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そんな彼女が可愛くて。
自販機にコインを落とす。
入れた回数だけ金属がぶつかり合う音が鳴った。


ぶうんんっと、冷蔵庫が夜中に鳴り続けるような振動がちょっとばかし強くなると、”押す”と書かれたボタンに赤いランプがつく。
適当に選んだ青リンゴの炭酸飲料。


ちょうどいい具合に冷えたそれが、がたがた自販機内を転がり、受け取り口に落ちてくる。

腰をおって、手を突っ込み。
取り出した缶のプルトップを開けて、彼女へ渡した。


「・・・・ストローは?」
「へ?」
「・・・・・ストローはどこかしら?」
「ストロー???」


彼女は缶ジュースを両手で受け取りながら、小首を愛らしく傾けた仕草でボクに訊く。


「ええ、そうよ」


当たり前でしょ。と、言いたげな大きな瞳。


「そんなの、ないよ・・・缶ジュースだよ?」
「でも、それだと・・・」


何が問題なんだろうか。
缶ジュースの飲み口に視線を落としてながら、唇を尖らせる彼女。

そんな彼女をそのままにして、ボクは自分の分を買った。


「問題ないよ。気にするほどのこと?」
「だって・・」


冷たい缶をバックから取り出したハンカチに包み、持ち直す。


「フランソワーズ、ほら」
「?」


ボクは彼女の手をつかむ。
彼女の手の中にある缶の、飲み口を自分の方へと近づけて。


一口、飲んだ。


「これで、問題ないだろう?」


飲めないなんて言わないでよ?


「勝手に飲むなんてひどい!」


そっちですか・・・。


「これで大丈夫ってことだよ!」
「大丈夫じゃないわっ・・だって、だって・・・だって・・・」
「だって何?」


ボクは自分の分の缶ジュースのプルトップをあけた。
真空になっていた中が空気を取り込み、ぷしゅ!っと気持ちよい音。


「・・・・・・・・これじゃあ、間接キスになるわ」
「問題ある?」
「・・・・・・・・・・・・・このまま飲むなんてできないわ」
「なんで?」
「だって・・・缶だもの」
「だから、ボクが先に一口飲んだから、大丈夫だよ」
「それはわかったけど、でも」


面倒臭いなっ!





はああっと、ため息をひとつ。
彼女はボクのそれに傷ついたような視線をあげた・・・、だから。

素早く、さりげなく。
軽く、だけど、気持ちはいつも100%キミを想っていることを乗せて。




缶には触れられない唇に、缶に触れて冷たくなったボクのを押し付けた。







ボクたちの前を通りすぎていく自転車に乗った学生服の集団が、まるでUFOでも発見したかのように騒ぐ声が、先の点滅信号機近くから聞こえた。


「ジョーっ!こんなところでっ!!公衆わいせつ罪でつかまるわっ」
「・・・・・・・・・・間接キスくらい平気になっただろ?」


いくら日本でも、外でキスしたくらいで捕まってたまるかっての。


「自販機じゃなくて、コンビニに行けば缶じゃないの売ってるのに!」
「・・・気が利かなくてスミマセン、フランソワーズ姫」


ああ、女って面倒くさい。
女じゃなくて、・・・フランソワーズが・・・だよな・・・。


「もう・・・ジョーってば、どうしてそう・・・・」


ぶつぶつと文句を言う彼女は、両手に持っていた冷たい缶を赤くなった頬に押し当て冷やす。


そんな彼女が可愛くて。
もっとキスしたくなる気持ちを押さえられなくなる。



たとえ最近の女の子の100倍面倒臭くても、そんな彼女が可愛くて。


「フランソワーズ姫、なんなら飲ませてあげようか?」


彼女の缶ジュースを、また、一口もらった。






「結構です!自分で飲めます!!」
「遠慮しなくていいのに」
「じ、自分の飲んでくださいっ!!」


可愛いなあ・・・。




end.





*ふと・・・思いつきで書いた・・・意味のないショート(汗)
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