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デコピン/ボクは二度と彼女にデコピンしないと思う
「ジングル~べええる♪、ジャングルべええる♪、ベンガルべええる♪すっずがあ、なある~♪」
「はい?・・・・ジャングル?・・・それよりベンガル・・・て?」
「猫よ!」
「・・・ベンガル猫が、どうしてジングルベルを鳴らすわけ?」
「ドラちゃんにもついてるわ!!」
「・・・そうだね」
「韻をふんでみたの」
「そう・・・。勉強してるんだね、その意味のわからないアレンジも、ちゃんと勉強されての成果だったんだね?..そういえば来年は寅年だったね」


ジョーとフランソワーズの2人は住んでいる邸の2階、ジョーの部屋前にある収納室にいた。
十分に部屋として使用できるほどの広さと見晴らしの良い大きな窓があるけれども、室内の形が細長い不自然な長方形のため、私室としては誰も選ばなかった。


「ツリー、どこおお?!」
「去年、どこにしまったのさ?」


そのために、いつの間にか「日常生活の中であふれたものを収納しておく部屋」となっていた。


「この辺よ!」
「オーナメントや電球類はあるけど・・ツリーはないよ?」
「え~・・・、ジョー、食べちゃったの?」
「なんで、食べるんだよ・・・」


大きな窓が設えられた壁に沿って置かれた業務用の棚。


「だって、ないなんておかしいじゃない!」


下から2段目に置かれていた箱をフランソワーズが取り出した。


「本当にここに?1階の収納室や、地下は調べてみた?」
「一緒にここに閉まったのっ。こうやって、オーナメントをおいて、で。ジェロニモが・・」


収納棚の隣に、スキー板と紛れて枝をきっちりと縛られて立てかけられている筈のクリスマスツリーが、見当たらない。


「私がオーナメント類を持って、で。ジェロニモがツリーを抱えてくれて・・・で、ジョーはアルバイト先の忘年会にうきうき♪と出掛けていて手伝ってくれなくって、それで・・・お土産は喜九屋のアイスクリー・・・・」
「・・・そんなことまで覚えてるの?」


約1年分の埃をかぶったツリーオーナメントの入った箱を抱え、去年ツリーを片付けた12月27日の午後を再現してみせるフランソワーズ。


「ジョーが食べてないのなら、誰が食べるのよ?」
「・・・なんでボクが食べるんだよ、”木”をさあ・・しかも作り物だし・・・」
「食べたもの!最後の一個!・・ツリーを飾り付けた後に半分こにしようって思ってたのよ、それなのにっ」






---ん?


会話がどこかで食い違っている。


「最後の一個?」
「そうよ!」


「どうしてこう話がぽんぽん飛ぶのだろうか?」と、ジョーは下唇を押し出す形で埃っぽい収納室内で大きくため息をついた。
女の子は会話があっちいったりこっちいったり、耳に入って来る内容のまとまりなさにいつも驚かされるが、フランソワーズも例にならってその1人。


「・・・・最後の一個」


ぷうっと頬を膨らませたフランソワーズは、手に持っていたオーナメントの箱を床に置いた後、大きな瞳をきっとつり上げてジョーにむかって抗議の姿勢をとった。



---どっから話しが・・・。去年のお土産が、・・・喜九屋のアイスクリームがお土産で、・・・あ。



「もしかして、昨日の夜にボクが食べたあのアイスクリームって、フランソワーズのだった?」
「食いしん坊さんなんだから!」


---どっちがだよ・・・。




「名前、書いてなかったよ?」


どうしても食べられなくない食品は名前を書いておくこと。


「最後の1個は私のって決まってるでしょ?」


それが、”大家族”であるギルモア邸の規則(ルール)。たとえ、1年の半分以上を4人(ギルモア、フランソワーズ、ジョー、ジェロニモ {イワンは食べられないので含まない})での生活だとしても、だ。


「・・・・そんな規則(ルール)いつできたわけ?」
「今♪」
「今なら、食べたのは昨夜だからカウントされないよ!」


中指をまるめて親指にひっかけ、中指を伸ばそうとする力を加えた形でフランソワーズのおでこにむかって親指を弾くように離した。


「いったーぃ!」


ペチン!と軽い音を収納室に響かせ、デコピンを一発。
ぱっと両手でおでこを押さえながら、フランソワーズから向けられた視線にジョーの体温がぐん!と急上昇。

顔からこぼれて堕ちてしまわないかと心配になるほどの、大きな瞳が一瞬にして、きらり。と強い光を放ち、言葉にしようがない厳しさを含む凄みを増した。


「なにするの!」



---あ、・・003だ。


「何って、デコピン・・・、ごめん。そんなに痛かった?」
「死んじゃうわ!」


それは、003の瞳の光。



「いや、それはないって」
「でもっジョーは009なのよ!最強のサイボーグが繰り出すデコピンにどれほどの殺傷力があると思って?!」
「大げさだなぁ」
「大げさじゃないの、気をつけて!」


