RSSリーダー
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
待ってたってアゲナイ/VD・5

右も左も。上も下も。
電車の中もデパートも、スーパーも、コンビニエンスストアも!

どこもかしこも、”バレンタイン”だった。





「・・・日本って本当にイベントにかける勢いっていうか・・すごいです
ね」
「普通よお、フランスは違うの?」
「あ!知りたい!」


通い始めた週に1度のお料理教室。
半年と受講期間が決まっているため、都合いい。

お店を始めた張々湖が忙しく、ギルモア邸の台所は当番制となったが
どうも上手くまわらない。料理以外の家事一般は、ほぼフランソワーズが
こなしているが、料理だけは・・・・”得意”ではない。

それなりに、簡単なものなら問題ない。
けれど、『それなりに簡単なもの』で毎日すませられないのが、大家族で
ある。


「日本みたいに、告白する日。じゃないくて。パートナーがいる恋人たち
のための日なんです」


選んだ受講コースは、結婚秒読み。花嫁修行。そろそろ周りがうるさい
の!など、”妙齢”の女性たちが多く、フランソワーズはその中で最年少、
フランス人。と、言う事もあって、妹のように同じコースを受講する女性
たちからかわいがられていた。


「恋人たちの日ねー。それってシングルには辛いわ!」
「フランスでは、シングルの人は全く無関心かしら?」
「気持ちわかるーっ!!」


授業で作ったものは持ち帰りOK。
その場で食してもOK。

日曜日の午前中。と、言う事も合ってランチとしてその場で食べてしまう
フランソワーズは、いつの間にか”居残りランチ”組のメンバーになってい
た。

持ち帰り組は、主婦(新婚?)や、彼氏がいる人。
だらだらと居残っているのは、・・・いつでも結婚OKよっ相手さえいれ
ばね!・・・な?、日曜日でも特に決まった予定のない女性たち。

事実婚が主流のフランスで育ったフランソワーズは、日本の”結婚”への
こだわりと憧れと、その”重要さ”に驚くばかり。


「でもさあ、この年で、”好きです(ハート)って、少女漫画じゃあるま
いし・・・ねえ?」
「あー、わかるっ!ヴァレンタインで告白なんて、・・新人研修でっ!」
「多少引き上げても25超えるときっついわー・・・」
「まあ、きっかけにはなるけどねー。あげるけど”告白”はつけないって」
「ヴァレンタインで結婚相手見つかるなら、がんばるけど、たかだか”告
白”でしょお?」
「意味ないよねー」
「その後がめんどくさいって」
「そうそう、その”後”が続かないのよ!」
「・・・・」
「ちょっとー、あんまり私たちの話しをフランちゃんに聞かせたら、ヤバ
いって、まだまだ可能性のつぼみちゃんなんだから!」


食事も終えて。
教室は次のクラスが始まるまで2時間ほど空いているために、勝手に
持ち寄った紅茶や珈琲、お菓子を広げるのが、いつの間にか当たり前に
なっていた。


「邸では義兄(あに)たちばかりと一緒にいるから、とっても楽しいで
す。だって、同性じゃないとできない話ってあるんですもの、いくら”家
族”だからなんでも話せって言われても・・・」


フランソワーズの微笑みながら、ついたため息。
それは、嫌だとか、疲れているなどとはかけ離れたもの。


「そうよねえ、いくらなんでもねえ」
「男じゃね!」


うん、うん。と、フランソワーズの言葉にテーブルーを囲う女性たちは頷
き合った。


「ねえ、そろそろ片付けた方がよくない?」


フランソワーズの隣に座っていた女性が、腕時計の針が指し示す時間に,
会話も一段落したちょうど良いタイミングで言った。


「もうそんな時間?」
「最近、2時からのクラスの人来るの、早いでしょ?」
「何はりきってんのかねー」
「ま、でも文句言われるよりは、ね」


それぞれにイスから立ち上がり、テーブルの上を片付けていく。
料理を習うクラスであるだけあり、片付けもいつの間にか”担当”が決まっ
ていた。

フランソワーズはクラス内で使った食器を洗っていく。
備えられている洗剤をたっぷりとつけて泡立てると、シトラスの香りが
フランソワーズに届けられる。と、同時に教室のドアが開いた。


