に座る、グレートが思わず口を挟んだ。 「式は・・どこだ?」 「教会。・・・昨日、取材に行った先の教会がとっても可愛かったんだ。 フランソワーズが好きな感じ。すごく人気があるらしくって、 興味本位で空きがあるから訊いたら、ちょうどキャンセルが出てて ちょうど一ヶ月後に空きがあるって言うから、予約した。 一ヶ月も先の話し出し・・・ああ、みんな、そういうわけだから、 スケジュール空けておいてくれよ」 ジョーは紅茶を一口、ごくんと、飲んだ。 「本気か?」 しっかりとした声でジェロニモがジョーに訊ねた。 「予約しないよ、本気じゃなかったら」 「冗談だよなあ?・・・おい」 「ジェットと一緒にしないでよ、エイプリルフールはまだ先!」 「それでいいのか?」 「僕はいいよ、フランソワーズもいいっていってるしね、アルベルト、 パン落ちてるよ?」 「ああ・・・わかっている」 「アイヤ~・・・」 「張大人、フライパン空だよ?」 「おめでとう・・かな?」 「ありがとう、ピュンマ」 「儂に何か言わんのか?」 トーストを食べ終わり、フォークをつかんだジョーにむかって、 口のまわりについたケチャっプを拭いつつギルモアが言った。 「・・・ギルモア博士、僕はフランソワーズと結婚します」 「・・・フランソワーズや」 「はい・・・」 「ジョーでいいのか?」 「・・・・・え、、あ」 ダイニングルームの全員の目が、フランソワーズに集中する。 その視線に耐えきれずに、真っ赤になった顔を手に持っていたトレーに隠して、 こくん。と、頷きながら、言う。 「結婚します・・・・・・ジョーと」 いつもの朝。 いつもの時間。 いつもの朝食がちょっとスペシャルになった日。 「打ち合わせとか、以外と面倒なんだよね・・・、なんでもフランソワーズが 好きなようにしたらいいよ。僕はとにかく、あの可愛い教会でキミと結婚できたら それでいいし」 結婚する当人、教会の予約"だけ"入れた新郎以外がてんやわんやで 1ヶ月を過ごした。 赤ん坊のイワンさえもかり出されて・・・。 ちなみに、新婚旅行は新婦の故郷フランスで、電話一本で結婚報告をされたまま 放っておかれた実兄が、首を長くして最愛の妹をいきなり奪った数回しか面識が無い、 童顔な日本人の男を首を長くして待っていた。 end. *ははは・・・は・・・はは・・・・ははは(汗) 写真/ミントブルー

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