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プレゼントは25日の朝(包装紙・リボンはきちんと再利用)
足先が痛いという感覚が、もうなくなってしまって。
凍ってしまったように感じる。

なんとか感覚を取り戻そうと、つま先立ってみたりして、血を送る。
張り切って履いて来たブーツのかかとが、尖っていて。

いつも履く靴よりもかかとが高いそれは、なかなか思うように動かせず、自分の体の一部のそこへ上手く血を巡らせることができなかった。



締め上げるような靴を履いて。
お洒落重視にコーディネートした服は、防寒にはまったく適していなかった。

せっかく、くるり。と、可愛らしく上手く巻けたと思った髪も、雨も雪も降っていないにも関わらず、重たい湿気に巻けてしまって、情けないよろよろとした巻き具合。

ピアスの穴は空いていないから。
なかなかクリップ式の、可愛いイヤリングが見つからない。
もう何年も”特別”な時につけていた、お気に入りのその片方を、待ち合わせ場所がウィンドウから見える、珈琲ショップで無くしてしまった。

”眼”の力を使って探したけれど、どこに落ちてしまったのか。
見つけられずに、諦めた。


諦めたと言えば、聞こえはいいけれど、結局、その珈琲ショップが閉店するまで居座ったのだから、諦めた。と、言うようりも、諦めさせられた。が、正しいのかもしれない。

店を出るときに購入した、ベンティ・サイズのカップに薄く残っていた、季節限定のエッグノッグ・ラテは、凍ってしまったかな?
スプーンでもありば、しゃくしゃくといじって、どんな風な味になったのか、ためせるのに。と、考える。


待ち合わせの駅のビル。
電光家地盤に光る、今の気温と、時間。







24日が、終わって。
25日が来る。










結局、イブを1人で過ごしたことになるのかあ。と、溜め息をついた。
解っていたことではあるけれど。









『24日の6時から10時くらいまでなら、会えるんだけど・・。007と変わってもらうから・・その・・』


---いいの?


