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願いを夢に描く。
ステージIの眠りから、ステージIIIまで、およそ2日かかる。
その間、無意識に半径700m以内にいる何らかの思考の念が僕の脳に様々な影響を与える。

寝入りどきに見る夢は、その人物と僕との関係に大きく左右されることが多い。

だいたいは、邸にいる家族の夢だけれど、不意にギルモア邸近くを通りかかった乗用車を運転する男の意思が飛び込んできたりもする。
パチンコで消えた今月のお小遣いを、なんとか巧く奥さんから割り増してもらえないかと、あれこれ計画を立てていた。
その計画がぽん!っと僕に伝わってきて、機嫌がよければ、たまにアドヴァイスしてあげたりもする。




その逆もあったりして。






完全なステージIIIに入ると、僕は外界から完全に切り離される。

ステージIVのとき、僕自身まだちゃんと分析できていない。
この状態のとき、僕の能力はとてもナチュラルで安定した状態で解放されているのではないかと考えている。

その辺りは、今後のギルモア博士との研究課題として進めていく予定だ。






目覚めの時間が近付くころ、僕は意識的にある思考の念を探し始める。
その念のご機嫌具合によって、僕の寝起きの良さが決まると言っても過言ではない。
いつから、そういう習性ができたのか、覚えていない。

僕はそうすることによって何からの精神安定を求めているのだと、考えていた。




僕は001/イワン・ウィスキー。



父による脳改造手術と、0歳児の状態でのサイボーグ化により、成長するのか、しないのか、わからない躯になった。



15日ごとに訪れる、昼と夜の時間。

人の世の1ヶ月が僕にとって1日にも満たない。






無防備な赤ん坊の姿の状態で”夜”を迎えるときの不安は、ときには僕のテレキネシスの暴走に繋がる。
(ここ数年はそういう感情的な子どもっぽい暴走はしなくなったけどね)



それは、昼を迎えるときも同じだった。
(けれど新しく覚えた”習性のおかげで滅多に暴走しなくなったんだ)





目覚めたとき、まったく知らない人間(たまに違う異星人)に囲まれていたことが何度あったことか。






やれやれ。
天才(エスパー)も大変なんだよ。


せめて、この躯が・・・大人であれば、少しは状況が違っていたかもしれない。って、何度思ったことか。















たとえば・・・。











「どこへ行くの?」


ジョーの声。


「イワンのミルクの用意をするのよ」


僕が探していた人の、声。


「え?・・・・まだ起きてないよ?」



何度目かのレム (REM) 睡眠に入った僕は、半覚醒状態。
しっかりと彼らの声を捉えることができる。
そして、自分がどこで、どういう状態であるのかも。


「もうすぐ起きるわ、だってイワンが呼んだんですもの」
「呼んだ?・・・・イワンがキミを?」


僕はどうやらリビングルーム用のベビーベッドの中にいるようだ。
ジョーの思念がフランソワーズのよりもずっと強いのは、僕について考えているから。


彼のこころを覘いている訳じゃないよ。
かってに流れ込んでくるんだ。

半覚醒状態の僕の場合、ちょっとしたことで、簡単に人物と波長と合ってしまう。これは遠隔感応力が強くなっているためだ。精神感応力とも言うかな?でも僕の場合はその距離範囲が広いから、前述の遠隔感応力の方がピッタリとくる。
これらのある程度のコントロールは可能だけれど、完全に覚醒したときと比べれば40%以下。

こういう時は気をつけないと、意外と強く相手と何もかも共有してしまって、精神的ダメージを負ってしまう場合がある。



だから、僕はあえて彼女を追う。



守られて、愛されている、彼女を追う。





「・・・ボクには何も聴こえないよ?」
「聴こえるんじゃないの、感じるのよ」
「・・・・・何も感じないk・・・・イワン?」


ジョーが僕を抱き上げた。
たくましい腕の中に、抱かれる。













たとえば・・・、


そう、たとえば、もしも僕が改造されたのが、ジョーと同じ年だったら。
僕が彼と同じ視線で物を観て、聞いて、感じることができる、大人の躯であれば。








彼女が僕を、では、なくて。

彼が彼女を腕に抱く、ように、僕が、彼女を・・・。














「・・・・駄目だよ。フランソワーズはボクのだから」










彼女を追う僕を、彼が遮った。















僕は彼女を追う。
彼女のこころを追う。


たくましい腕に守られ、支えられている、彼女を追う。

















これは僕の夢。

ほんのつかの間に体感する儚い願い。










僕の腕が003/フランソワーズを抱きしめて、守り、支えて、愛し、愛される、009/ジョーであれば・・・・。





と。












夢をみる。











「・・・・イワン、君がボクと同じ年だろうと、立派な男だろうと、フランソワーズはボクのだよ」










・・・・・・・夢くらいみさせてよ。



「ダメ。夢だろうと、なんだろうと、ダメなものはダメ」









ったく!





















僕はジョーの腕の中で思いっきり盛大に激しく、泣き叫んでやった。





「ジョーっ!!!イワンに何をしたのっ?!」


キッチンから駆け出して来るなり、僕をジョーの腕から救出してくれる、フランソワーズ。


「なっ!何もしてないよっ!!」
「嘘!!」










へっへーん♪
今日の午後のデートはこれでキャンセルだね!
















end.






















*・・・イワンはミステリアスです。

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