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おでこ、合わせて/京都・嵐山2泊3日の旅・8
「結婚を前提に・・・?」


テーブルをはさみ、向かい合わせで座りなおしたジョーの前。

美奈子自身から”話しがしたい。と、切り出し、ジョーを呼び止めた。
自分がそうやって彼を呼び止めた自身の行動に、驚きつつも、そうした行動の裏にある自分の本心に素直になる。



もう少しだけ。


・・・・わかっていても。




もう少しだけの時間を、と。願い。
まだ、簡単にこの想いを消化できるほどの”努力(チャレンジ)”をしていない自分に、チャンスを、と。












「そうなの。妹が、結婚をね・・・考えているみたいなの」


脳裏に浮かんだ、妹の顔。
年子の妹、奈々子のことだった。

そして次に湯田の声。


”もっと気楽に考えて会えばいんじゃないかあ?島村でも誘って、ダブル・デートなんて、おすすめしておこうかな。それなら、1日一緒に行動できて、緊張せずに、彼氏さんの人柄とかみえるだろうし、島村からの意見も参考にしたらどう?”



それは1ヶ月ほど、前のことだった。

それもいいかもしれない。と、考えた。
まだ一度だって”大学”関係外で、ジョーと行動した事がない。

けれど、たった1度だけジョーが大学に連れて来たフランソワーズのことが気になって、誘えないままでもいた。






「妹さんとその、彼氏さんが、お互いに真剣に思っているなら、本人同士の問題だと思うんだけど・・・?」
「・・・・でも、結婚となるとそうもいかないでしょう?」
「ああ・・・そう、だよね。その、なんて、言うか・・ボクは、そういうの・・縁がないと言うか、あまり、家とかそういうのよくわからないから、・・・ごめん。そうだよね、結婚は本人同士の問題と言っても、お互いの家に、家族が居て、・・・簡単じゃないんだよね」


そういう”常識”に疎いジョーは、曖昧に笑いながら、美奈子のいれたお茶をすすった。


「まずは、当人同士の気持ちだけど、・・・それで、奈々子がそれでいいなら、私の意見なんていらないと思ったのだけど」
「・・・会って欲しいと」
「どうしても会って欲しいって、両親に合わせる前に・・・」
「そうなんだ・・」


妹の話しをしている間に、少しずつ落ち着きを取り戻し始めた美奈子は、自分に暗示をかけるように、ここは研究室。と、胸の中で呟き続ける。


「早い方がいいみたいで、でも、私1人で会うのはなんだか怖くて・・・。まさか、奈々ちゃんが、って・・信じられなくて、もちろん。今までに、妹の彼氏に会ったことあるけど、偶然に会ったって言う感じばっかりで」
「今回が初めて、なんだね?ちゃんと”会って欲しい”っていわれたのは」


美奈子は頷いて、正座していた足を崩した。


「・・なんだかんだ言って、先延ばしにしていて、そんなことを湯田さんに、話しの流れでぼやいたの。そしたら、ダブル・デートでもして固くるしい場を設けずに気楽に会えばって言ってくれて・・」
「・・・・・それで、ボクに?」


驚きも混じった声のジョーだったけれど、次の美奈子の言葉に納得した。


「りか子でもいいかなあ、って思ったけど、それだと、奈々子の彼氏さんの方が敬遠しちゃうかな?って、思って、同じ年くらいの島村くんなら、彼も気軽にセッ知られて大丈夫かと思うし、それに、男の人の意見も聴きたいし・・・私にそういう人がいたら、いんだけど・・・いない、から、今、は・・・・」


不安そうに、空になった湯のみを両手に包んで持ち上げたり、手のなかでまわしたりする美奈子の様子を見て、美奈子が思い悩んでいることが手に取るようにわかる。


「いいよ、水沢さん。ボクでよかったら」
「!」
「また、ちゃんとした日を教えてくれるかな?週末だと都合がいいけれど、早めに・・・」
「いいのっ?」
「それくらいなら・・・、ボクでお役にたてるならね。でも、」
「?」


ジョー振り返るようにして投げ出すように置いていた丹前を手に、その袂をまさぐる。


「良かった。くるくる♪の準備とか言って、湯田さんが水沢さんとボクをわざと2人きりにさせないといけないような意図があるのかな、って、すごく緊張しちゃったよ!」
「!」
「もしかしてって」
「もしか・・し・・て?」


どくん。と、ひときわ大きく、鼓動を打つ、美奈子の胸。


「フランソワーズがボクの知らないところで、とんでもない迷惑を水沢さんにかけししまったか何かで、怒られるんじゃないかなあと・・・、今日だって京都タワーの展望台も、レストランもフランのせいでキャンセルにしてしまったし、・・・ね」
「迷惑なんて・・・」


のんきに微笑みながら、取り出した携帯電話に登録してある湯田の番号を押した。


「フランソワーズのことで何かあったら、彼女についての全ての責任をボクが取るつもりだから・・・」


押し寄せてきた哀しみに握りつぶさそうになる、美奈子のこころ。


「島村くんが、・・・どうして?」


震え出した手から湯のみを離し、瞳に浮かび上がった涙がこぼれおちるのを必死で我慢する。
目の縁にたまっていく、それらを散らすかのように、何度も瞬きを繰り返しては、温まっていたはずの体が冷えてしまっていたことに気がついた。


ジョーは呼び出し音を耳に捉えながら、美奈子にむかって言った。


「フランソワーズとずっと一緒にいたいから、当然そういう風に・・・あ・・・湯田さん?・・・・もしもし?島村です」











---駄目だってわかってる。・・・・・・でも、それでも、あと、もう少しだけ・・・、この気持ちを打ち明けるだけの勇気に、思い出が欲しいから。
















ジョーから電話がかかってきたとき、湯田は柄にもなく緊張してしまった。
電話の通話ボタンを押すと同時に、体は自然とフランソワーズから距離を取る。


「終わったか?」
「終わるも何も、ないんですけど?」


ジョーの落ち着いた声が湯田の耳に届く。


「何もない、か・・?」
『湯田さんが水沢さんの妹さんのことについて相談に乗っていたことは、わかりました。ボクも協力します。でも、わざわざ外に出なくてもいいじゃないですか?・・・くるくる♪の準備なんて、どうしろって言うんですか?』
「しまむらあ・・・・」
『とにかく、すぐに戻って来てくださいね、今どこですか?フランソワーズに薬を飲ませて、休ませたいんで・・・』
「・・・・・本館、温泉。今から戻るから、そこにいろよ」


ジョーのセリフは、湯田には宇宙からの意味不明なメッセージと同等のものだった。が、”水沢の妹”と言う単語に、1ヶ月ほど前に美奈子がぼやいていた内容と、自分が彼女に言ったアドヴァイスを思い出した。


---・・・・そうかあ・・・・そういうことねえ・・・・。



湯田の声にすぐに反応したりか子、千里、そして、2人に連れられたフランソワーズの4人は、別棟から徒歩5分ほど下った場所にある本館に来ていた。

泊まり(部屋持ち)の客でない温泉目的の客は入浴用のチケットを購入しなければならない。
時間的に外部からの入浴の受付は終わっており、泊まり客のみの使用となっていたけれど、4人が別棟に泊まっている学生だと言うと、すんなり入浴を許してくれたのは、オオガミの姉である”女将”。