「え?もう!?」


女性の1人が驚く。
あけられたドアに、全員の視線が集まった。


「あの・・・・」


そこに立つ青年は、びっくりしたように、半歩ほど左足を引いて、躯を
ドアから話したが。


「ジョー!」


彼をよく知る女性の声を聞いて勇気を得たのか、堂々と教室へと入ってき
た。


「・・・・メール、もしかして見てない?」
「メール?」


泡だらけの手のままに、きょろきょろと持ってきたはずのショルダーバッ
クを探す。


「ここよ、フランちゃん!」


テーブルに広げられていたお菓子を片付けていた女性が、フランソワーズの
座っていたイスの上におかれていた彼女のバックを手にして、フランソワーズに
見えるように掲げてみせた。


「あ!」


受け取ろうと腕を伸ばそうとしたが、泡が視界にはいる。


「すみません」


ジョーは女性たちの視線に耐えながら、フランソワーズのバックを受け取
ると、当たり前のように、そのバックの中から彼女の携帯電話を取り出し
た。


「・・・マナーモードになってるから気づかなかったんだね?ほら・・・」


ジョーは受信のファイルから、自分が送ったメールの内容をみせた。
フランソワーズは人数分のコップを洗いながら、それを見る。


「ほんと、・・・気づかなかったわ、ごめんなさい」
「いいよ、クラスは終わってるんだろう?」
「ええ」
「じゃあ、・・・ビルの前で待ってる。車止めてるから」
「すぐ行くわ」


ジョーはバックの中に携帯電話をしまい、それをシンク台の隣に付属した
作業台の上においた。


「ゆっくりでいいから、・・・・・」


ジョーはその場にいた女性たちにむかって、軽く頭を下げてから教室を出
ていく。
開けられたままだったドアが、閉まった、その音と同時に、その場にいた
女性陣が一気に質問の嵐をフランソワーズにむかって起こす。


「お兄さん!?」
「彼氏!?」
「誰!?」
「彼氏なんていないって言ったわよね!」
「可愛いすぎーーーーーーーーーっs!!」
「すっごい、かっこいいっ」
「いや、あれは可愛いんだって!」
「かっこいいのに、可愛いのよっ!!見た?”すみませんって言ったとき
の、ちょっと困ったような照れたような顔!!」
「いいの見たーっ!潤うーっ!!」
「今すごい癒されたわ!」
「「「「「「で?!彼は誰っっっ?!」」」」」」
「ジョー?・・・ジョーは・・・・」





**

みんながね、みなって言うのは、クラスのね、いつのもメンバーなんだけ
ど,そのみんなが、ジョーのことをすごく知りたがったのよ。
可愛いって言ってたし、かっこいいとも言ってたわ。
それでね、目の保養になるって。

目薬みたいね!

潤うって言ってたのよ、ジョーは何を潤わせたのかしら?
ジョーでね、癒されたって言っていたら、すごくよかったのよね。ジョー、
今度みんなと一緒にお茶しましょうね!!
みんなすごく喜ぶと思うの。







今日の夕食は、豆腐とワカメのお味噌汁。白ご飯。ほうれん草よりも鰹節
の量の方が多い、おひたし。冷や奴。焼いたほっけに、じゃがいもがまだ
少し火が通ってない気がしないでもない、醤油辛い肉じゃが(牛丼のように、
ごはんの上にかけたらちょうど良い濃さだった)。と、ふりかけ3種類。


ダイニングテーブルでフランソワーズが用意した夕食を文句を言う事なく
(フランソワーズが作った夕食に文句をいった者は、メンテナンス時に
(ギルモアorイワンによって)ひどい目に合うために言えない)楽しく進
む。


ご機嫌のフランソワーズは、夕食の席でずうっとしゃべり続けた。


<よお>
<なに?>

フランソワーズの話をにこやかに聞く家族たち。


<・・・他の女にモテてる彼氏を自慢してーのか?>
<知らないよ>


夕食の席で今日の出来事を報告するのは、フランソワーズのくせのような
もの。


<自慢よりも、焼きもちだろ?>
<フランソワーズ、可哀相・・・>
<ピュンマ、どうした。>
<だって、もう”ヤキモチ”なんて焼けないんだよ・・・感覚が麻痺して
るって言うかさあ、
だってジョーだからさあ・・>
<なるほどな>


