RSSリーダー
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
太もも/ギルモア邸の新ルール?!
今年新しくしたマフラーを最近しなくなった。
コートから、初冬に着るジャケットに再び戻った。

そのジャケットも、なんだか重く感じるこのごろ。


空の青が少し変わった気がした。
海の青も心なしか、やらかいように感じる。


フランソワーズのお気に入りの、シルク素材の色とりどりの花がプリントされたスカートが、ふわり。と、邸の庭でまだ冷たい潮風になびいていた。


「寒くないの?」


起きたばかりのジョーは、パジャマのまま、ふああ。とあくびをしつつリビングルームから庭へと通じるスライド式のガラス戸を開いた。


「おはよう、ジョー!」
「おはよう」


邸のリビングルームを暖めるほど、太陽はまだこちら向いていない。
フランソワーズの服装は、ジョーの肌に触れた空気から計算すると、”気が早い”と言う感想を持つ。


「待ってね、これを干し終わったら、すぐに朝食の用意をするわ」


洗濯籠の中の量を観て、にっこりと微笑んだ。


「大分かかる?」
「いいえ、もう終わりなの。珈琲は用意できてるわ」
「わかった」


リビングルームの、スライド・タイプのドアを開けたままにして、ジョーはキッチンへと通じる、ダイニングルームへと向かった。


「その前に着替えてちょうだいっ!!」


背後からのフランソワーズの声に、ジョーは首だけで振り返り、舌をべー。っと出す。


「も!!」
「休みの日くらい駄目なわけ?」
「駄目です。着替えてくれないのなら、朝ご飯知りません!」
「・・・はい」


朝食を用意する。と、聞こえはいいが、ただバターを塗ってトーストを焼くだけのこと。
自分1人でだって、できること。


けれど、ジョーはまるで何も出来ないフリをする。

本当は何でも1人でできる。
何でも1人で出来るように、生きていけるようにと、幼少のころから”訓練”されていた、彼だから。








####

「ちゃんと1人で起きられたのね♪」
「まあ、もう11時だし・・・流石に目が覚めたよ。なんで今日は起こしてくれなかったの?」
「今日は大学がお休みでしょう?」


2杯目の珈琲をダイニングテーブルに置いて、フランソワーズは自信満々に答えた。


「まあ、ねえ・・・」
「それに、毎回毎回、怒るじゃない!」
「・・・・ちゃんと起こしてくれたら怒らないよ!」
「普通な起こし方じゃ、起きないのはどこの誰さんなの?」


新しい珈琲の香りをすうっと胸に吸い込みながら、むっとしたように突き出した唇でマグの端に触れる。
ずずっと、音を立てるようにして、1口、飲む。


「・・・ボクです」
「・・・ね!」


焼く前にたっぷりとバターを塗る。
それがジョーのお気に入りのトーストの食べ方。

お皿の上のトーストは、すでに半分ほどジョーの胃に収まっていた。
トーストを乗せたお皿の隣にはフルーツ入りのヨーグルトも一緒に置かれている。

フランソワーズはジョーの朝食を用意した後に、彼の隣のいつもの自分の席に座る。

彼女は戦闘中や、どうしようもない状況でない限り、絶対に家族を”1人で食事”させるようなことはしない。

相手が誰であろうと、その人が食事を終えるまで側にいるのが、フランソワーズ。
そのために、ギルモア博士はどんなに忙しく、研究に夢中になっても食事の時間は必ずダイニングルームへやってくるようになった。

研究室で1人で食事を取る(イワンは夜の時間だった)ギルモア博士を観てしまったフランソワーズは、その場で大泣きしたのは、いつだっただろう、と。ジョーは、ふと思い出そうと思考を巡らせた。







フランソワーズの前には、飲み物も何もない。


ジョーの隣に座り、両の肘をテーブルについて。
白くて可愛らしい手のひらに、芸術的なラインを描く顎と、ほんの少し色づいた頬を包み込むようにして乗せてジョーが朝食をとる様をじっと見つめていた。