温泉は意外にも多くの泊まり客で賑わっていた。

別棟の温泉を利用していたのは、女子学生8人のみ。
フランソワーズは予想以上の人の多さを目にして尻込みしてしまい、入り口前の待合室と娯楽室がいっしょになった広間で待っていると言った。
一人きりにさせるわけにもいかず、連れて来た責任から湯田もフランソワーズにつきあうことにすると言うと、フランソワーズは、それをやんわりと断って、湯田も本館の温泉を楽しんでください、と進める。


そんなやりとりの合間に、湯田の携帯電話にジョーから電話がかかってきたのだ。
別棟の部屋から出て、20分ほどしか経っていない。

湯田は女性3人から離れて電話を取ったが、その意味もなさないままに話しは終わった。
わざわざ”女将”に温泉入浴の許可をもらったのになあ。と、溜め息を吐きながら、湯田は通話を切ると、3人が座る、庭が眺められる位置に置かれた長椅子へと戻った。

自然をそのままに活かした庭は、秋の終わりにともなって少しばかり淋しさを伴うが、地に這うように添えられた灯籠の灯が、ふうわりと去り際の紅を紺色の空に浮かび上がらせている。

フランソワーズは、ただ黙ってガラス戸を挟んだ向こう側の世界を見ていた、その背にむかって湯田が声をかけた。


「戻っていいみたいだ」
「「・・・・・」」


フランソワーズは湯田の声に、長椅子から立ち上がり、彼と向かい合う。
湯田の様子を窺っていたりか子、千里は顔を見合わせて、視線だけでお互いの口から出ない言葉に頷き合った。
美奈子は”何もアクションをおこさなかった”のだ、と。



美奈子は気持ちをジョーに打ち明けることができなかったのだろう。
何か、都合の良い”話し”で、その場をやり過ごす事にしたのだろう。




事は急だったし。と、りか子は深く息を吸い込んで一度胸にためてから、吐き出した。


---美奈子らしいと言えば、美奈子らしい。けれど・・・・。


「せっかくここまで来たんですからね!入浴許可ももらったし、私は入っていきますから」
「いいのか?」
「いいんです」


---今戻ったら、なんだかまた・・・おせっかいなこと言って、美奈子を追いつめちゃう気がするから。


夕食後の温泉で、たまった美奈子の気持ちを耳にして、決めたこと。
りか子は、もう、美奈子の恋について自分の意見を言わないことにした。ただ、彼女の想いの聞き役に徹する事と。
今会えば。多分、余計なおしゃべりをする口が勝手に動き出すだろうと考えて、少し間をあけた方がいいと考えた。


「りか子先輩がそうなら、私もそうします」
「そっかあ・・、アルヌールさん、ここで待ってる必要がなくなったね。戻ろうか?」
「あの・・・湯田さんは?」
「アルヌールさん1人でかえしたら、島村が怒るだろうからなあ。送って行きます。5分くらいだし、また戻って来ても良い。もしかしたら、あっちの2人もこっちの温泉に入りたいかもしれないから、誘ってみようかと・・」
「電話で聴けばいいじゃないですか?」
「アルヌールさんが入らないんじゃ、島村もだろうからなあ」


湯田の声に、フランソワーズは薄く下唇を噛んだ。。


「わかっていて誘うんですか?」
「アルヌールさんが薬を飲んで休んだ後なら、大丈夫かもってな。心配してたよ、電話で」


フランソワーズは会話を止めるかのように庭へと視線を移した、その横顔に、湯田は励ますつもりで言葉を続けた。


「島村は心配したいんだから、させといたらいいんだよ。島村のアレはもう”癖”のようなもんだなあ」
「く・・・せ・・・?」
「それくらいに、島村はアルヌールさんのことを思ってるんだよ」


千里はフランソワーズの反応をみる。


「それくらい・・・アタシは・・ジョーの、迷惑に、負担になっているのね?」
「いや、そうじゃなくて・・・・」


りか子はフランソワーズの言葉に驚いた。
湯田は逆の意味に取られたことに戸惑いながらも、会話を別の方向へと誘導しながら、フランソワーズの背に腕を添えた。


「・・・・じゃあ、稲葉と原は温泉楽しんでくれな。アルヌールさん、行きますよ。向こうにつくまでにちょっと耳にいれておきたいこともあるし・・・」
「?」


湯田はフランソワーズの背を押すようにして、その場を離れた。
2人が去るのを見ていた、りか子と千里。


「戻った方がいいのかな・・」
「戻った方がいいような・・・」








####

携帯電話の通話を切って、どれくらいの時間が経っただろうか。

部屋のドアのノックが聴こえた。
戻って来たのだろうと、美奈子がドアをあけるために立ち上がると、ジョーもテーブルから離れた。
フランソワーズの荷物が入っているピンクとグレーのツートンカラーであるトートバックのチャックをあけて、中からプラスティック・ケースを取り出すのを、美奈子は視界の端でみていた。


「ジョーっ!!」


部屋に入ってくるなり、フランソワーズは悲鳴に近い声を上げて、ジョーへと駆け寄った。


「フラン?」


ジョーは何事かと、膝を畳から離してプラスティック・ケースを手にフランソワーズの方へと振り返りながら立上がった。


「ジョーっ、」
「どうした?!」


立上がったジョーの胸にフランソワーズが飛び込む。
ジョーの全神経がフランソワーズに集中する。

手から、持っていたプラスティック・ケースが落ちた。


「ジョー・・・っ」
「フラン?!」


胸に飛び込んできたフランソワーズの衝撃を受け止め、腕に抱いた彼女と、その状況を把握する。


「ジョー、ジョーっ・・・っアタシっ!」


フランソワーズが怪我をした様子はない、熱もあがってはいないことは、抱いた躯の温度ですぐにわかった。

この部屋を出ていった時と何も変わっていない。
変わっているとすれば、りか子が持って出っていったコートを、今、彼女が着ていることくらいだ。


「フランソワーズ?!」
「ごめんなさいっ」


部屋に入ってきたフランソワーズと同行していた湯田、そして、その背後にいるりか子、千里の3人へとジョーは何があったのか訊ねるように視線を向けた。美奈子がひどく動揺している姿が同時にジョーの視界にはいる。


「・・アタシっ」


本館にいると言った。
温泉。と、湯田はジョーに言った。



躯のこと、サイボーグ。と、ジョーの脳裏にぐるぐるとまわる”最悪の自体”。

自然に、フランソワーズを抱く腕に力が入る。
とにかく、自分は冷静にならなければ、と、深く息を吸い込み、吐き出した。


「落ち着いて、せつめi」
「説明なんて出来ないわっ、だからっ」


しゅる。と、耳に届いた気持ちよい布ずれの音。


「フラ、ん?」


ウェスト部分に感じていた圧迫が解かれる。


「”逃げる出ない!”なのっ」


どこかで聴いたセリフ。と、同時に腕の中にいたフランソワーズの躯が、手に何かしっかりと持って、右足を大きく後ろにひいた。


「アルヌールさん、思いっきりひっぱれ!」
「”よいではないか♪よいではないかよ!ジョー♪」


解放されたと思った圧迫感が、戻り、さらに強く締上げられた。


「!」
「ご無体な~♪」


003の腕によって、ぐんっ。と引っ張られた。


「なっ何っふっらっ?!」
「”そおおれ!ソチも楽しめるのよ♪”」


引っ張られた方向から逃げるように躯が回転する。


「”そおれ、そおれ♪”」
「っっうわっあああっと、とっとっ」


くるり、くるり、と、温泉宿の短い帯で3回転半。




とめようと思えば、とめられたのにも関わらず。


されるがままに。
なされるがままに。

引っ張られるがままに、ジョーの躯が回転する。


するり。と、帯がジョーから離れてフランソワーズが引っ張った勢いに宙を舞う。
はだけた浴衣から、見事にバランス良く鍛えられたジョーの躯が眩しく歴史ある今日の晩秋の宿に舞う。


