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気づいてほしい、でも知られたくない/『C』と『R』の間に。
「気持ちいー!」


ぐん!っと両手を水色の空にむかってのばした。


「いい天気だね」


助手席から降りた彼女に続いて彼も、数秒遅れて運転席から降りる。
ばん!っと勢いよく車のドアを閉め、キーをジーンズのポケットに突っ込みながら、言った。


「ね!」


運転席側に立つ彼に振り向きながら、開けっ放しにしていた助手席のドアを閉める。


「桜は今年、観られなかったね」
「残念・・・お花見の予定がなくなっちゃうなんて」
「来年の楽しみに取っておこうよ」
「待てないわ!」


ふふ。っと笑い、見渡すかぎり人工物は自分たちが載って来た車しかない、世界へと視界をうつした。


「待たなきゃ駄目だよ、もう散ってしまったんだしさ」
「そうねえ。こういうとき、の○太くんのデスクの引き出しが必要ね!」


ミッション(004、005,008のみが動いた)事後処理のために、駆け回った2週間。
気がつけば、春は急ぎ足で過ぎ去ろうとしていた。


「・・・異次元ポケットじゃなくて?」
「ええ、だって過去に戻れるもの、だから桜の時期に帰ってもらうのよ!」
「なんだか面倒だよ、タイム風呂敷を桜の樹にかけたらいいんじゃない?」


移動はほどんど車(レンタカー)だった。
ラジオも飽きた。
ジェット、アルベルト、グレート、ピュンマ、の”お気に入り”を彼らのituneから失敬してきたが、それもすでに次に何の曲が来るか覚えてしまうほどに聴いた。
そして2人が持ち込んだ曲たちも、お気に入りのはずが、すでにお気に入り”であること事態に飽きてしまった。

ラップトップをインターネットに接続して動画を流したりもしたけれど、エア・ネット接続がなかなか上手くいかない距離にまで足を伸ばす事になってしまったために、途中でポーターブルDVDを購入。
ラップトップでもDVDを観る事ができるが、それは”今回の事後処理”に必要な細工がしてあるために、避けられた。

ポーターブルDVDと一緒に購入したDVDにも見飽きたころ、旅の途中で日本から送られきた重要書類(データ)のカモフラージュとして一緒に入っていたDVD(何かとっても夢中になれそうなDVDを送って。と、フランソワーズが催促した)は、リージョンコード・フリーで焼かれていた、日本が誇る猫型ロボットご長寿アニメ、(各メインキャラクターの声優が変わる前)の映画全巻セットだった。

車の旅の間、ずっと齧りついて観ていたフランソワーズ。
運転しながら、フランソワーズにつき合おうことになったジョー。


旅の終わりには、どの映画にどんなアイテムが出て来たかを答えることができるようになり、各映画の主題歌、エンディングを空で歌えるようになっていた。
2人だけの超マニアッククイズ大会も開かれて、小さい頃に観ていたことのあるジョーは、フランソワーズの知り得ない質問をして、彼女をからかいつつ、彼女の好みにあったDVDをセレクションしたグレートに、少しだけヤキモチを焼いたことをごまかした。
(ホラー・妖怪好き、水木ファンで、ご当地キャラ?、食玩・コレクターなので、・・・一般に愛されている猫型ロボットにハマるなんて想像もできなかった)


明日の今頃は日本へ戻るために空の上。

空港で、ジェット、ピュンマと落ち合うことになっている。
アルベルトは、1週間遅れで日本へ戻ってくる。


「ジョー、タイム風呂敷はロマンチックじゃないわ!」


ギルモア博士、フランソワーズの合同誕生日会以来、久しぶりに家族が揃う。


「フラソワーズ!」


運転席側から、ゆっくりと歩み寄って来たジョーを無視するかのように、フランソワーズはきゃあー!っと歓声をあげながら、田舎道からはずれ、視界を水色と緑で半分にされた世界へと駆け出す。

燃費の悪い軽自動車がやっと通れる舗装されていない道を挟むかのように広がる、草原へと。


「ジョーっ!!」


50mほど走った先で、振り返り、大きく両手を振るフランソワーズに、ジョーは目を細めて、手を振りかえす。
古いヨーロッパの映画を観ているような、そんな光景が、ジョーの目の前に広がっていた。