『少ししか一緒にいられないけど・・・』


---駅ビルで夕食を済ませて、クリスマス・イルミネーションを観に行きましょう。


『うん、久しぶりに、会えるね』







---ええ!・・・ここずっと”そちら”ですものね。











『・・・ごめん。状況が変わった』



---いいのよ、気にしないで・・009。

  別に、クリスマスなんて毎年のことだもの。




  気にしないで。






『ごめん』


---気にしないで、ね?たかがクリスマスよ!
  どうか、怪我だけはしないでね。・・・気をつけて、・・・・・・・気をつけて009。













なんて、言っておきながら。
”もしかして”なんて、馬鹿な期待をして出て来てしまった。


邸には、バレエ教室のお友達と会うなんて、言って。


駅前の大通りの正面に、ドーナツ屋さんと、イヤリングの片方を無くした珈琲ショップが並ぶ場所から、数メートル離れた花屋さんが造る小さなガーデン。

白いゴシック調のデコラティブなフェンスに囲われた入り口をはさむように、その雰囲気にあったベンチ。
このあたりでは、ここが待ち合わせ場所の定番。



ベンチに座り続ける私は、たくさんの”待ち合わせ”に遭遇した。





いいな。と、呟く。
素敵ね。と、微笑む。

良かったわね。と、御祝いする。



いってらっしゃい。素敵なクリスマスを、と・・・・心の中で、声をかけた。








いい加減にしなさい。と、自分を叱る。
来ない人を待っているなんて、いい加減にしなさい、と。


けれど、嬉しかったから。
初めてだったんですもの。


ジョーから、誘ってくれるなんて。
ちゃんと、クリスマスだと言う事を覚えていて、そして・・、会おうって、会いたいって言ってくれたのは。


ベンチから、立上がる。
隣に置いていた、冷たくなったカップを手に取る。

視界にはいった手袋が、悲しかった。



とてもシンプルですっきりとした、薄いピンク色の手袋。
見た目とちがって、内側にもこもことした羊の縫いぐるみに使うような生地が使われていた。

手首が自由になるように、小さな切れ込みがあって、そこに、シルバーの小さなハートのチャームがついている。


去年、クリスマスが、ずうううっと過ぎた、年も明けてしまった時に、渡されたプレゼントだった。
誕生日も、過ぎていた気がする。

誕生日の前に用意してくれていて、誕生日の後に渡された。





肝心の誕生日は、いなかった。と、言うか・・・忘れられてたし。








そういう人なのよ。









近くのゴミ箱に、カップを捨てる。
終電を逃す訳にはいかないと、少し早足で駅に向かった。


大通りを渡るために信号機の前に立つ。
たくさんの人が、駅構内へと吸い込まれて行くのを目にして、その中の1人になるのか、と、ちょっとイヤな気分になった。


待っていても、帰っても結局彼はいないから。
けれども、帰らないわけにはいかない。



感覚のなくなった足先を前にだして。
普段はあまり聴くことのない、ヒールがアスファルトを叩く音。



24日が終わる。
25日がやってくる。



邸に帰り着き、あたたかな湯船で冷えきった躯を温めて。
楽しかったか?と、訊ねてくる家族に、楽しかったわ!と、嘘をついて眠りについた。















クリスマスの魔法は、24日ではなく、25日の朝にかけられる。

ぐっすり眠っていた彼女の部屋に、朝早く、赤い服を着る国際色溢れるサンタクロース、8人からのお届けもの。
彼らと同じように赤い服を着る、白のリボンで拘束された状態の・・・栗色の髪の・・・。






「きゃああああああああっっ!!」


青年が、降って来た。


「うわあああああああっっ!!」


どさ!と、彼女の上に。


「いやあああっ!」
「フランっs、僕だよっ・・・僕だっ!!」
「っジョー?!」
「・・・・・ふ、フランソワーズ・・・こ、これ、解いて・・」
「どうしてっ!・・・あ」


フランソワーズの手に、いつの間にか握られていたクリスマス・カード。






”メリークリスマス!今日1日、009は003のものです。 from 00サンタクロースズ”







「フランソワーズ・・、あの・・・、なんとか、これ、なんでか、はずせないんだ・・・」


両腕の自由を奪われている状態。
柔らかそうなリボンにも関わらず、009の力で解くことができない。


「・・・・・・・ねえ、ジョー」
「外すの、手伝ってくれないかな?」


躯をよじるようにして、必死でそれを外そうとしている彼に向かって微笑む。


「・・・だめ」
「ええ?!」
「まだ、だめよ。だって・・・、あなたは私のクリスマス・プレゼントなのよ?だめ。私がいいって言うまで、だめよ」
「ふ・・フランソワーズ?!そんなっ、いったい、それより、プレゼントって・・・。僕はまだミッションのっ」
「だめ」


意地悪く笑って、白のリボンでぐるぐるになったジョーを見つめながら、手に持っていたカードを見せた。


「ね?私の好きにしていいらしいわ」
「なっ・・・!!!!・・・こんなことできるのはっ・・・イワンまでっ!」


呆れると言うよりも、ショックの方が大きいらしい。
目の前にあるカードの文字を穴があくほどに見つめる、ジョー。


「さあ、どうしようかしら?」


カードをぽいっと、放り投げる。


「ふ・・フランソワーズ?」






ベッドの上。

彼女の上。


伸ばされた腕が首にまわされて。
起きたばかりの、少しあがった体温と、彼女のお気に入りのシャンプーの香り。


頬をすり寄せられるように、抱きしめられて。



「・・・・・・プレゼントなのよね?何しても、いいのよね?」
「あの・・あ、ふ・・・あの、ええっと・・フラン・・それよりもっ・・・・・さ、先にっ」
「ね?」
「え、あ・・あの、さあ・・・・・・・・そのっ」


慌てふためく、009。


「ん~・・・じゃあ。まずは・・お早うございます」
「あ。うん・・・・あ、ええ?あのっ・・・お。おは、お早う・・・」
「それから、メリー・クリスマス、ジョー」
「・・・・・・」


にっこりと、微笑んだフランソワーズと、ジョーが受け取ったテレパスはほぼ同時。


「どうしたの?」


固まってしまった、ジョー。
そして、彼の空気が変わる。


「・・・・・待ってたって・・どういうこと?」


眉間に皺を寄せて、睨むような視線。


今度は、フランソワーズが慌てる番。
ジョーの首にまわしていた腕を解く。と、同時に、ジョーを拘束していた白のリボンがするりと、彼を解放した。


「1人だったの?・・・・・友達と会うためにでかけたって訊いてたんだけど?・・嘘ついた?」


ジョーから逃げるようとするフランソワーズ。けれど、自由になった彼から逃れられことなどできない。


「あの・・ジョーっ・・・・」
「・・・・・今日1日、好きにしていいんだよね?」


ベッドの上で、彼女を捕まえて。


「そ、それは、私がっ」
「003は僕のものなんだよね?」


自分に使われていた、リボンを彼女に使う。



「ちが・・・・私がっなのっ・・・・・ジョーっっ!!!!!!!」
「そうだったね、じゃあ。・・・・・・・・・・・僕をあげるから、受け取ってよ」
「!」

「最高のクリスマス・プレゼントに、なるから・・・」








25日の朝に、クリスマス・プレゼントのリボンが解かれて。
再利用も忘れずに。
















*朝起きて、パソ開いて。書いたのが、これ!?・・・です。
  雪が膝下に届くかなあ?くらいにつもりました。
 って、書いたのは21日。(笑)の書きだめショートです。
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