どん。と、尻餅をつくように倒れた、ジョーが一言。


「・・・・・・・・・”おやめください、フランソワーズ代官さま”」


満面の笑みで、ジョーの帯を手に持ったフランソワーズが、尻餅をついたジョーの隣にぴょんと、腰を下ろした。


「ソチも悪よのう!」


ぱたん。と、ジョーは後ろに倒れた。


「違う・・・フランソワーズ、間違ってる」


ジョーは仰向けに倒れた状態で、ギルモア邸よりもかなり低い天井を仰いだ。


「誰も助けに来ぬわ、堪忍せい!」
「もう、堪忍してます・・」


ジョーの視界は、花のように愛らしいフランソワーズの笑顔だけとなる。


「この印籠が目に入らぬか!」
「どこにあるんだよ・・・」


セリフと一緒に、ころころと、その表情が変わる。


「天下御免の向こう傷!」
「成敗されるのフランなんだけど?」


だんだん、方向がずれてくる。


「事件は会議室で起きてるんじゃない!」
「・・・ここ、旅館だよ・・・それに、時代劇じゃない」


いつのドラマだよ、と。突っ込みをいれつつ。


「スケ番まではったこの、私がっ何の因果かマッボの手先!」
「まわすけど、ヨーヨーだし。・・スケ番って・・・知らなかったよ」


だんだん頭痛を伴ったように苛ついてきた。


「じっちゃんの名にかけて!」
「名にかけて、まわすの?帯、まわすんだ・・・違うし、それも」


声に張りがなくなってくる。


「立て!立つんだ、ジョー!」
「ジョー違い・・・・・・・フランソワーズ。それ、全部違うから。・・・・・・・・・ついでに、”ご無体な”は、ボクのセリフ・・・」


もう、なんでもありの状態。
似るなり、焼くなり、好きにしろと言わんばかりに大の字に寝っ転がったままのジョー。


「間違ったちゃったのね?」


綺麗にととのっていたフランソワーズの布団が乱れてしまったのを背に感じた。


「・・・はい、ほとんどね」


湯田の笑い声。
千里の、御見事!と言う褒めの言葉。
りか子が呆然とする美奈子に説明するために彼女に耳打ちする。



本館からここへ戻ってくる間に、湯田が、フランソワーズに打ち明けた”作戦”。




”・・・くるくるは不意打ちでがいいと思うんだけど。どうかなあ、心配性の島村を逆手に取って、で?”





「・・・・・楽しかった?」
「ええ!とっても素敵なくるくる姿だったわ、さすがね?」
「・・・・・・・・・・・・・褒めてくれて、ありがとう」


ジョーは、はだけた温泉浴衣の前を合わせ、左手でそれを押さえながら、ゆっくりと起き上がった。


「湯田さんの言う通り、すばらしい”もの”(躯)ですね・・・」
「みあっただけの”素晴らしい”は隠れてるからな、それは公共の場では無理か、さすがに」
「あの童顔、可愛い系からはちょっと想像し難いけど、それが不釣り合いじゃないのが不思議だわ」


口々に好き勝手なことを言う観客を無視したジョーは、フランソワーズの方へと躯を捻る。


「フランソワーズ」
「ねえ、次はアタシね!」
「フランソワーズ」
「ね?」


ジョーは溜め息を1つ、大げさについてみせてから、むにい。と、フランソワーズの頬を軽く、自分の躯を支えていた右手を使って抓った。


「・・・本気(マジ)で心配したんだけど?」
「あ・・・、でもね、だって・・・ジョー、全然くるくるしてくれる様子がなくて、それで・・・」


摘まれた頬のままフランソワーズは、言い訳をする。


「!」


フランソワーズの頬を摘んだ指に、きゅ。と力が入った。
痛くはない、けれど、フランソワーズは黙ってしまう。


「くるくるなんて、いつでも出来る。・・・あんな風にしなくても、いいだろ?」
「・・・・」


湯田の笑い声が消えた。
千里がりか子をみる。
美奈子は、じっとジョーをみつめていた。
りか子は、そっと美奈子を支えるように、彼女の背にふれた。


「キミに何かあったのかって、何があったんだって、ボクの目が届かない間はボクは何もできない。”視えない”し、”聴こえない”んだから。間に合わないんだから・・・、本当に、後悔して・・しまう・・・・・・怖いから、二度としないで、くれよ・・・」
「・・・ごめんなさい」
「本当に、何もなかったんだよね?」
「ないわ・・アタシは、大丈夫よ」
「キミが大丈夫かどうかは、ボクが判断する」
「ジョー、そんなに心配しないで、それに、・・・これからは迷惑かけないように、ちゃんとあたs」
「迷惑じゃない、どんなにフランソワーズが迷惑をかけた、って思っても、それはボクにとって迷惑なうちにはいらない」


ジョーは、抓っていたフランソワーズの頬から手を離すと、その手を彼女の額にあてた。


「・・・・コート着てる必要ないだろ?脱いで、薬を飲んで、休む。はしゃぎすぎだよ」
「もう、大丈夫なの」
「だから、ボクが大丈夫かどうかを判断する、ほら、布団・・・直すから帯かえしてくれる?」


フランソワーズの手から、帯を受け取ると帯をつける。


「ジョー・・・・怒ってるの?」
「・・・・・・・・・・・どう思う?」


帯をつけたジョーは腰を上げて、乱れた布団を整え始めた。


「あ~~~~・・・島村、なんて言うかなあ、オレがアルヌールさんに」
「湯田さんが言ったとしても、実行したのはフランですから」


ぴしゃり。と、湯田の言葉を遮った。


「ジョー・・・あの」
「ボクが怒っても怖くないんだろ?」
「怒ってるのね?」


ふうっと、吐き出したジョーの溜め息に、フランソワーズは滅多に怒ることのないジョーが、怒っていることを知った。


「・・・・・・・・二度と、するな」


呟いた、低く、擦れた声。



もくもくとフランソワーズの布団を整えるジョーを見つめる、フランソワーズ。
どうしようもなく、その場に固まって立ち止まったままの、湯田、千里、りか子、そして美奈子の4人。


