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投げられたマーブルチョコレート/VD・1

~キミとチョコレート5題より~




ちょっと寄っていい?と指さされた場所。


1ブロック、左右の角っこに必ずある、コンビニエンス・ストアだった。
入っていったのは、真っ赤に看板が塗られて、”K”のマークがついている
方。


「すぐすむから、適当にまっていて」



こんなにいっぱいあって、誰が、どんな風になんのために使うのかしら?
と、いつも疑問に思う。

24時間開いているのは、素敵で、便利だと思うけれど。
町内に、何件ものコンビニエンス・ストアがあって、それも違う会社が
経営していて。

便利な日本だけれど、実はとっても面倒くさがり屋さんが多いのでは?
ちょっとそこまで。が、20分歩けばいいのに、もっと、近くに、もっと早く
に。って。


動く床があったのを大阪の地下街で見たとき、その動く床の上でさえ、
人はいそいそと歩いていたのよ。
そんなに急いでどこへいくのかしら?


急がないといけないような、スケジュールの組み方しかできなかったの?
日本人は時間をきっちり守って素晴らしいっていうけれど、でも、床を動
かしてまで、
そこまでして守らなくても、よくなくて?


「また、固まってる」


私はお菓子コーナーの前にいた。


「あ・・・」


ジョーの手に品物を入れるカゴはなく、数冊の雑誌を小脇に挟んで、声を
かけてきた。


「今度は何を考えてたんだい?」
「・・・あの、別に・・ただ、何のためにこんなにたくさん、コンビニエ
ンス・ストアが
あるのかしら?って」
「さあ。・・便利だからじゃない?」


お菓子の棚をざっと見渡して、いくつかを手に取って、不思議そうに、新
商品!っと書かれた
矢印の説明を読んでいた。


「そうよね・・・」
「治安がよくない地域だと、女の人は安心するらしいよ。コンビニエン
ス・ストアって
夜も開いていて、明るいから。・・・何かあったとき駆け込めるって」
「そう、そういう風な意味もあるのね?」
「まあ、そういう風な意味になってしまったこと自体は、残念なことだけ
どさ。何か、いるのある?」
「ないわ」
「じゃ、行こう」


私はジョーがレジに立っている間に、外へ出た。


制服を着た、女の子たちとすれ違う。


「うわ!外人っめずらしー」
「ちょっとお、失礼だよー、日本語わかったらどうすんのー?!」
「わかんないって、もろ、外人じゃんっ!」


私は意地悪だから、その子たちに向かってにっこりと笑ってみせる。
びっくりした顔が3つ並ぶ。


「ヤバいって、やっぱ日本語解ってるんだって!」
「ええ?・・・そお、解ってないから、笑ったんじゃないの?」
「もおお、いいじゃん、そんなことおお」


人を見かけで判断しないで。
まったく!


日本語どころか、世界中どこへ行っても問題ないのよ、私!!







「フランソワーズ」


ジョーの声と一緒に、自動ドアが開いた。
振り返ると、しゅっっと何かが弧を描いてこちらに飛んでくる。


「え?あ。なに!?」


飛んできたスティック状のものを、慌てて受け取った。


「おいしいよ、今日はチョコレートを食べる日だから、あげる」


M&M's?


「なあに?」
「マーブルチョコレート。好きでさ、前はよく食べてた」


筒状の箱をかしゃかしゃ鳴らした。
私が受け取ったお菓子に夢中になっている間に、ジョーはさっさと歩き出
す。
その彼を追いかける。

彼の脇に、買ったばかりの雑誌がコンビニエンス・ストア内で見たのと同
じように、
挟まれていた。


「駄菓子の中で、一番好きでさ。いろんな色があって綺麗だろ?」
「ありがとう」
「・・・フランソワーズ、それ、一応」
「?」









---逆チョコなんだけど?