毎日何をそんなに報告することがあるんだ?と、不思議に思うが、彼女の
口から語られる当たり前になってしまった日常の風景は、聞いていると、
それだけ今日も1日平和に幸せな1日だったんだと振り返る事ができた。


<それでこんなに、この生煮えじゃがいもの肉の、・・・なんだ?>
<肉じゃがだよ、ジェット>
<それ!感覚ねーから、こんなにショーユ辛いのか?!>
<関係ない。>


けれども今日はいつもと違った。


<日本食も大分つくれるようになってきたな>
<辛いけどね・・・ジャガイモ固いし・・・>
<ジョー、いい機会かもしれん。>
<なにが、ジェロニモ?>
<フランソワーズがどういう人と付き合いがあるのか、把握できるぞ。>
<うん・・・、でも、勘弁してよ。今日フランソワーズを迎えに行ったと
きなんて・・・。動物園の動物たちの気持ちがわかっちゃった・・・・。二度と
教室内には入らないよ>


フランソワーズは(クリスマスに美味しく簡単に魚が焼ける、赤外線グリ
ルをギルモアに買ってもらったのを使用)あつあつに焼けたほっけを満足
そうに頬張りながら、隣に座るジョーへ話しかけた。


「そういえば・・ジョー」
「あ、ん?・・・何?」
「どうして今日、迎えにきてくれたの?」
「え?」
「びっくりしちゃったわ」
「ええっと・・・いや。別に理由はないんだけど、ちょっと車を走らせた
かっただけで、だから」
「そう!」


<嘘つけ!狙って行ったんだろ?>
<・・・>


脳波通信のチャンネルはみんな009個人に合わせており、彼の頭の中が
チャット会場となっていた。
009にアクセスしないと聞こえない。003はそう滅多に脳波通信を使
わないので、そのやり取りを聞かれる事はないだろうとふんでいる義兄たち。


<今日は14日。>
<世の中はピンク色だからな>
<え!?ジョー、もしかして、まだもらってないの?!フランソワーズか
ら???本当にまだなのっ!?ええええ?なんで?だって君たち・・・>
<デートするつもりで夕食に誘ったのに、ジョーのヤツ、『今日は張大人
がいないから、また明日にしましょう』って断られてやんの!出かけると
きに、今日は適当にしてくれってわざわざ書き置きしてたのによ!にひっ
>
<書き置き?>
<出てって2時間もしねえで帰ってきたからよ、オレしか見てねえんじゃ
ね?>
<えーーーーーーーーーーーーーーっっ?!>
<なんだ。違ったのか。オレはてっきりとっくにつき合っていると思って
いたぞ。まだそんな程度か?>
<・・・つき合ってると思うよ、多分>
<<<<多分?>>>>
<いまいち、自信がない・・・>


はあっとジョーがため息をつくと、隣に座っていたフランソワーズが
ジョーの顔を覗き込んだ。


「どうしたの?」
「ううん、何も・・・お味噌汁、巧くつくれるようになったね」
「んふふ♪」
「はじめは・・・コンソメスープで作ったり、山車を取るって言ったら
チキンスープ使ったり、・・・色々あったからね。そういえば、赤みその
とき、砂糖を入れた事もあったよね」


ジョーの言葉にメンバーたちは過去を振り返る。そうすると、今目の前に
出されている料理が、どんな料理よりも価値のある最高のものに思えてな
らなかった。

食事を誰よりも早く食べ終わったギルモアが、ごちそうさま。と、声をか
けて立ち上がった。もうそろそろ地下でテストしていた物の結果が出てい
るはず。夕食中、フランソワーズの声に頷きながらも頭は今地下で書き出
されているテスト結果のことでいっぱいだった。


「博士、デザートがあるんですけど?」


立ち上がったギルモアに声をかける。


「地下に持ってきてくれんか」


はい。と、素直にギルモアの言葉に頷きながら、お茶は何がいいのか?
と、尋ねるフランソワーズ。


「デザートは、なんじゃ?」
「今日、車でジョーが迎えにきてくれたので、足を伸ばしてもらって洋菓
子店『プワワーク』のチョコレート・ケーキを買ってきたんです」
「ほお、それなら珈琲でお願いしようかの」
「ディカフでいいですよね?」
「いや・・・」