「・・・・・・・・・あのね」
「なに?」


フランソワーズに背をむけたまま、答えた。


「アタシはもっと綺麗にまわれてよ?」


浴衣の袂をつん。と引っ張った。


「・・・・・・・・知ってる、舞台で、まわってるのを観たことあるから」


また、ジョーの袂を、つん。と、引っ張った。


「それでね」
「なに?」
「・・・・・・・・くるくる、ジョーはとっても素敵だったわ」
「それは、どうも」


つん。つん。と、続けて袂を引っ張った、フランソワーズにむかってやっと、ジョーは振り向いた。


「怖くないわ、ジョーが怒っても・・・でも、とっても悲しいわ・・・・それでね」
「・・・」


眉の端をはちの字にみえるように下げて、なんとなく窄められた唇は、溢れ出そうとする1つの感情に耐えていた。
その証拠に、フランソワーズの青が揺れている。





---ちょっと嬉しかったりするの・・よ・・・・・










ジョーは落ちていたプラスティック・ケースを手に取り、フランソワーズに差し出す。


「どうしたらいいの?」
「部屋なんだからコート抜いで・・・」
「ジョー、アタシはどうすればいいの?あなたを怒らせてしまった、アタシは、どうすればいい?」


受け取ったプラスティック・ケースを両手で受け取る。


「・・・・そうだね、次回の温泉では今度、ボクが御代官役だって約束してくれるなら許してあげる」


再びフランソワーズに背をむけたジョー。
その首筋が少しずつ朱色をさしていく。


「今でもいいのよ?」


すうううっと上昇していく朱色。


「それは、・・・無理」
「どうして?」


朱が紅にかわっていく様は、早送りでみる紅葉の染まり具合に似ていた。


「・・・・・1日1回しか駄目なんだよ、くるくるは、そういうルール」
「そうなの?」
「そうなんだよ」


耐えられなくなった湯田の笑い声が再び部屋に漏れ始めた。
その声に、フランソワーズは湯田の方へと振り向く。

その瞳は、”1日1回しかできないの?”と問う。



「その通り。・・・1日1回だけだから、次回はアルヌールさんの番だね。今日はもうこれでお開き!」


ぱんぱん!と、湯田が柏手を打つように、手を叩いた。












「怒るとはなあ・・あれくらいで」
「・・・本気で驚いたんですからっ」

フランソワーズに薬をのませて、彼女が布団に入ったことを確認した後。


「まあ、そういうなって・・・せっかくの旅行なのに、洒落がわからんヤツだ」
「洒落もなにもっ・・・・・、フランソワーズのことを思うと、そんな余裕ないです」


部屋に戻る廊下で、湯田はジョーをからかう。


「余裕ないわりに・・・・、あそこで”次回”の約束、しかも”御代官役、ご指名”とは、上手いもんだ!」
「いや、それはっ・・・ああでも言わないと、フランが・・・」
「言い訳するなって。みんなの前でさすがに、彼女を”くるくる”するのは辛いかあ・・・あの勢いだと、なあ。でも、オレとしてはとてつもなく、惜しいことをした・・・・。原が言うのことが事実かどうか、確かめるチャンスを、奪われたんだからな!」
「っ!見たかったんですか?!」


キッと、ジョーは湯田を睨んだ。
湯田は、負けじと意地悪く睨み返す。


「もちろん、二股かける男なんかにはもったいないからなあ」
「二股?!」


一瞬にして、形勢逆転。
ジョーは湯田の言葉に目を白黒させて驚く。
その表情に、湯田は眼の力を抜いて、真面目な顔で言った。


「水沢に協力しておきながら、アルヌールさんをキープって贅沢だなあ、・・・たらし慣れている」
「た、たらし?!」


ショックだったのか、ジョーの足が止まった。


「それが島村の本性か?」
「二股なんてっ!!!そんなっのっ違いますよっ!!湯田さんの勘違いですっ」


止まった足が、前の歩調よりも幾分早めに動き出す。


「それなら、水沢に期待させるようなこと、するな」


ジョーの背にむかって、今までの歩調のまま言った。


「は?・・・期待って、別に・・・そりゃあ・・その、ボクのような人間に”人を見る目”があるかどうか、と、言われたら自信なんかないですし、どちらかと言えば、水沢さんは湯田さんに頼むべきだとは思うんですけど・・・」
「オレじゃ、相手を怖がらせるかもなあ・・・」
「湯田さんを怖がるなんて、ないですって。・・・だから、ボクはボクなりに、ちゃんと妹さんの彼氏さんに会って、ボクが受けた印象をきちんと水沢さんに報告するんです。旅行中だと言うのに、そのことが頭から離れなくて、元気がなくなるくらいに悩むなんて、本当に妹さんを思って・・・水沢さんは家族思い、妹思いなんですね」
「島村?」
「どうしたんですか?」


ジョーは、湯田と同室である部屋前で、手にもった丹前の袂をさぐる。
そこに携帯と一緒に部屋の鍵が入っているからだ。


「・・・・・オレの言ったこと、全然わかってないよな?」
「あれ、鍵が・・」
「はっきり言うぞ。・・もっと水沢を注意してみろ」
「ん、あった!ありました・・・よかったあ、無くしたのかと・・・」
「聴いてるのか?」
「え?・・聴いてますよ?水沢さんに注意って、そんな必要あるんですか?彼女なら大丈夫ですよ、妹さんのことが気になって色々とあるみたいですけれど、結婚すると言う事自体は、とても”おめでたい”ことなんですし、お姉さんとして、責任を感じてるだけで、いつもの水沢さんと変わりませんって」
「・・・・・・島村・・」
「あ・・もしかして」
「なんだ?」


ジョーは鍵を差し込んでゆっくりと捻る。


「・・・・・もしかして湯田さん、水沢さんのことを?そうなんですか?!」


ドアを開ける手が止まり、湯田を見た。



---どうして、そこだけちゃんと反応できるんだあ?!


「島村って、アルヌールさんと似てるんだな」
「ええ!?」




似ていると言われて、ジョーの本音は、嬉しいような、悲しいような。


しかし、”嬉しい”が勝ったのか、みるみるうちに紅く染まっていくジョーの顔。
そんなジョーの紅を目にしてしまった湯田は、それ以上のことをジョーに言わなかったが、ジョーの方は湯田が水沢美奈子に思いを寄せているのかどうか気になり、なかなか眠れなかった。












####

翌日の朝。

曇り硝子を1枚挟んだような景色だった。
さらさらとした雨は霧がかるように、すべてを濁らせている。
濁らせる、と言う響きよりも、滲ませる。の、方がいいかな?と、乾燥していない部屋の空気をゆっくりと肺に送りながら、寝ぼけた頭で考えた。