わかってないんだろうなあ・・・。
街中が赤やピンクに染まっていて、LOVEだのなんだの、うたい文句が所
狭しと泳いでいるのに。

コンビニエンス・ストアの店内だって。
でかでかと、今日と言う日がなんであるかを訴えていたのにさ。




マラカスでも演奏するように、かしゃかしゃと鳴らす音。



人が考えたって仕方がないような、しょうもないことに、いつも意味もな
くぐるぐると考える癖に。
どうして、こういう世間一般、誰でも知っているようなことは気づかない
と言うか、考えつかないというか、・・・・。


「それが、一番ボクの好きなチョコレートなんだけど?」
「そうなの、知らなかったわ」
「・・・・それを、キミにあげたんだけど?」
「ありがとう、優しいのね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・バレンタイン・デーって知って
る?」
「ええ、知ってるわ。だから、今日は張大人のところで、豪華ディナー
じゃない」
「・・・」


だね。



「ジョー、今後はお菓子を投げたりしちゃ駄目よ?ちゃんと受け取れたか
らよかったけど、
他の人にあたったら危ないわ」
「・・・気をつけるよ」
「ね、何色がいい?」


かしゃかしゃと鳴らしていた筒のふたをぽん!っと抜いた。


「ピンク」


どうだ。
これなら・・・・。


歩いていた足を止めて、さらっと手のひらに乗せたチョコレートの粒た
ち。
2つのピンク色を選んで、あとはまた筒の中にしまう。


「はい♪」


そのうちの1粒が、ボクにむかって高く、投げられて。
綺麗にゆっくりと落ちてきたのを。ぱく。っと、口の中で受け止めた。



「じょうずね!」


ボクは犬か・・・。


「投げるなって言ったの、フランソワーズだよ?」


自分の分は、指先でつまんで舌に乗せた。


「私からのチョコレートはいらないっていうの?」
「・・・・」


ボクが買って、キミにあげたんだよ。
それ・・・。


かりっと。口の中でコーティングされたチョコレートを噛んだ。
甘くて、久しぶりの味。





「知ってるわよ」


フランソワーズはにっこりと笑った。
数歩ほどの距離をスキップするようにして縮め、ボクの隣に立つ。


「知ってるんだ?」


雑誌を持っていない方の、腕を、彼女が抱きしめる。


「今日がチョコレートの日くらい、知ってるわ。男の人があげるのを
逆チョコって言うんでしょ?
・・・ねえ」
「なんだよ」
「一番好きなのね?」
「お菓子の中じゃあね」


歩き出す。


「それをもらったの、私なのよね?」


口に出されると、ちょっと恥ずかしい。


「一番をもらっていいの?」
「一番だから、あげたんだけど」
「安いのね?」


歩く揺れに合わせて、”安い”それが鳴る。


悪かったな・・・・安いのしかあげられなくて。
今、何もバイトしてないの、知ってるくせに。

キミにあげるものを、”おこずかい”ですませたくない、男の小さな
プライドだよ。




「・・・・・・・・・・すみません」
「別に、謝らなくてもいいわよ。ブーさんだもの・・・ねえ、ジョーも
欲しい?」




プーさん・・・。




「用意してくれてるの?」
「今、用意するわ」
「え?・・・いま?」


フランソワーズの足が再び止まったので、ボクも止まる。

ボクの腕を抱え込んだまま。

ぽん!っとふたをあけて。

手のひらに乗せたチョコレートの粒たち。

また、ピンク色を選んで。


残りをスティックの中にもどした。


そのあと・・・。




「ん」
「・・・世界で一番高い、マーブルチョコのピンクだね」











瞳を閉じて。


丸いピンク色にコーティングされた、チョコレートが1粒、くちびるの上
に載せられて。


落とさないように、

ボクの腕にしがみついて、

バランスを取りながら、

空をあおぐ、

彼女。






吸い上げるように、舌先と上唇でチョコレートを受け取る。
そして、それをそのまま、彼女の口内へと挿し込んだ。











「うわっ生キスっ」
「さっきの外人だよっあれ」
「うわああ・・・さすがバレンタインデーっ外人っカップルっ」




そうです、私は外国人なの。
だから、外でキスしても、日本のマナー違反じゃないわ。


ふふ♪うらやましい?




・・・・あ。



ジョーは半分違反してるわね!






「・・・キスしてるときくらい別の事考えるの、やめてよ。フラン・・」


ピンク色がはげた、それをかり。っと、噛んだ。









Fortune Fate
end.


*なんだこりゃ。
 私の中で新しい93が生まれてる???
 しかも、お題は一瞬・・・(笑)




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