カフェインたっぷりで。と言いたかったが、微笑みながらも蒼い大きな瞳
が”また徹夜なさる気ですか?駄目です!”と言っていた。


「うん、ディカフじゃの、それで頼むの・・・・」


苦笑しながらダイニングルームを去っていくギルモアを機に、009脳内
チャットルームは閉まり、みな夕食をすませてそれぞれの時間を過ごすこ
とになった。


チャットルームに最後まで残っていたのは、ピュンマ。


<ジョー・・・チョコレートケーキ、っって・・・・・君もその中の1人じゃ
ないよね?>
<知らないよ・・。ケーキ以外、ないんだったらそうなる>







**


グレートと張々大人が邸に帰ってきたのは、チョコレート・ケーキのため
に用意したお茶の準備がととのったタイミング。
リビングルームに運ばれたそれをつつく義兄たち。

フランソワーズは地下にギルモアの分を運び、夜の時間のイワンの世話を
するため席を外していた。
耳の良いフランソワーズのために、再びチャット場が設けられたが、
開催地は009ではなく、話題を振った007。


内容は、ジョーがまだフランソワーズから何ももらっていないこと。
そして、今手にあるみな平等に配られた1ピースがフランソワーズの
ジョーへの気持ちなのだ、と。





1つのチョコレートケーキを平等に。
みんなと同じ。



「ジョー、お前がはっきりせんからだぞお?」


口に出してグレートが言った。


「はっきりしてるよ」


文句を言う。


「だが、これが証拠だ!」


グレートは最後の1口をフォークにさして、ジョーに見せるようにぱく
り。と、食べた。






**


「フランソワーズ」
「なあに?」


フランソワーズがキッチンシンクの中の使われた食器を洗っていく。
手伝うこともなく、ただそれを冷蔵庫にもたれかかって見ていた。

最後の、チョコレート・ケーキを載せていた皿が、フランソワーズの手で
水切りカゴにのせられた。


「ケーキ美味しかったよ」


フランソワーズは夜は甘い物を食べない。
なんでもバレエをやっていた時からの習慣らしく、夕食後のデザートは
朝にまわされる。
ジョーにとって、朝からケーキなんて信じられないが、”太らない”ために
は過度な糖分を含む食品は朝に食べるのが良いのだと言う。

踊っていないときでも、身に付いた習慣は抜けないらしい。


「よかったわ!・・・・ジョー、ここはもう終わり。お風呂はみんな入っ
たの?」
「さあ・・・」
「空いてるなら入ってしまって。私ももう寝るわ」


フランソワーズの部屋には邸にいるただ1人の女性である彼女のために、
ユニットバスがある。


「・・・・・もう寝るの?」
「ええ、だって、明日は仕入れのために張大人は朝からいないもの。
私が朝ご飯つくるの」
「そうなんだ」
「朝ご飯にいつか”日本食”が出せたら素敵ね」
「もう作れるだろ?」
「とんでもない!朝は忙しいのに数もいるし、大変なのよ!」


フランソワーズはエプロンを外しながらキッチンから出て行く。
ジョーもフランソワーズに続き、キッチンの電気を消す。


「大丈夫だよ」


手に持ったエプロンをダイニング・テーブルのイスの一つの背にかけた。
そのままダイニングルームを出て行く。


ジョーはフランソワーズの後に続きながら電気を消していった。




リビングルーム、広間、階段。



「じゃあ、おやすみなさい」
「・・・・・」


フランソワーズの部屋の前。


「お風呂、ジョーが最後なら湯船のお湯は洗濯機に移しておいてくれ
る?」
「わかった・・・」
「どうしたの?」


ぶすっと膨れっ面のジョーを見上げる。
拗ねたような視線をうけて、フランソワーズは小首をかしげた。


「・・・・・・・・・・・チョコレートケーキだけ?」
「?」
「みんなと、一緒?」
「?だってホールのケーキだもの・・・」
「そうじゃなくて・・・・何もないの?」
「え?」


ふうっとため息を1つ吐く。
その息がフランソワーズの頬にかかった。


「今日はさ、ヴァレンタイン・デーでさ・・・みんなと一緒?」
「それがどうかしたの?美味しかったのでしょ、ケーキ」
「・・・・・それがフランソワーズの気持ち?」
「何?ジョーってばさっきから!」