目に見える木々の紅に吸い込まれて消えていく繊細さに、本当に雨なのかどうか疑問に思えた。

同室の3人はまだ眠っているために、足音を偲ばせて、そっと開き戸を左から右へと押す。
躯ひとつ通るだけでの隙間をつくって、滑り込ませた。

昨日とはうって変わって冷えた空気が、部屋に入り込む。


縁側に出て、後ろ手に開き戸を閉める。
足を一歩踏み出すと、みかけよりも重い躯に、ぎし。と、床が軋んだ。


気にする事無く、足をすすめて、世界を内と外に隔てる1枚を利き手でそっと左へと押し滑らせた。
からからと鳴る玄関の扉のような音もなく、内と外の境界を無くした。


「・・・滲むより、濁るの方がいいかなあ」


水墨画に色があれば、こんな感じか?と、思うけれど、それなら水彩画?と、1人で突っ込んでみる。


下書きされた線があるような、ないような。
色が枠から濁り出ている。

現実的にはあり得ない。
色は、”形”に載っているものである。その形からはみ出すことはない。


あり得ない事が、見えている。
機械の視界でありながら、”見えて”いる。


現実にはあり得ない。
”形”から濁り、滲んだ、ぼんやりとした絵の世界。


「こんな風に見えるんだ・・・」


腕を伸ばすと、いくつもの雫がジョーの腕に振り降りた。
透けることなく、通りすぎることなく、その腕の上に落ちる。


「雨が降ってる・・・」


腕をひっこめると、雨雫が伝い、肘から縁側の床に落ちた。


「・・・」


確かに湯田の言う通りに、旅の余興であったと思えば、あの場面で機嫌を損ねてしまった自分はかなり大人げなかった。と、反省する。
その場の雰囲気を取り繕うように、最後は湯田のお陰で場は和やかに終わったけれど、フランソワーズにこの旅行が良い思い出になったとは言い難い気がした。


しかし、最終日の今日は一日中、K大学校内。



---今日の講演会はけっこう楽しみにしていたんだけど・・・。



個人的にDr.スティットに興味があるだけだった。

フランソワーズは今回の旅行のゲストで、学生でもないために、はっきりと言えば今日のスケジュールはまったく関係ない。自分も研究室に雇われているとは言っても、雑用バイトであるために抜け出しても問題ないかもしれないと思う。

様子をみて少しの時間でも観光の続きができないかと、考え始めたとき、ドアをノックする音が聞こえたので、ジョーはそちらへと向かった。










####

「怒ってないよ!」


天気が下ったように、フランソワーズの気分も下り坂。


「・・・・嘘」
「本当だよっ」


遊覧船乗り場に、朝、8時30分に集合だった。


「怒ってるわ・・・」
「いや、違うって、たまたま、ほら、雨の音にさ、ね?」


身支度を早めに整えて、フランソワーズは7時30分少し過ぎた時間に、ジョーのいる部屋を訪れた。


「雨の音くらいで起きるの?なら、どうして、いつも起きられないの?」


しかし、ジョーは、フランソワーズに起こされることなく、起きていたのだ。


「なんていうか、眠りが浅かったって言うか・・・」
「まだ怒ってるから、気持ちが高ぶっていて眠れなかったんじゃなくて?」


それをフランソワーズは、昨夜の出来事を未だにジョーは怒ってるせいだと言う。


「朝ご飯、何がいい?」
「お腹空いてないの」
「~~っ。そんなことないだろ?朝は絶対食べる派だろ?・・・ボクは怒ってないって、本当に、怒ってないっ、ごめんっ。昨日はごめんね?」
「・・・・・・・ジョー、怒ってる」
「怒ってない!、ぜんぜん怒ってないっ。頼むよ・・・そんな泣きそうな顔しないで」
「だって、ジョーが怒ってるんだもの」


下唇を押し上げるようにして突き出した唇が、フランソワーズの機嫌が拗ねている証拠。


「だから、怒ってないって、ボクは言ってるんだよ?」
「ジョーを怒らせちゃったの、博士に知られたら、・・・博士、きっとアタシのこと嫌いになられるわ、呆れられて、きっとたくさん叱られちゃうのよ・・・。ちゃんと旅行中はいい子にしてるってお約束したのに、1日目で泣いちゃうし、熱も出しちゃうし、ジョーを怒らせちゃったですもの・・・・」
「ない、絶対にそれはない。・・・逆に、なんでフランソワーズに怒ったのかってボクが博士に怒られるって・・」


いつの間にか雨は止み、その名残が、色の変わった地に残るのみ。


「博士に怒られちゃうのよ、アタシ」
「ない、絶対に、怒らない・・・。心配しなくても、博士には言わない、ボクは怒ってないよ」
「でも、お薬が減ってるし、ジョーも怒ってるの」
「それくらい、なんともでも言えるから、心配しなくていいよ、ね?フランソワーズ。だから怒ってないって」


集合時間を前に、集まった学生たちが2人の様子をちらちらと観ていた。
その中に、りか子、千里、湯田も含まれる。

美奈子はオオガミ、サガミ両教授が泊まる本館に寄っているために、この場にはまだいなかった。


「・・・ジョー」
「怒ってないよ、本当に」
「本当に?」
「ボクが言ってるんだから!」
「本当ね?」
「本当だよっ」
「・・・・じゃあ」


信じられないわ。と、語る青の眼差しを向けたままフランソワーズは、はい。と、フランソワーズは軽くこぶしを握り、小指だけをたてて、ジョーの前にだした。


「指切りね?」
「え?」
「ジョーがもう怒ってませんって、怒ってたら嘘ついたことになるのよ?」


少し使い方を間違っている気がしないではないが、もう、なんでもいい。と、それで気が済むなら、機嫌が直ってくれるなら。と、ジョーはフランソワーズの小指に自分のを絡ませた。


「ゆうび切りー、げえええんまぁあああぁん♪」
「fr・・?!」
「「「「「「「「「「「「「「「「?!」」」」」」」」」」」」」」」」」」


謡いだしたフランソワーズの、調子が外れた。を超えた、いったい何のメロディーなのか、どこかの宇宙人(この場合は、ジョー?)と交信中?と問いたいくらいの新感覚、指切りげんまんソングに、その場にいた全員の視線がフランソワーズに集まった。


「ウソ♪つうううううういたあああぁらぁ♪はりぃ、千ぼおお~おんっ♪ノマスーーーーーーっ!」
「・・・フランソワーズ」
「指切ったの~♪」


ぶん!ぶん!と奇妙なメロディーにあわせて揺れて、繋がれていた小指が離れた。


「・・・メロディー、そんなの、だっけ?違うと、思うんだけど・・ボク」
「んふ♪だって、みんなと一緒なのも素敵だけど、新鮮さも必要と思ったの!日本風なのよ」
「・・・・・斬新だね」
「色々歌ってみて、一番いいのを選ぶのよ」
「・・・・・新しいね」
「ちょっとアタシ音痴なのだけど、これくらいなら気にならないわよね?」
「・・・・・・・(ちょっと!?)うん、気にならないね」


とにかく、フランソワーズの機嫌がよければそれでよし。な、ジョーの姿勢に、湯田は男気を感じて拍手を送りたい気持ちになる。


「あ!」
「どうしたの?」
「今度のくるくる♪の分も指切りしておかなくちゃいけないわ!」
「っ、いいよっ!」
「駄目よっ!」


ほら!と、再び小指を出され、仕方なく、また、小指を合わせた。



「ゆっっっびきいいりいい!!!げんマンっっんんんんん~~♪うそお、うそおうそおおおおうおう、ついたらあああ~xっっぁあああ、はりいいいを、はりいいをハリぃぃぃぃをっっっっおう!飲ますっのよおうおうう♪」
「・・・・・・・・・・・それは、何?どこからきた?・・もしかして逆に才能がある?」





湯田、千里、りか子は、ジョーとフランソワーズがいる位置よりも保津川沿いに近い位置にいた。
その距離は2mも離れていないために、しっかりフランソワーズ作曲の指切りを聴いていた。