「いや・・・それより開拓時代?・・大草原の小さな家?」


フランソワーズにむかって振っていた手を止める。と、ジョーは走り出した。


「30秒間!ボクから逃げ切れたら、今日のランチのデザートはフランソワーズが決めていいよ!!」
「?!私っ!トプフェンクヌーデルが食べたいのおおっ!」
「だったら、がんばって逃げなよっ!ボクが勝ったらポティツェだからっ」
「きゃああああっ♪だめええっ」


ざあああっと、吹き抜ける新緑の風が2人を追いかけた。















####


「何してるの?」
「ん・・・・」


ひとしきり広い草原を走り回ったあと。
2人は視界ギリギリに自分たちが乗って来た車が見える距離に、並んで座った。

スカートが汚れることなど気にせずに、その場に座ったとたん、熱心に草花へと視線を移したまま黙りこんでしまったフランソワーズを、何にも区切られることなく広がる日本とは少し色味の違う空を眺めながら尋ねた。


「・・・・何か落とした?」
「ん・・・」


「もうちょっとしたら、行くよ?」
「ん・・・」


「同じ空でも、日本と違うと思わない?」
「ん・・・」


「ネットで子泣きじじぃのTシャツが売ってたよ?」
「もう、持ってるわ・・・」
「え?」
「ん・・・・、ジェットが誕生日にくれたの・・・」
「・・・・そうだっけ?」
「当日じゃなくて、クリスマス前に・・・見つけたから・・・・・・・誕生日プレゼントなって・・・・」
「ふうん・・」




10分後。



少しずつ移動して、先ほどいた場所から1m弱ほど左に進んだ2人。



「・・・・もしかして」
「ん・・・」







「これ?」
「!」




ジョーの手が、緑色の葉をフランソワーズへと差し出した。


「そう!四葉のクローバー、幸運の葉♪」
「・・・・えっと、あのさあ」
「すごいわ!ジョーっ!!」
「あの、これってさあ、それだけの意味じゃ・・・」
「さっきからずうっと探しているのに、見つけられなかったのよ!もうっ」
「・・・フランソワーズにあげるよ」
「いいの!?」





kiririkuzerozeromania










---知っているのかなあ。


ポケットから取り出したレースのハンカチに大切に、ジョーからもらった四葉のクローバーを包み、助手席にいるフランソワーズはご機嫌に、西遊記をモチーフにした猫型ロボット映画の主題歌を、ちょっとおかしなリズムと外れた音で歌っていた。














四葉のクローバーを英語で書くと、ある意味が隠れていること。



『c.l.o.v.e.r』
『c』と『r』」の間にある意味。













その、意味に、気づいてほしい・・・でも、今はまだ、知られなくない、ような・・・。










「今度また見つけたら、フランソワーズにあげるよ・・・」
「ふふ、いいの?」
「・・・・うん」
「私がジョーの幸運を取っちゃうわよ?」
「別に、いいよ。フランソワーズみたいにボクは欲張りじゃないから」
「も!ひどいわ、別に欲張って、あれもこれも幸せになろうなんて思ってないわよ!」
「まあ、ささやかに、欲張ってくれたらいいよ、ってことで。今日のデザートはポティツェね」
「ねえ、欲張って2つ頼んでいい?」


フランソワーズの言葉に、ジョーは微笑む。

「今日は幸運(ラッキー)だからね、いいよ」






四つ葉のクローバーに隠れている言葉を、キミが見つけるのが早いか・・それよりも、ボクが・・・。
























end.



*2人の出張(?)費用は決まっているので(笑)ポータブルDVDやら何やらを買ってしまい、節約のためデザートは1つを半分ことなっています。
お小遣いももらってますが、フランソワーズは家族のお土産に使い切ってしまいました。
ジョーのポケットマネーで後半過ごしてます。が、ジョーはしがないアルバイト。
ユーロにちょっと赤字気味(笑)

・・・どら○もんのアイテムがあれば、93はサイボーグじゃなくて、人間に戻れるとか、言いっこなしですよ!・・・って私だけでしょうか?・・タイム風呂敷あれば、とか。色々考えてしまいました。



**もじもじ入り口のイラストを『ぜろぜろマニア』の水無月さまからいただきました!**
せっかくなので、イラストをもとに妄想いたしました。
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