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まったく理解できない/2009年は丑年です
リビングルームから響いて聞こえてくる、なんとも間の抜けた鳴き声。
観て!見て!っと、フランソワーズがはしゃぐから、どうしようもなく”しょうもない”それで遊ぶのにつき合う。

遊ぶ。と、いうのかな・・・?



それは、買い出しの商店街で集めた(正確には、張大人の店の分をわけてもらった)福引き券で当てた。(ボクが!ね・・・)景品の1つ。
他にも、図書券1万円分。お正月新作映画の試写会ペアチケット。みかん5箱。まる餅10kgに、ポケットティッシュの山(これはフランソワーズ)などを引き当てた。

自分では気づかなかったけれど、どうやらボクはくじ運がいいらしい。

おおきな物(特賞のマレーシア5日間の旅、一等の国内30万円分旅行券)とかは引き当てないけれど、そこそこの物は引き当てる。




『・・・このくじ運の良さでサイボーグになることも引き当てちゃったのかな?』


買い物から帰って来てから、引き当てた景品にはしゃぐ家族(全員集合中)の前で言ってみた。

思ったよりもウケなかった。

・・・と、言うよりも、そこで運を使うか?!と、呆れられたり、失笑をかってしまった。
ボク的には、いい感じなジョークだったと思ったのだけれど。


向いていない事は言う(する)べきじゃないな。と、さっそく新年の注意事項に書き込んだ。


「ジョー、ね!ね!もう一回よっ」


やっぱり、くじ運はよかったんだ。と、思う。


「・・・見てますから、どうぞ」


彼女のその、くじ運の無さが003となってしまったことも、同じように。


「ふふふ、いきます♪」


でも、ボクはこのくじを引き当てたことで、今、幸せだったりする。
色々あったけれど、今後も色々とあるだろうけれど。


「・・・楽しい?」


それでも、ボクにとっては”特賞”以上の当たり。

フランソワーズに出会えた。
ボクは彼女に出会うと言う、最高の運を引き当てた。


「とおおおっても!!」


彼女が笑う。
フランソワーズが笑う。


ボクに笑ってくれる。






目の前にいる彼女が003だなんて、未だにちょっと信じられない。
でも、その前は、003が彼女だなんて、信じられなかった。

とっても、不思議な女の子。





たくさんの秘密が、まだまだあるんだろうな。
今のボクはどれくらいキミを知ってるんだろう?





「見ていてね!」
「はい」


ボクとフランソワーズは、ソファには座らずに、毛足の長い、ふかふかのカーペットに並んで座っている。


「えい!」


桜貝色の爪をしたほっそりと長い、フランソワーズの指がつん。と、突く。
面倒臭そうに揺れて、ぼてん。と倒れる。と・・・・。






もおおおおおおおぉぉぉぉぉx~~~~~~~~~ん・・・・。







牛乳パックが牛の鳴き声をあげる。


「可愛いっっ!!可愛いのおおおっ!!」
「・・・・・良かったね」
「ね、もう一回!ね?ね?」
「・・・・・・はい」


倒れた”それ”を起こすのが、どうやらボクの役目らしい。



リビングルームの硝子作りのロー・テーブルの上に置かれた、高さ10cmの白と黒の牛柄模様の牛乳パック。

尻尾なんかついている。



その牛柄牛乳パックのおもちゃを、かなり気に入ったフランソワーズと、すでに1時間くらい・・・こんな風に過ごしている。


途中まではテレビを見ながらだったけれど、集中して!と怒られて、今は静かなものだった。
初めはおもしろがった家族たちも、5分も見れば、飽きてしまってそれぞれしたいことをしに、リビンフルームを去って行った。



何が、そんなにおもしろいの?
まったく、ボクには理解できないんですけれど・・・・。



指先で、さっさと起こした牛柄牛乳パック。
底に”牛の鳴き声”の細工があるのか、少し重たい上に倒れやすいようにアンバランスな平均感覚。

パックには”もぉもぉ牧場MILK”とまるっこいもじで書かれていた。
本物の牛乳パックを見立てて、可愛らしくアレンジしてある。

パックの柄が牛柄と言うのが”おもちゃ”の証拠みたいな。
牛の尻尾がついているのは、女の子にむけて”可愛いでしょ?”とアピールしてる?


