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color
何色の赤だと、言えばいいのか。

無限にある赤の種類を人の言葉にあてた数の中で、自分が知っているのは、言葉を覚え始めた赤ん坊が口にする音よりも、少ない。


魅力的は色だと思う。
それは生命の奥底に眠る闘争本応を呼び覚ます色でありながらも、アダムとイブが生物学的に男と女であったと象徴する色でもある。



空は何故にその色を纏うのか。
燃え盛る炎の禍々しいほどに貪欲な激しさはないけれど、何も主張しないがために、それは不気味に感じられた。



なぜに人の中に息づく色と同じ色を纏うのか。
時にそれは醜くも悲しい色となり、時にそれは2つを1つにする神聖なぬくもりを唱える色となる。

両極端な2面性をを持つ色を、なぜに空は描くのが。
ふと見上げた空の赤に、よみがえらせる記憶はどちらなのか。







地平線が、その境目の狭間を色のない色で引く。

ゆらり、ゆらり、と、揺れるのは、自分が揺れているのか、風に揺らされているのか、風が揺らす波に揺らされているのか。

それとも、胸元にしまわれている疼きに揺れているのか。
判断しかねる揺れに身を任せて。



耳に聞こえてくるのは水の音。
色のない色は青に例えられることが多いけれど、目にする色は同じ空の色。

世界がすべて、夕日の色に燃えている。








その色を消さんと、涙するのは003。

彼女のこころは、激しく後悔と無念と、哀しみに覆われて赤い服を来た冷たい胸にすがり泣く。

愛する者への想いに染めた胸は赤く。
遠く届かない場所で戦う想い人と同じ戦闘服は赤く。

髪に飾ったカチューシャも、赤く。

救いだしてみせると、近い飛び立った仲間の髪も、目にする色と変わりなく鮮やかな色だった。






この色が消えるとき。
我々の未来は、どこへ揺れ流れていくのだろうか。










---

彼女が手にした色は、再び赤だった。
驚きと一緒に、それを咎めるように口にしたのはグレート。


「おいおい、フランソワーズ、なんだ、その・・縁起がよくないぞ?花嫁のブーケがなんでそんな・・・」


汚れのない白に身を包んだ彼女の手には、赤い色の花々。
丸くラウンドする形に赤だけでまとめられて、愛らしく整えられていたが、白一色の花嫁が持つには、そのブーケはあまりにも強く、毒々しく見える。


「だって、・・・」



新しく新調された防護服は、青だった。
まるで彼女の瞳を写し取ったような、青だった。


「嫌いじゃなかったのか?その色は・・辛いことばかり思い出すって・・・」
「そうね、でも・・」


手に持ったブーケに負けないほどに、美しいその頬を染め上げて、フランソワーズは言った。


「・・・変な話しなんだけれど、この色が1つもないと私はすごく不安なの」
「なんだい、そりゃあ・・・」


新調された防護服に、赤い色のマフラー。
それは過去の戦歴を染めた色のように思われた


「彼の・・・色、だもの・・」
「心配せんでも、これからはどんなに泣いて叫んでイヤがっても、永遠にジョーはフランソワーズのもんだろう?」


グレートは振り返って、壁際にひっそりと立つもう1人の今日の主役へと視線を向けるが、きっちりと結ばれたばかりのタイを緩めようと首もとに指を突っ込んだところで、そのタイを結んでやった男に注意されていた。


「そうね・・・。でも、寂しいのよ」
「どうしてだあ?今日という日は人生で最高の日だろう!」


まるで舞台に立ったように大げさに腕を振り上げて今日と言う日を、祝おうと、踊りださんばかりに、グレートは花嫁の控え室にいる家族たちを盛り上げようとする。


「ねえ、グレート」
「?」


小さな教会の2階の1室が、日曜学校に使われる部屋らしく、窓のない左側の壁に寄せられた机や椅子が、今日は学校ではないことを伝え、いつもは聖書の言葉を書くために壁に釣られているホワイトボードが、教会の倉庫から出された大きな姿見と換わっていた。


「赤は・・・」


フランソワーズがグレートを呼び寄せて、その耳にそっと内緒話を持ちかけようとしたとき、木造のドアが厳かにノックされた。


「そろそろ、時間ですが・・・」


ドア近くの壁に、着慣れない礼服に躯を固くしてもたれていたジェットがドアノブをひねり、神父を部屋に迎えた。


「とってもお綺麗ですよ・・・」


言葉途中に、部屋に入って一番に目に留まったフランソワーズの姿に、感嘆の声を上げた。


頬を染めて恥ずかしげに伏せた瞳。


<赤は”私たち”の色でもあるでしょ?・・・・、だから、よ・・>








「大丈夫、かな?」
「ええ・・」

赤いブーケを持つ彼女に、緊張気味に近付いてきた人の胸にも、揃いの花が飾られている。





グレートは目を細めて2人を視界に留めた。


「・・・ねえ、奇麗だよの一言くらいあってもよくなくて?」
「・・・・・・・ええっと、・・・うん、よく似合ってる」








赤をその手に、胸に飾った2人の覚悟。
その手を取り合い、次の戦いに挑むために・・・・。








教会の鐘が厳かに鳴り響く。

2人を祝福するために。
始まりと終わりを示す、鐘が鳴り続く。











end.









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