普段は花が咲くように明るく、無邪気でおもしろ可愛い不思議な魅力を振りまき、愛らしい仕草で魔法をかけたように邸のすみずみを管理する女の子。
 

「ええっと・・ごめん」
「痛いのよっ」


だけれど、ひととき、何かの閃きをこころに宿せば、一瞬にしてぞっとするような鋭敏できりりと肌を冷たく緊張させるようなオーラを放ち、003である彼女が姿を見せる。


「ごめんって・・・・・木が見つからないのなら、さ。ほら」
「・・?」


たとえきっかけが”デコピン”でも。


「オーナメントがあったって飾れないし。・・まあ、食べてしまったお詫びも兼ねて、デパートへ行かない?」
「新しいツリーを買うのっ!?」
「それはまだ。誰かが移動したかもしれないだろう?みんなに訊いて一応他を探してからだよ」
「間に合わないわ!」


だからこそ、フランソワーズと003は間違いなく同一人物だという証明でもあって。


「まだまだ間に合います。いっそのこと25日後のセールで買った方がいいかもよ?」
「まあ!なんてことを言うのジョーっ!クリスマスにツリーがないなんて!いけませんっ」


小さな子どもにむかって叱るような、お姉さん目線でフランソワーズはジョーの鼻を人差し指と親指できゅ!とつまんだ。


「駄目なのよ、ジョー。必ずツリーはクリスマスのイブ前。最低でも1週間前には飾らなくて駄目!」
「了解、わかったよ、でもさちゃんと探してk・・・」


フランソワーズの持つ2面性のギャップに、ジョーはたまらなくなる。


「ねえ、ジョー」


おねだりするときに少しだけ艶を増す、フランソワーズと003のちょうどバランスのよい中間の声。
ジョーの鼻からは離れた手を、甘えるように彼の腕に添えながら、空を見上げるように、かくん。と首をそらせた彼女の動きと同時に、009の感よりも、”男ゆえの感覚”がジョーを襲った。


「?!」


腰辺りの皮膚がやけたようにじわりと燃え上がり、尾骨をスパークさせるように響かせながら心臓に達した衝動。それが血管を駆けてゆく合間に、想いの化学変化によって甘味を増し、自分がどれほどフランソワーズに捕われているかをきりきりと締め上げるようにうずく下腹部で理解する。




---ヤバ・・・い・・・。




いくら湿気大国日本でも、寒い冬は空気がからりと乾燥する。
収納室に入る前にフランソワーズがいつも持ち歩いているリップを、語尾をくっとあげて話すのに相応しい、少し尖らせる形をするとハート型になる可愛らしい唇にのせていたのを見ていた、ジョー。
自然と目がそちらに注目しながら、ごくんと大きく喉を鳴らした。




---ヤバ・・・い・・・な、・・こ、こ、ここから脱出しなくちゃ・・・。ヤバい、ヤバい・・ヤバい、ヤバいっヤバいっこれっヤバいっ!!





触れられている手が、じゅうじゅうと気持ちよい音とたてて焼かれる感覚に、どくどくと反応する心臓は決してフランソワーズには知られたくない場所へと集まっていく。
空気の入れ替えのために開けた窓のブラインドは降ろされたまま。ルームライトは付けておらず、日中だけれど置かれている物たち威圧感も重なって室内は薄暗い。


「ねえ、(クリスマスツリーが)どうしても今、欲しいの・・・」


()部分のフランソワーズの声を009脳が潔く都合よく排除。





---あああああああああああああっ!!げっんかいっっ!





「ジョーフランソワーズ、ツリーはココじゃないってさ、」





---p・・た、助かったっ!!






心やさしき海の戦士、ひょっこり収納室のドアから頭を出して地上最強のサイボーグ戦士を救った。


「ピュンマ!そうかっ!わかった!!ありがとおおおおぉぉぉぉっ見て来るっボクが見て来るよっ!!」
「うわっあぶないよっ!