「ふふ、素敵ね!」
「・・・・・・・そお?」


こんなに遊んでもらえるなんて、作った人は想像していただろうか?
と、言うか、どんな目的があって作ったんだろう・・・?
このアイデアが出た時、商品化をするミーティングで誰も意義を唱えなかったのか?


「ジョー、これ、アタシがもらっていいの?」
「ん?ああ、もちろんいいよ」
「本当に?」
「うん、本当に」
「ありがとう!!!」


フランソワーズの花のような愛らしい満面の笑み。
・・・・作ってくれた人に感謝しなくては、なんて思ってしまった。




再び、桜貝色の爪をしたほっそりと長い、フランソワーズの指がつん。と、突く。
面倒臭そうに揺れて、ぼてん。と倒れる。






もおおおおおおおぉぉぉぉぉx~~~~~~~~~ん・・・・。







牛乳パックが牛の鳴き声をあげる。




「ふふふっ。もおおって言う前にちょこっと”む”が入るの!!」
「・・・・ね?」
「可愛いのっ」
「だね」


今年一年、ずっとフランソワーズの隣にいて、彼女が笑っていてくれたら良いな。と、願う。
できれば、牛柄牛乳パックのおもちゃなんかの手を借りないで。と、付け加えておきたいけれど。






でも、これがあとどれくらい続くのかなあ・・・。
さすがに、”これだけ”だと、いくらフランソワーズと一緒でも・・・。


「今度はね、一緒に、ね?」
「ん?」


フランソワーズの手が、だらりと、膝上にあったボクの手を両手で包むと、人差し指だけ残してあとの指を軽く握らせる形をつくってくれた。
彼女の小さくて、白くて、ふっくらとした、柔らかな手が、重ねられて。


「いち、にの、さん!」








もおおおおおおおぉぉぉぉぉx~~~~~~~~~ん・・・・。







牛乳パックが牛の鳴き声をあげる。
ボクの手を握ったまま嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。



一生このまま、この”しょうもない”おもちゃで遊んでいてもいいかも、と思う。
せめて、干支がかわる来年まで。


フランソワーズの手をボクは握る。
リビングルームの毛足の長いふわふわの絨毯に並んで座って。


「もう一回?」


手を繋いだボクたちは、もうしばらくの間邸のリビングルームに牛の鳴き声を響かせた。


「ええ、もう一回!ね?」
「うん」




今年一年は、すごく良い年になりそう・・・かな・・・。

手を握るまでの緊張におののく、壊れそうなほどに五月蝿い心音にも大分慣れてきたし。と、言うか、そういのうがなくなった。
ボクが・・・こうやって何も理由なく手を握っていても彼女は大丈夫みたいだし。
フランソワーズからも手を繋いでくることもあって、そういうのに動揺することもなくなった。



「フランソワーズ」


・・・・昔の自分は、こんなボクをどう思うんだろう?
きっと理解できないんだろうな。


「なあに?」
「これってさ、牛だけなのかな?」
「?」
「他の動物あるのかな?って」
「ないわ!」
「即答だね」
「だって牛乳パックにシッポだもの」
「え、そこなの?」
「ええ、牛乳パックにシッポがポイントだから、ないの!」
「猫とかは?鳴き声可愛いと思うけど?」
「ミルクなのよ?」
「じゃ、ヤギ」
「チーズだわ!」
「チーズがさ、めええ、って鳴くのは?」
「・・・・・・・・・・」
「どお?」
「ジョー・・・」
「なに?」
「解ってないわ、まったく、ぜんぜん”可愛い”を理解してないし、この、おもちゃの素晴らしさがちゃんとわかってないわ!!」
「ええ?!」
「も、駄目、ちゃんと見て!遊ぶのっ!!!!」
「は、はい!」


