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aLiCe
紛失した「妄想種」データ・・にのせていたお話です。書きファイル発見!
内容同じですが文は書き加えてます。

平ぜろの”星祭りの夜”に出ていた、不思議な女の子が出てます。





「・・・・・家はどこ?」

どこからついてきたのか、どこからやって来たのか。

「・・どうして、ついてくるの?」

いつから、自分と並んで歩いていたのか。

「あなたに用があるからにきまってるわ。おばかさんね、ジョーは、ふふふっ♪」
「・・・っ」

ツインテールの髪を跳ねさせた小学校3、4年生くらいの女の子が、いつの間にか自分の隣を歩いていた。

「・・・・フフ、びっくりした?ねえ、びっくりした?」

コンビニエンス・ストアくらいの店しか開いていない時間に、まるで学校から帰って来てすぐに友達に会いにやってきたような気軽さで、ふらふらと鈍い足取りで駅から離れたアパートメントへの道を行く自分についてくる。
のんびりと、「今の子はこんな時間まで塾通いなんて大変だなあ」などと思ったりしていたが、その子は小さなポシェット1つ肩からさげているだけ。それらしい勉強道具の詰まった鞄をもたない子どもではないことに、改めて注意深く女の子をみて気がついた。

「・・・し、しないよっ・・教会に通ってる子だろ・・っ」

偶然行き先と歩調があっただけかと思ったけれど、ぴたりと隣を歩かれて、くすくすとしたその年齢ならでわの愛嬌のある顔で見上げられては気になって仕方なく、足を止めて尋ねるしかなかった。

「ぶー、残念でした。教会なんておもしろくもなんともない所だもの、興味ないわ。無宗教なの。・・・でも、あなたのこと知ってるわ、たーっくさん!」

ジョーは左右規則正しく出していた足を止め、訝しい顔つきで彼女を睨むと、女の子は楽しそうに笑う。

「私はアリスよ。可愛い名前でしょ?気に入ってるの」
「名前なんてきいてない、教会の子じゃないんだったら・・・家はどこ?こんな時間まで1人でウロウロしてるなんて家の人が心配してる」
「心配してくれるの?」
「・・心配してるのは、君のお父さんやお母さん・・・だろ?なんでこんな時間に・・・・」

真っ暗な空の下。
街灯下で見えない星明かり。
民家が続く町中、すでに家に灯る光も、暇つぶしにもならない数しかない。

「子ども扱いしないでちょうだい」

どこの家の子だ?と、周りを伺うように首を振った。
その様子をアリスと名乗った女の子が、嬉しそうに見ている。

「家はここな辺りじゃないわ、もちろん。教会でもないわ。そして、ジョーのアパートの近くでもないから、心配しなくていいのよ」
「・・・ああ、そう。じゃあ心配しないよ」


夜は完全に静寂をまとい、人気のない色独特な香りがジョーの肩を震わせた。その震えを誤摩化すように、ジョーはジーンズのポケットに両手を突っ込み、歩き始めた。

女の子が自分の名前を知っている可能性を頭に浮かべながら。


ジョーは、教会が運営する施設に物心つく前から、1年前まで身を寄せていた。
場所が場所なだけに、地域交流のためのイベントが多く、それほど子どもの数も多くなかったために”教会の子”として今でも名前と顔はよく知られている。
教会を出て一人暮らしを始めた後も、アルバイトがはいっていない日はなるべく、教会に帰ってその運営やイベントなどを手伝いにでかけていた。

だから、教会内の子かどうかは一目見ればわかる。
今身を寄せている子どもたちの顔と名前を覚えているから。それなら、日曜学校かコミュニティに入っていない、クリスチャンの親の子か、ヴォアンティア参加者の子か。