「アルヌールさんって、ホームシックといい、くるくる♪といい・・あの食欲に、・・・色々と奥が深いですね・・・。水沢さんがいないから言えるんですけど」
「なに、千里ちゃん」
「・・・・興味が尽きません。私、男だったら夢中になってるかも・・・今もかなり、気になってはいるんですけど」
「ほんのちょっぴり千里ちゃんの意見に同意するわ・・・初めの印象とえらく変わってきたから、慣れてきたってこと?」
「でも、初めの印象とまったく違う事はないし、島村くんがいないと、その容姿のイメージ通りで・・・・でも、なんて言うか・・・」
「島村くんと一緒のときの彼女って、すごく」
「「面白くて可愛すぎ・・・」」


りか子と千里の声が重なる。


「観ていて飽きないよなあ、・・・美人は3日で飽きると言うが・・・あのキャラじゃ飽きさせないなあ」
「それに振り回されている感じの島村くんが可愛いし、研究室の”なんでもオールマイティな親切くん”じゃなくて、あたふたする必死感がなんとも言えませんね、アレはまた新しい女性ファンを増やす要素です・・・・・異常なほどに一途で周りが見えなくなるくらいの純情さも、ポイント高いですね」
「千里ちゃん、そこの部分は言ったら駄目よ?」
「・・・・水沢さん、大学辞めたりしませんよね?こんなことくらいで」
「どっちかと言うと、辞めるなら島村だろ、アイツはそういうの卒なくできそうだしなあ。でも恋愛のすたもんだくらいで辞めるか?普通」
「辞めるんですよ、最近の若者は」
「原・・・若者代表なような原からそのセリフが出るとは・・・・」


湯田は黙ってしまったりか子に視線をむけた
ふっ。と、りか子の瞳が陰ったのがみえた。


誰がどう見ても、美奈子の望む結果は生まれない。
本当に奇跡でも起きないかぎり。


夜中に、りか子の携帯に届いていたメールは美奈子からだった。


”時間がいるみたい。でも、それは諦めるのじゃなくて、ちゃんとりか子が言う通りに、がんばってみる”

妹のことと、彼がその”ダブル・デート”に”妹思いの水沢さんのために”と、引き受けてくれた報告が書かれていた。



まだ一言も、りか子はその事について美奈子と話しはしていない。




「何かを学ばなければいけない時期なんじゃないか?恋愛は人を変える。深くもすれば、浅くもする、良い事へも導けば、悪い方向へも走り出す。複雑に思えて、シンプル。そんな感情の波に揺らされている間に、知らなかった自分の一面が見えてくる・・だろう?この世に恋愛のプロなんていないんだからなあ・・・・。間違っていたってそれが間違っていると言う決まりはない。親友なら、そのまんま応援しておいてやれな?」
「・・・・はい」


集合時間少し前に、オオガミ、サガミ両教授と一緒に美奈子は船乗り場にやってきた。
全員が揃っているか点呼を取り、遊覧船に乗り込む。

K大学人類学部研究会11月例会を兼ねる中で開かれる、ブラウンダイズ・ユニバーシティのDr.スティットの講演会に参加することが、目的でおこなわれた慰安旅行。

講演会の場所は、K大学、総合研究棟1号館、1回小ホール。

阪急線を使い、河原町駅から市バス、K大学正門前まで。
通学ラッシュを運良く抜けきった時間帯だったために、一般交通機関を使っての団体移動であったにも関わらず、河原町まで辿り着く。
さすがにバスは全員一度に乗り切れないだろうと言い、オオガミ研・サガミ研と別れて乗車することになった。




10時から、K大学院生の発表。

12時に終了予定、参加者たちの交流を兼ねた立食会。

2時からブラウンダイズ・ユニバーシティのDr.スティットの講演会。

5時には終わる。




新幹線の時間はのぞみ42号700系博多発、京都駅18時51分着。
終点、東京駅には21時21分到着予定。







####

「指定の新幹線の時間に乗ってくれれば良いから、せっかくの京都だし、アルヌールさんを一日私たちと行動させるのはちょっと可哀相だと思ってね。気にしなくていいから、島村君、どこか連れて行ってあげなさいな!」


オオガミは、渡月橋近くの船着き場でジョーに話しかけた。
それはまるでジョーのこころの内を読んだかのような内容だったので、ジョーは焦る。


「き、教授?」


オオガミからジョーは”京都2人旅!デートするならココっ!ロマンチック古都の旅特集”と書かれた雑誌を渡された。


「昨日は湯田君たちと一緒だったんでしょ?今日は2人だから、迷子になったり、変な店に行ったりしないようにね?しっかりおすすめな所に折り目付けておいたわよ!あと、ね」


ジョーの手から渡したばかりの雑誌を奪い取り、ぱらぱらとめくる。


「新幹線のチケット、キャンセルするなら早い目にね。そのときは一応連絡入れてちょうだい」
「え?・・キャンセル???」


オオガミは、ジョーの疑問など無視する。


「しっかり観て!ここと、ここと、ここが宿としては素敵なのよお!それと、ここね、ここ!!島村君、ほら、この赤マークが、私のおすすめで、青マークがサガミ教授だからね!」


船着き場から渡月橋を渡り、行きに通った道を戻って阪急嵐山線へと向かう団体の一番後ろに、オオガミとジョーは歩く。

「・・・あ、ありがとう、ございます。でも、ボクたちはK大学に行くつもり、なんですけど?」
「駄目よ、満足に観光してないんでしょ?」
「・・・?」
「昨日は早々に戻って来た上に、アルヌールさんが体調を崩した様子だって」
「あ・・」
「それくらい、”女将”が把握してないと思って?仲居さんが、”モデルみたいにカッコいい学生さん”が”フランス人形のように愛らしい女の子”を抱きかかえて宿に戻るの観てるし」
「あの・・それは、言い過ぎ・・・」
「そういう風に報告されたらしいわよ?それで、島村君とアルヌールさんだってすぐにわかったのよ、目立つものねえ、あなたたち!」
「・・・・・はあ」


遊覧船の送迎に毎回出てくる数人の従業員のうち、1人がジョーがフランソワーズを抱きかかえて船を降りた時に、駆け寄って来たことを思い出す。

疲れて眠ってしまっただけだとジョーは説明をした。けれど、赤い顔をしたフランソワーズは観ただけでも熱があるように思われ、心配するその人に、主治医からの常備薬を持って来ていることを言い、休ませて、症状がよくならないのなら連絡します。と、言ったのを、いまさら思い出したのだ。
その従業員はきちんと、”女将”に報告しておいたのだろう。

そして、それがオオガミに伝わったようだ。
当然の事と言えば、当然に思えたが。


「昨日は所用が重なって、こっちに戻ってくるのがかなり遅かったから様子うかがえなくて、ごめんなさいね。でも今朝の様子だと、元気そうだったから安心したわ」
「すみません。ご心配をおかけして・・・・。初めてのことで緊張していたみたいで・・・ちょっと疲れただけだと。昨日は夕方からゆっくり温泉を楽しみながら休んだので、もう大丈夫です」
「みたいね・・・それで。元気そうなら、せっかくなんだし連れて行ってあげなさいな!」
「・・・でも、ボクたちだけ別行動なんて申し訳なくて」
「私もサガミ教授も許可してるんだから。いいわよ!慰安旅行のゲストを退屈な米国のジーさんのレポート聴かせるなんてそっちの方が心苦しいのよねえ」
「・・・・・・教授」
「好きになさい!別にK大学に来たっていいけど、アルヌールさんには退屈なだけよ?」