きゅうっと、強く手を握られて。
怒っている、フランソワーズも可愛い。なんて、思う、ボクなのでした。












*おまけ*

家族たちは、なんとなくリビングルームを避けて、いつの間にかダイニングルームに集まっていた。まもなく、夕食の時間。

「・・・あれからどれくらい経つのかの?」
「4時間43分53、54、55、・・・・・」
「そこまで正確にはからんでもいいアルよ」
「いや、でも・・・興味深いよ。ジョーの忍耐力の強さは知っていたけれど」
「あの、おもちゃが壊れるか、フランソワーズが飽きるか、ジョーの我慢の限界が来るか、どれだあ?」
<おもちゃハ壊レナイヨ・・・。僕ガ起キテイルカギリネ>
「にしても、だ。手を繋いだはいい。それなりに”去年”より進展があったことは認める」
「おお、アルベルト珍しいな」
「・・・・・・・だが」
「言うんじゃない、アルバルト、みなまで言うな!」
「「「「「「<博士>」」」」」」


よよよ、と。時代劇風にダイニングルームの床に崩れ落ちた、G博士。


「手を、手をじゃぞ・・・ジョーから、ジョーから繋いだ、それだけで儂は・・・しかも、あの、あのフランソワーズの嬉しそうなことといったら!!!どうじゃっ」


天井をあおぎ、その感動を訴えた。


ピンスポットがG博士にあたる。
懐中電灯を手にしたグレートによって。



<確か、前は孫だ、娘だと騒いでいた。>
<だよね?・・・僕も覚えてるよ>
<博士、苦労されてるんだな・・・張、グレート、お前たちは普段、何してるんだ?>
<これでもちゃんと2人のこと応援してるアル!>
<吾輩も!それなりに進展するよう、日々精進しておるぞ!!>
<それで、これ。か?>
<ジェロモっ!意地悪ネ>


「そうじゃ!」


すっくと唐突に立上がったG博士。


「ジョーが倒れたら、もおおおぉぉぉぉ・・・!と、アレと同じ鳴き声を出す機能をつけるんじゃ!」
「「「「「「「!!」」」」」」」

握りこぶしを作り、に。と、イワンに笑いかけたG博士。


「そうすればじゃ!フランソワーズは嬉々としてジョーをベッドに押し倒しまくるぞ!!!」


きらきらと燃える瞳は科学者の情熱。


「儂が生きておるうちに、孫じゃ!!ウェディング・ベルじゃ!!行くぞ、イワン!早速準備じゃ!!」
<オウ!>

注)イワンは面白ければなんでもいい主義です。






その場にいた全員が想像する。


戦闘中の009、攻防の激戦を繰り返す。
一瞬の隙が命にかかわるほどの強敵。


「きゃあ!」


敵の目に触れない位置に動くな、と命令して安全を確保させていたはずの、003の悲鳴が聞こえた。


<フラン!!>


その声に、009の意識が彼女へと向かった刹那の隙を敵は見逃さない。


「うぐっっ!」


敵からの一撃を受けて倒れた!







もおおおおおおおぉぉぉぉぉx~~~~~~~~~ん・・・・。










と、鳴った009。











邸が壊れんばかりの大爆笑。
ギルモア邸、笑いの角に福来る。今年一年も平和だな。と、笑い合った。



リビングルームの2人がその笑い声に驚く。


「なあに、いったい・・・???」
「なんだろうね?」
「すっごく笑ってるわ」
「ほんと、何かあったのかな?」
「苦しそうなくらい、笑ってるわね」
「「・・・・」」


2人は、目の前にあるおもちゃを見つめる。
つん。と、ジョーがそれを突いて、倒した。



もおおおおおおおぉぉぉぉぉx~~~~~~~~~ん・・・・。




ダイニングルームがさらに激しい笑いの渦に包まれる。






「ふふ、やっぱり、これだからいいのよ!みんな解ったんだわ!これの良さが!」
「う~ん・・・」





***

地下にかけこんだ、G博士とイワン。
メンテナンスルームのドアが開き、あ。と目を見合わせた。


「そうじゃった!002の身体検査中だったんじゃ!!」
<うっかりシテタネ!>


ジョーとフランソワーズが買い出しから戻って来たことを知り、お茶に呼ばれたために、ほんの10分ほどの休憩が、・・・・。


「ふむ・・・・」
<チョウドイイカモ♪>
「じゃな!ジョーの前に、002で試してみるかの?」








end,



*・・・・その後、改造されたのか。002の運命はいかに!(笑)
 酉年まで、放っておかれたりして・・・。

 昔、昔にそういうおもちゃありましたよね?
 牛乳パックをひっくりかえすと、鳴くんです。
 欲しかったけど、親に「しょうもない!」と買ってもらえなかった記憶が・・・。

おまけのおまけ?!

