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雪山遭難
「フランソワーズ?」
「・・・ジョー、ほら・・・・・・」


愛らしい唇が寄せられた窓に、かかる白い息が、そこに小さなライトが点っているかのように、仄かに点滅してた。


「・・・・初雪だね」


2人分のマグを手に、ジョーはフランソワーズの背後に立つと、手に持っていたマグの1つをフランソワーズに差し出した。


「熱いから、気をつけて」


躯を捻って、ジョーの手から受け取る。
甘いココアの香り。
最近覚えた、ビター・チョコレートを削っていれることも、忘れてはいなかった。


「ありがとう」
「寒くなるね・・・」


ジョーは自分の分の珈琲にふうっと息をふきかけて、熱い湯気を遠ざけてからマグのふちに唇をよせた。


「風がないのね・・・綺麗」
「ゆっくり落ちていくね・・・」


窓のそばに立っていると、冷たくなった窓の空気を頬が捕らえる。


「・・・・ここに立っていたら、冷えるよ」


自分がキッチンへ行っていた間、ずっと彼女はここにいたのだろうか?と、それを確かめるように、フランソワーズの頬に触れた。


「ほら、冷たくなってる」
「ココアがあるわ、大丈夫」
「風邪なんかひかないで欲しい」
「大丈夫よ」
「キミの大丈夫は当てにならないの、知ってる?」
「まあ・・・酷いわ!」


下唇を押し上げるようにして、拗ねた仕種。


「・・・フランソワーズ」
「なあに?」
「ボクが風邪引きそう・・・」


甘えるような口調で、亜麻色の髪にキスを1つ。



「・・寒い?」
「珈琲じゃ、温まらない」
「風邪ひかないで」
「ひいちゃうかも」


口元だけに、浮かべた微笑み。
手に持つマグのココアよりも甘くなった人を見上げる。


「どうすればいいのかしら?」
「まず、ここに・・・」


頬をすり寄せるように少し屈むと、微笑みをかたちづくる、唇を彼女の瞳までにおろす。


「温まったキミのキスをください」
「それで?」


羽のような感触で、触れ合った。


「あの雪のように・・・僕を溶かして」









淡くはらはらと散る雪の、降りる場所は、あたたかな、キミの・・・・・・・・。


















「あら、違うわ。・・・・ジョーが私を、でしょう?」
「いえいえ・・・・。フランソワーズに溶かされっぱなしですよ、僕は」





2つのマグが、並んでライティング・デスクの上に置かれた。


















「寒いのに、服を脱ぐのって変だと思わない?」
「・・・・フランソワ-ズ」
「だって・・・、そう思ったんですもの」
「雪山に遭難したら、寒さをしのぐための人肌は常識です。だから、いいんだよ」
「も。ジョーって、そればっかり・・・。でも、遭難して・・・そこにジョーがいなかったら?」
「・・・・・・・・・・・・・怒るよ?」
「現実問題、あり得るわ」
「その時は、・・・どうしようか?」
「どうししたらいいの?今後のために、訊かせて?」




互いの体温を直接感じ合いながら。





「今日みたいに、温めてあげる」
「だから、ジョーがいなかt」
「009は、003の傍を離れるなんてあり得ないから、現実にはそんなこと、起きません!!」
「じゃあ、一緒に遭難するのね?」
「そうなん遭難です」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・寒いわ」
「だから、ほら、こうやって・・・・・・・」


カーテンが開け放たれた窓から、月が輝かせる白のイルミネーション。






「一緒に遭難して、救助がくるまでか・・・ちょっと楽しそうだなあ」
「もうっ・・・・わざと遭難するようなこと、しないでね?」
「雪山ミッション、ないかなあ・・・」
「私、行かないから!」
「駄目です。ミッションですから」
「いや!絶対に行かないわ!」
「無理だよ、003。009の命令です、キミは僕と雪山で遭難して、救助が来るまで人肌で温め合って過ごすんだよ」


淡く溶ける、雪のようなキスがはらり、はらり、と舞い落ちる。












「・・・・・ジョー」
「なに?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ずっと一緒にいてくれるのね?」
「うん」
「絶対に?」
「絶対に」
「・・・・・・・1人に、しないでね?」
「しないよ、しない。キミを1人になんてしない」


今にも消えてしまいそうな華奢な白を力いっぱい、想いを込めて抱きしめて。












「・・・・・ちょっとだけ、ロマンチックかしら?」
「シチュエーション萌えですか?・・・・・・・以外とフランソワーズってさ・・」
「!」


ぺし。と、頭をはたかれたジョーは、仕返しだと、・・・・・・・。
2人の雪山遭難を設定とした演習(?)は続く。






















*地下から出たら、初雪です。
 はらはら降る雪が、街灯に照らされて綺麗だなあ・・・と。
 それでこれか!?

 勢いって怖い。
 妄想って・・・・(笑)
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