ばしばし!と雑誌を丸めてジョーの肩を叩いたあとに、それをジョーの手に渡した。


「とろとろ歩かない!さっさと行くわよっ!先頭を歩いてるの誰なのおっ!ちゃきちゃき行きなさいっ!!」


オオガミは最後尾から学生たちをかき分けて先頭へと向かう途中、2人から離れて前方を歩いていたフランソワーズと少しばかり言葉を交わした。


「フラン」


オオガミがフランソワーズから離れたので、ジョーがフランソワーズを呼んだ。
ジョーの声に振り返ったのは、フランソワーズだけでなく、美奈子も視線だけでジョーを観た。

オオガミの声は大きい。
朝が早いこともあり、交通量も少なく、ひんやりと澄み渡った視界の渡月橋の上。
後方を歩いていた学生たちはオオガミがジョーに話していた大体の内容が聴こえていた。


「ジョー、あのね」
「・・・聴こえてた?やっぱり」
「オオガミ教授はお声が大きいものね!」
「どうする?」


ジョーはフランソワーズの隣に並び、彼女の歩調に会わせて歩き始めた。


「あのね、アタシね・・・」










####

「ビミョーだなあ・・・」

京都駅についたのは6時を少し過ぎたころ。新幹線の発車時刻まで1時間弱。
お土産を買いに、京都駅ビルや地下街まで足を伸ばすのがぎりぎりだろう。


「新幹線に遅れなければ、あとは自由!と、帰りは適当にね~。遅れたら自腹よっ。大人なんだからその辺自己責任で」と言い、K大学内で別れた。
サガミ教授は京都駅まで同行したが、大阪方面に寄るらしく、1人JRに乗って行った。

残されたのはO大学院・人類文化学科の学生の団体。
京都駅までは団体で動いていたが、駅に着くとそれぞれ好き勝手に行動し始めた。
それをイチイチ、秘書である水沢は声をかけたりはしない。
新幹線のチケットは団体・指定券で購入してあるので、乗り遅れないかぎりは、新幹線内で再び全員顔を揃える事になる。


「オレはもう、ウロウロせずに、その辺でコーヒーでも飲んでるから、どこか行きたいなら荷物番してるよ」


京都駅正面口の一角、インフォメーションセンターの壁にもたれた、湯田が言った。

美奈子と千里の2人は駅に着くなり早々に京都○勢丹へ走った。
なんでも、そこには東京では入手できなくなってしまったブランド品の在庫があるそうで、千里は絶対に買ってかえる!!と訴えたのだ。
K大学での研究発表中、千里の友人が、「京都にいるならチェックしてみたら?」と携帯電話にメールで送ってきた情報だった。

即効で京都駅ビルと隣接する京都伊○丹にある店に連絡を取った、千里。
美奈子も欲しかった品らしく、千里から聴くなり一緒に買いに行くと言う。りか子先輩は?と誘ったが、どうやら彼女は興味ないらしく、断った。
それよりも、新しく取りかかろうとしていた論文の候補に上げていたいくつのかのテーマを見直さないといけなくなったことの方が気がかりのようである。

千里はフランソワーズも誘ったけれど、彼女はそのブランド自体がわからなかった。


「急げば、たわわちゃんくらい大丈夫だろ、遅れたら荷物だけはオレが持って帰ってやるよ」
「遅れませんって・・・、フラン、行こうか?」
「ううん、いいの。さっき見えたもの」
「いや、見えたけど・・・上らない?」
「だって遅れたら、タワーの次は新幹線の”上”だもの!」
「「新幹線の上?」」
「っ!・・・・ない、ないよっ!そんなの!!」


フランソワーズの発言に慌てて、ははは。と、空笑いしながら否定するが、実際には”ある”ので、微妙。


「でも、アルヌールさん、せっかくの旅行最終日をK大学で過ごしちゃって、最後に京都タワーくらいいいんじゃない?昨日だって午前中にまわったトロッコと川下りに、人力車で景色を観たくらいだったんでしょ?」


フランソワーズはすぐ隣に立つ、ジョーを見上げるようにしてそちらへと向いた。


「なに?」
「ジョー、ありがとう」


ジョーの顔がほんのり紅くなり、前髪に隠すようにして俯いてしまった。


「いや、別に・・・こっちこそ・・・」












渡月橋で・・・。

「あのね、アタシね・・・ジョーがDr.スティットのファンだって知ってるのよ?」
「!」
「ジョーのお部屋のベッドメイキングに、掃除機をかけたり、誰がしてると思っていて?」
「あ・・まあ。でも、本なんてたくさんあるし」
「でも、お気に入りは、ベッドの左側にある車雑誌の上に重ねるでしょ?」
「・・・・・・なんでそんなこと知ってんの?」
「ふふふ、企業秘密」
「・・・・いや、秘密になってないよ、視てる?」
「失礼ね!ジョーがみんなと話している内容を聴いて、そこにある本を見れば今、何が”お気に入り”なのか簡単にわかってよ?」
「あ、そうなんだ・・・」
「楽しみにしていたのでしょう?」
「いや、それほどでも」
「駄目よ?今、鞄の中にある本、カバーかけてあっても、知っているわ!」


隠しても駄目よ?と、得意気になって言うフランソワーズに、隠しているつもりはないけど。と、言いながらも、なんとなく恥ずかしい気がする。


「・・・彼の、考え方とか、捉え方がなんだか、近い気がして・・・ボクはちゃんと言葉にとか文章にできないけど、ああ、こう言えばいいのか。って思わせてくれるところが、好きで・・。ただ、それだけだよ」
「それを、ファンと言うのよ?」
「ファン、まではいかないよ、ただ、いいなあって思ってるだけ」
「その、いいなあ。を、アタシもね、感じたいの」
「え?」
「ジョーがね、興味があって、いいなあ。って思うのがどういうのか知りたくて、・・・来たんですもの」
「え?な、んで・・?」


何度も、毎日、見ているフランソワーズの花のように明るく、愛らしく咲く笑顔に、ジョーの心臓が鼓動を打つのを忘れる。


「読んでも、さああっぱり解らなかったんですもの!だから直接なら、もう少し理解できるかしら?って」
「・・・読んだ?え?!・・・・読んだの?!」
「ええ!ちゃんと1冊買ったわ」
「買った?・・別に、ボクの部屋にあるのなら、言ってくれたら貸すのに」
「それは駄目よ」
「何が?」
「シークレットに知るのが素敵なの!」
「・・・・・・・・ストーカー?」
「そうね、でも、手品の方が近いかしら?」
「・・・いや、わけわかんないよ」
「アタシが知っていたら、びっくりするかしら?って思ったの」
「うん。驚いた・・・・・ああ。だから、手品、ね」