~ここまでになるのにあと何回丑年迎えますか?~


「もおおっ!!」
「・・・・」
「やめてっもおおおっ!!」
「・・・・」


立上がろうとするフランソワーズを押して、ソファに座らせる。


「ジョーっ!!」
「いや、なんか・・・懐かしいなって・・」
「もおおおっ!!」


くすっと笑って、再びソファから立上がろうとしたフランソワーズをぽん、と押して、また、ソファに座らせた。


「もっおおおおっっ!!!ジョーっ!!」
「・・・覚えてる?」
「アタシは牛乳パックじゃないし!牛柄じゃないわ!」


すっくと立上がる。
また、ジョーの手が伸びてきた。

きっと仁王立ちになり、絶対に今度は倒れないわ!と構えた。


「もおお」
「や!重い!!」


倒れたのは、ジョーだった。
フランソワーズの両肩に左右の腕をあずけ、頭を自分の左肩へのせると、フランソワーズに体重をあずけた。


「尻尾ないから、可愛くないかな?」
「もっ!!ジョーに尻尾があったら、・・・・・」


考える。
想像する。


その間、ジョーはじいっと待っている間、フランソワーズの髪に顔を埋めてみたりする。


「・・・・尻尾があったら、ね。あったらだよ」


そろそろフランソワーズの想像が終わるだろうと、呟いた。
手に取るようにフランソワーズが何を考え、想像していたか解ってしまう、自分になっことを褒めるべきか、哀しむべきか。


「つけてもらう?」
「嫌です」
「どうして?素敵だわ!」


ジョーはフランソワーズから離れた。


「邪魔だよ」
「いいの♪取り外し可能なら!」
「じゃ、フランソワーズはウサギの耳つけること」
「・・・・ジョー」
「なに?」
「いったい、いつになったら、そのセンスの無さを直してくれるの?」
「・・・・・・・・・・・永遠になおらないし、ボクは普通です」
「もおおおお!」
「あ!」


ジョーの手をとり、そのまま力任せに引っ張る。
フランソワーズの躯の重さにその勢いと、不意をつかれて、2人ソファに、倒れこんだ。


「鳴かないの?」
「フラ・・・ン・・・あのねえ・・・・・」
「・・・・・・・倒れちゃったのよ?」
「・・・・わかってるよ、それくらい」


愉しそうに笑うフランソワ-ズ。
その無防備な無邪気さに、溜め息をつきつつ。
フランソワーズの耳元で牛の鳴きまねをしながら、ここはリビングルームだけど、ま・・・いいか。と、動かした手。


「もおおおおおお!!!駄目っ!!!!!ジョーッっ」
「解ってます。完璧に、すっごく、可愛いをちゃんと理解しているし、フランソワーズの素晴らしさもわかってます」
「!」


遠い昔の彼女のセリフをなぞってみたりした。


「だから、ちゃんと遊びます♪」
「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっジョーっ!!」









<ナンテコトガ、起コルコトヲ博士、夢ニミテタンダヨネ!昨日♪>

「「「「「「「博士の初夢落ち!?」」」」」」」
「初夢は1日に見るものらしい・・・・だから、当分は夢のままだな」
「んじゃ、てめえ、なんとかしろや!」
「・・・・・・・いいぞ」


ニヤリ。と左口角をあげて、彼独特な笑みを浮かべる。
その目が、とてつもなく、愉しげに輝いていた。








end.






*突っ走ってるなあ・・・私。牛ネタ・・・すき?
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