加速したと思うほどの勢いで収納室を出て行くジョーに、ピュンマだからこその反射神経で彼をよける。が、勢いにしたたか廊下の壁に背をうった。


「・・・いてて、もう・・まったくまだまだだなあ」


その勢いとスピードに驚きぽかーんと見送ったフランソワーズが、呟いた。



「そんなに・・嬉しいなんて・・。私ジョーの気持ちわかってなかったわ」
「嬉しい?」


フランソワーズの言葉に、ピュンマは自分が2人の間を”邪魔をした”か”救った”かのどっちかを計りかねる。
収納室前の廊下に数分感、気配を計sて様子をうかがっていたピュンマは、自分の男の感を信じて行動したのだけれど。


「ここにね、今までつかっていたツリーがなかったから、新しいツリーを買いましょうって話をしていたの」
「ふんふん」


ピュンマは収納室へと入りフランソワーズへと歩み寄りながら、彼女の言葉に相づちをうつ。


「でもジョーは、・・・あまり乗り気じゃなくってね。普通誰でも新しいのを買うって思うとわくわくするハズなのに」
「なるほどお」


フランソワーズに自分が男である”生々しさ”を絶対に知られたくないらしいジョーを察する、ピュンマ。
そんな無駄な正義感などかなぐり捨てて行動すれば、こんなじれったい思いなどしなくていいのになあ。と、ピュンマはジョーがある意味”公私混同”している姿に同情する。


---彼女を”守る”の意味で、自分で自分の首を絞めているとしか思えないねえ。




「きっと・・・私たちには言えない事情があるのよ。今まで使っていたツリーじゃないと駄目な・・。察してあげられなくて、申し訳なかったわ・・・」
「ま!それはそれでもういいんじゃない?ツリーは裏のガレージにあるんだ。ジェロニモがすぐにオーナメントを飾れるようにって、掃除したんだって昨日」
「まあ!そうだったの!!」
「だから、これはこれでおしまい。それよりさあ、フランソワーズ」
「なあに?ピュンマ」
「僕と一緒にオーナメントを持っておりようよ。こんな埃っぽいところからさっさと出ないと、喉とか痛めちゃうよ?」


ピュンマは収納室に入っていき、オーナメントの箱を抱えた。


「ええ。そうね、そうしましょう♪」


フランソワーズもピュンマにならってそれらを手にもつ。


「それでさあ、(僕は一昨日日本に返って来たんだよ)久しぶりの日本だし、もちろん張大人とフランソワーズのご飯も楽しみだけど滞在中はたっぷり楽しめるからさ、どう?僕と一緒にちょっと食べ歩きにでない?」
「素敵!行くわ!行く行くっ!!ピュンマっすぐに支度するわ!」


収納室から出て、ジョーの部屋、ピュンマの部屋と通りすぎていきながら、2人は楽しそうに会話する。


「じゃあ、ジョーも誘ってよ。車を出してもらいたいな」
「あら、ジョーはいいの。昨夜は美味しいアイスクリームを1人で楽しんだんですもの!2人で行きましょう!」
「・・・・いいの?」
「い・い・の!車でなんてっぴゅーっと通り過ぎちゃっておもしろくないわ!ねえ、駅前のゲームセンターにも寄って行きましょうよ♪ね?」
「うん、そうだね。たまにはのんびり公共交通機関を使っても楽しいよね」
「うふふ♪素敵、素敵、何を食べようかしら♪」
「あ、ちょっとだけ、おもしろそうなお店は調べてあるからさ」


ピュンマは楽しみにしてて、と。ウィンクを1つ、可愛い妹との久しぶりのデートにピュンマはウキウキと心を弾ませた。









end.










*おまけ*


<ジョー、どこにいるの?僕がフランソワーズとデートしちゃうよ?>
<っ!>
<”早く”すっきりさるか落ち着かせるかして合流しよーねー。僕は待つ気なんてないからねー>
<っっ!!>
<あ、何か”おかず”になるのそばにある?>
<っっs!!!>
<いらないかー。ジョーの補助脳のメモリって一度は解析したいよねー(笑)>
<うあああああっうるさいっピュンマっっ!!>
<あはははっ♪>


*おまけでしたー・・・*
















今ごろになぜ?!と、自分が一番思ってます(苦笑)
来年まで置いておくのもなんなんで。・・・アップです。




ビバ☆黒ピュンマ(笑)

付けたし↓

そして、・・・私はむっつり大魔王らしいです(友人談)
こういう話しは大丈夫でしょうか?・・・地雷の方いらっしゃいます???(ちょっと不安)

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