レース仕立てのキャミソールに、七部袖の薄い生地を重ねた、襟ぐりが大きく開いたカットソーが引っ張られた感じに彼女の腕を露にする。


首元を飾るのは、ずっとつけっぱなしにしている、ジョーからのクリスマス・プレゼントにもらったペンダント。


「トーストのおかわりは?」


マグをテーブルに置いたとき、綺麗な左右の鎖骨の間に光る、ピンクゴールドの小さなローズに自然とジョーの視線が流れた。

彼女が口にした質問に合わせてかすかに揺れた。


「う、ん、あ?・・あ、ううんっ。大丈夫、これでいい、j。十分だよっ」


お皿の上に残っていたトーストをジョーは慌てて口の中に突っ込んだ。


「そお?」


本当にもういいの?っと問い返すように、ジョーの声を覗き込む青。
彼女瞼が数回瞬く。



その風に。
炭酸水のような、刺激。


シュワっと弾けた、想いが照れくさい。



「フランソワーズ、まだ外は寒いんだから、そんな薄着をしていたら風邪引くよ?」
「大丈夫よ、最近はすっかり温かくなったもの」


ふふ。っと微笑む。



「駄目だよ、油断大敵」
「邸の中だけでもいいでしょう?」


おねだりするような甘えた上目遣い。


「家事をするのに、汚れるよ?」
「そんなの気にしていたら、何も着られなくなっちゃうわ」


拗ねたように、頬を膨らませた。


「お出かけ用とか・・に、しない?お気に入りなんだろう?」
「そうやってクローゼットに眠らせておく方が、スカートに失礼だわ!」


火照る頬をごまかしたくて、ごくん。と、飲み込んだトーストの後に、冷たいグラスにもられたフルーツヨーグルトを手に取り、忙しなくデザート用のスプーンを動かす。


「ね、ジョー!」


キッチンとダイニングルームの仕切りとなっているキッチン・カウンター。


「観て!」


フランソワーズはついっとイスから立ち上がり、ダイニングテーブルとキッチン・カウンターの間の広いスペースに、フランソワーズは立った。



「?」


ジョーの視線がフルーツヨーグルトからフランソワーズへと移る。
右の頬がかきこんだフルーツのせいで膨らんでいる。

もくもく。と咀嚼をしながらフランソワーズを観る。


「ね、観て!!このスカートは毎日着たいくらい、素敵なのよ♪」


フランソワーズ軽く両手を肩の高さにまであげて広げた。
その優雅な動きと、ぴん。と指先まで行き届いた神経に、彼女がバレリーナであることを改めてジョーは意識する。


左足を軸に体重を預けた。
右足を30cmほどのに離れたところに添える。
膝を軽く曲げ、軸足のかかとが浮いた。
すっと珈琲の香り立つダイニングルームで深く息を吸うと肩が開く。
上半身が左の方向へと勢いによくひねると同時に、右足がフローリングの床を蹴った。


「!!」


くるり。っと、ピルエット。



ふうわり。っと、スカートが浮き上がる。
柔らかなスカートが、フランソワーズの回転に合わせて広がる。


「ね!素敵でしょう!」


また、くるり。くるり。と、さらに勢いをつけて回転した。




膝丈の長さのスカートが風に乗る。
浮き上がって、広がって、そして・・・・。





「あ」





普段滅多に観ることのない、引き締まった膝上。






春の花。

揺れるスカート。










ふとももが眩しい。








「ジョー!?」





目に飛び込んできた、輝きに手の力が抜けた。







「うわ!」


手に持っていた、半分も食べていないフルーツヨーグルトのグラスの器をジョーは膝上にべっとりと落とした。


「も!何やってるの?!」


ジョーの膝の上で跳ねたグラスの器が、フローリングの床でかしゃん!と音を立てて割れる。


「フランが悪いんだよっ!!急にっそんなっ邸でバレエ禁止!!!」
「ええ?!」


キッチンへ駆け込んで、布巾を手にもったフランソワーズに乱暴に言い放った。


「バレエも、回転もっスカートもっ禁止!」


フランソワーズは、割れたグラスを避けるようにしてダイニングテーブルの右側から回り込み、ジョーの元へと近づく。


「フランは、もうっ防護服かズボンだけ!」
「も!立って!!汚れちゃったズボン洗濯するから脱いでちょうだい!」
「うわああああああっっ!フランっどこにっ!!ちょっ!!グラスが危ないからっ!バスルームで脱ぐよっ自分で脱げるしっ!!」
「あっちもこっちも一緒よ!割れたグラスが跳ねてズボンについてるかもなの!だから、ここで脱いで!!」
「嫌だっ!駄目だっっフラアアアアアアアアアンッッ!」


わーわー、キャーキャー賑やかな声がギルモア邸のダイニングルームを彩る。


「も!ジョーの下着なんて見慣れてるし!誰が洗濯していると思ってるの?!」
「それとこれとはっ違うからっ!」
「駄々こねてないでっ!もうっそれでも009なの?!」
「関係なあああああああああいっ!!」
「ほらっ、イワンで慣れてるから」
「イワンって!!赤ん坊と一緒にしないでくれっ!!」








####


ギルモア邸の新ルール。


ー。 スカートでのピルエット(バレエ・回転技)禁止
ー。 緊急事態(戦闘時などの負傷の場合など)人のズボンを脱がすこと禁止(特にフランソワーズ!)






「・・・・禁止にしちまったらあ、ジョー自身があとで困らないかあ?」
「それは100年くらい先の心配アルヨ。その頃には、また新ルールができてるネ!」
「それに、フランソワーズはスカート派じゃ!関係ないぞ!」
「「博士・・・」」








end .





*久しぶりだと、ノリが変・・・(涙)
 
・おまけ・


「・・・・白のレースかあ」

web拍手 by FC2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。