「だから、K大学へ行きましょうね?それが今回の最重要ミッションなんですものっ!」






誰よりも、世界中の誰よりも、たくさんのジョーを知っていれば、少しくらアタシの知らないあなたがいても、へっちゃらになると思うわ。







ボクが興味あることに、フランソワーズが知りたいと思ってくれる・・・・?
理解する、しないの問題じゃなくて。






この旅行の目的は・・・。
ボクのは、ほんの”ついで”のようなもので。

博士が言うように、フランソワーズのために。だったんだけど。



フランソワーズは・・・・。















「甘えて良いのでしょう?だから、ジョーの好きなところへ、ジョーの好きなことを、教えて?」











自然と、フランソワーズと手を繋いだ。
昨日と同じように。
少しばかり、慣れてきたようで、この旅行中に壊れないかと心配した心臓は無事だった。





今後は、彼女の手を繋がない方が不安で、不安に焦る心臓が壊れないか心配するのかもしれない。







####

発車ベルが鳴り響く。
京都駅ビル内の名店街でお土産を買い足し、飲み物などを購入して新幹線に乗り込んだ。


「たわわちゃんはね、次回のお楽しみにするの!!みんなで展望台に上るわ。ね?」
「春が良いね」
「桜の季節ね!」


行きと同じように、ジョーとフランソワーズは隣り合って座席についた。
もちろん、フランソワーズが窓側に座る。


「ドルフィンでみんなを迎えに行こうか?」
「素敵!!ねえ、また嵐山に泊まりましょうね、オルゴール館!に、どらサ○ヤでしょ、また、このお店にも行きたいの」


昨日購入した和菓子の入った袋を、ジョーから受け取り、中から食べるのにはもったいない、色鮮やかな1個ずつプラスティックのケースに入った和菓子を手のひらに載せた。


「拝観できなかった世界遺産もだよ」
「天龍寺ね?また、飛ばしちゃったりしない?」



持っていたスポーツバッグを頭上の荷物台の上に乗せて、ジョーは席についた。
オオガミ・サガミ両教授をのぞいた、計26名、全員が遅れる事無く、東京へと戻る。


「加速装置がついてるから?」


フランソワーズが脱いだコートを、自分のコートと一緒に荷物台にのせるために再び立上がった。


「自虐的だわ」


フランソワーズは視線をジョーから、動きだした外の景色に移した。
ジョーはそっと、自分のコートのポケットからあるものを取り出し、それを、フランソワーズのコートのポケットへと偲ばせて、そこに入れられたままであった”四角いカード”と交換する。


「そうかなあ?・・・実際についてるし、飛ばしたし・・・・面白くない?」


野宮神社で、フランソワーズが木の枝に結ばれた”おみくじ”を眺めているときに、彼女が気づかないうちに購入しておいたもの。


2つで1つになった”縁結び”のお守り。


「面白くありません!ジョーってセンスがないのね?」
「・・・その”センス”っていろんな意味があるし、ボクはフランのセンスがたまに理解できなかったりも、するんだけど?」





春の旅行が実現しますように。
そこに、フランソワーズの”家族”が参加できるように、ボクは努力します。


彼女のお兄さんの家族との”縁”を結んでください。





ジョーのコートの中にあるお守りは、ギルモア博士に頼み匿名でフランスへと送られた。









「あら、だからジョーはセンスがないのよ!」
「・・・・そういうことでいいです」



購入したブラック・無糖缶コーヒーを手に取りながら、軽く溜め息を吐くジョー。


「春の旅行ではジョーの番だから、忘れないでね?」
「え?」


プルトップにかけた指がとまった。


「指切りしたものね♪ちゃんとアタシを、いっぱい素敵にくるくる♪してね?たくさんよ?いっぱいなの!・・・あ。でも、1日1回しか駄目なのよね?じゃあ、毎日してね?そして立派な御代官様になって!」
「!」





ごん。と、ジョーの手から落ちた缶コーヒーは、ごろごろごろとシートの下を転がっていった。

















*おまけ*

---襲ってくれっていってるんだよっそれ!!!!!!
   毎晩っ?!毎晩襲ってくれって・・・っっ。



  
広がる妄想はもう止められない。

襖をあければ、畳に敷かれた一組の布団に並べられた、2つの枕。
温泉の湯であたたまった肌が色づいた温泉浴衣姿のフランソワーズ。


布団を目にして、恥ずかしそうに長くしっとりとおろされた睫が震える。
フランソワーズの前に立ち、そっと優しく抱きしめる。

その手が、ゆっくりと彼女の帯にかかる。

耳に心地よく届く布ずれの音。
彼女の緊張を解きほぐすように、帯をひっぱり、くるり。と、彼女をまわすと回転した躯に、フランソワーズが、クスっと口もとで微笑み、瞳が熱で潤んでいた。


くるり、くるり。と、まわしたフランソワーズから帯が落ちると、締まりをなくした浴衣が開かれ、フランソワーズは頬を染めて両手で胸元を隠すが、はだけた裾が、ほっそりとした芸術的な足を、普段みせる事が無いふとももをさらす。


「・・・ジョー、・・・・・時代劇みたいに乱暴なのは嫌よ・・優しくして、ね・・?」


---うわあああああああああああああああああああああっっ!!!どっからそのセリフがあ?!






「っっ!ごめんっちょっと席外すよっフランっっっっっ!!!!!!!!!!」
「?」
「島村、これ落とし・・・」


座席から飛ぶように立上がったジョーに声をかけたのは、すぐ後ろの席に座る、湯田だったが、通路を競歩で去って行くジョーに、湯田の声に答える余裕は無い。


「どうしたんだあ?島村・・・」
「あの、ちょっと・・・」
「これ、島村が落としたのだよねえ?」
「はい。ありがとうございます」


フランソワーズは湯田の手から、缶コーヒーを受け取り、それを両手できゅうっと握った。


---ジョーってば、そんなに京都がよかったのね?・・・それとも、Dr.スティットと会えたことが、今頃ぐっと胸にきたのかしら?ジョーって繊細で、感激屋さんなところがあるから・・・・。ジョーも男の人だものね、泣くなんてこんな公共の場じゃ、辛いわよね・・・。



そっとしておいてあげなくちゃ!




しかし、戻って来たジョーのあまりに紅い顔が心配で、フランソワーズは自分も熱を出したことから、心配でならない。

それが、なんとか冷静を取り戻したジョーに追い打ちをかけることとなった。


「!!!」


ジョーが席につくなり、両手でジョーの顔をつつみ。
こつん。と、おでこを合わせて熱をみる。


「ん~・・・」
「うああっっ!」



再び、駆け出して行ったジョーを、心配でおいかけるフランソワーズ。
2人の追いかけっこが、新幹線のぞみ号内で繰り広げられた。


「何やってんだあ・・・島村は・・・???」


千里に呆れられて。
りか子に、アルヌールさんの保護者失格!と、注意されて。


美奈子から、次の研究室出勤日に、もう少し話したいからランチを一緒して欲しいと言われた。








京都・嵐山2泊3日の旅・完


*反省点が多すぎて・・・(涙)
 間をあけて、他のに手を出して、忘れたころに『9』のおまけをアップしたい。
 おまけはG博士視点/虫カメラ!で(笑)それがないと”もじもじ”じゃないってことですね。

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