ぷうっとフランソワーズが頬を膨らませて抗議する。


「だから、今日はっ」
「女の子が好きな人に”告白”する日なんでしょ!日本はっ知ってるわ
よ・・・好きな人にチョコレートをあげるのでしょ?」
「別に”告白”だけのイベントじゃないよ?」
「・・・知ってるわ」
「だったら、なんでないの?」


知っててなんで?っと、ジョーが唇を尖らせて言い返す。


「・・・・あるわよ」
「え?」


フランソワーズの頬が染まっていく。
大きくすぎる蒼い瞳が少しばかり潤んで揺れた。


「ちゃんとあるの、考えてあるのけど・・・そのお・・・」
「考えてある???」


真っ赤に染まったフランソワーズに、ごくん。と生唾を飲み込んだ。








**

『ジョー?・・・ジョーは・・・・』


昼間の料理教室で。
フランソワーズは答えた。


「彼は、大切な・・・あの、好きな人で、でも、告白したわけじゃなくっ
て、でも、口に出す必要もなくて。でも、あの・・恋人とか、彼氏って言
うには、なんていうか、まだ・・・違う?ような・・、けどっ・・・私が
彼を好きってわかってくれていて、それで、ジョーもきっと同じだから、
一緒におでかけもして、だけど、ちゃんと好きって言ってもらったことな
くて、あ!でもね、好きって言われなくても大丈夫なの、わかるか
ら・・・あの、わかるの!・・・・で、だから、でも、はっきりした”恋
人”って言うには・・彼氏っていうのも、違うような、・・・」


もじもじと、フランソワーズは自分とジョーについて口にするが、上手く
説明ができない。
そこからの”先輩”たちはすごかった。

的を得た矢次ぎ早の質問に、ジョーとフランソワーズの状況を3分もかか
らず完璧に把握する。



「「「「「「”まだ”なのが問題なのよっ!しっかりモノにしないと駄目
よっ!!!!!!キープするのに手段は選んでられないよっ」」」」」」








**

「・・・・・・・・・・・受け取ってくれる?」
「あ、あ。当たり前だよっ!!!」


フランソワーズはきょろきょろと周りをうかがう。

静まり返った邸。
フランソワーズの部屋に一番近い、アルベルトの部屋からクラシック
ミュージックがかすかに聞こえる。


じっと、フランソワーズはジョーを見つめた。
フランソワーズも、同じように。


そして。






えい!と勢いをつけ、背伸びをした勢いのままジョーの両頬を手で包む
と、ちゅ。と、彼の唇の上に自分のを重ねた。


「おやすみなさい!」
「う、うんっ、お、おやすみ!!」



逃げるように部屋に入ったフランソワーズの、部屋のドアがバタン!っと
乱暴な音で閉まった。


廊下で1人、ガッツポーズを取る、ジョー。
心の中で、やったあああああああああああああああ!!!っと、叫びま
くっている。


ドア1枚挟んだ向こう側で。

顔を両手で多い、きゃあきゃあっと地団駄を踏みならす、フランソワー
ズ。




おはよう、でも、おやすみなさい、の頬や額じゃない、唇へのキス。





くちびるにキス!


---これって、もうっ完全にちゃんと恋人だよな!なんたってフランソ
ワーズからだし!
---私ったら、私ったらっっ・・・・でも、これでジョーは恋人って言っ
ていいわよね?








Fortune Fate
end.








*お題の色っぽい”お誘い”系を想像させる・・・のに、お答えできなくて(涙)
 いや、それでもよかったんですけど。
 最後はピュアにピュアに・・・(笑)
 
 待ってたって、アゲナイ。・・・すごいなあ。小悪魔チックな3でも
よかったんですが、書けなかったです。(来年かな?)
 でも、これ、お題と全然関係ないような・・・。いつもの9だったら、
みんなと同じチョコレートケーキでよかったんですが、
もうそれじゃあ、満足できなかったので、拗ねてがんばっておねだり、
なんてしてみた。と、受け取ってくださると嬉しいです。

 言い訳!・・・です(涙)

 そして、これが、今年最後の・・・。なんだかすっきりしないので。
 来年もお題でヴァレンタインできたらいいなあ。
 

あ。これ”もじもじ”じゃないですよ・・・(笑)




Photo by ミントBlue
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
web拍手 by FC2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。