「前はもっと優しかったわ」


年頃に不似合いなませた仕草をみせる女の子に、「心配いらないならとっととどっかへ行ってくれ」と、直接口では言わずにこころの中で吐き捨てた。

「どうしてそんなに早く歩くの?」

ジョーが歩き出すと、またジョーの隣に鳴らんで女の子が歩き出した。

「・・・」

急に歩調が早まったので、アリスと名乗った女の子はむっと頬を膨らませる。足の長さの違いもあって、どんどん離れて行くジョーの背を見つめた。
小さな女の子を真夜中に町に1人、置き去りにすることに後ろ髪をひかれるが、アリスが言った”心配いらない”と言った言葉を繰り返し振り切る思いで足を速める、


「ジョーっ!」


名前を呼ばれた、その後に「よおー・・い、ドン!」と、女の子のかけ声が聴こえた。


「バイバイ・・気をつけて」


ジョーの横を駆け足で通りすぎたアリスと言う名の女の子。
上下に揺れるツインテールを見ながら、ジョーは呟いた。










家に帰れば、きっと心配していたお母さんが抱き締めて迎えてくれるだろう。
ちょっと怒ったお父さんが、彼女の無事を安堵しながらも注意をするだろう。



兄弟、姉妹がいれば、遅かったね。と、笑って迎えてくれるんだろうな。




おかえりなさい、と。
言ってくれる誰かが待っているなら、早く帰るのが一番だよ。








・・・誰も、まっていない部屋に帰る僕とは、違うんだ。











「ねえ!!!」
「ジョーはああああっ幸せえええっっ?」
「っ?!」


ジョーから2m弱ほど前に進んだ位置で急ブレーキをかけるように止まると、その勢いを殺さずにくるっと躯を回転させて、歩調を緩めていないジョーへとがば!っと勢い良く飛び上がって抱きついた。

思いきり腹部にタックルされたジョーは、衝撃に踏ん張った足がおおきく一歩下がり、靴底がすり減ったスニーカーが叩くアスファルトの衝撃を、足首の骨に直接響かせた。


「ねえ、ジョー、あたなは”今”、幸せ?」


小さな腕がぎゅうぎゅうと力一杯ジョーを抱き締めて、ぐりぐりと頭をジョーの腹にすりつけた。

「しあわせ・・って・・?」

アリスから、甘味のある花の香りが漂って来た。


よく知っている香り。
けれど、それの香りをどうして”よく知っているのかわからない。と、同時に、どうしてその香りを、アリスがいった”幸せ”と結びつけたのかも、わからない。


「教えてジョー。幸せ?」
















ボクは。

あのとき、なんて答えたんだろう?
あの子に、アリスって名乗った変な女の子に、僕は、・・・。












”ジョー、あなたは今、幸せ?”





邸のリビングルームのソファに比べれば、座り心地が良いとはいえず、バスよりも電車の方が睡魔に誘われやすいな。なんてつまらないことを考えながら、のんびりと流れていく風景を車内の乗客をなんとなしに観察していたハズだった。


「ふふ、ジョーってば寝言を言ってたわよ」

左隣に座っていた彼女にもたれることなく、窓におでこを押し当てて眠っていたらしい。

「え?・・うそだー・・・ぁ、」
「ほんとよ」

クスクスと嬉しそうに笑うフランソワーズにジョーは口をへの字に結んで、いつものように前髪に表情を隠した。

「寝てしまうなんて・・・」

次が降りる予定の停留所よ。と、耳元にそっと語りかけられながら、腕にそえられた手に揺らされて。

「珍しいわね」

2人が呼ばれた街まで、電車を乗り継ぎ、バスに揺らされて。

「うん・・・、おかしいなあ」
「昨夜、ちゃんと眠れたの?」
「いつも通りだよ」

ジョーの答えに、「そうよねえ。いつも通りだったわよねえ」と同意したフランソワーズ。だけれども、彼女はジョーが眠っている姿など知らないはずなので、。”いつも通り”がどういう状態なのか、知らないはずだ。
彼女は今朝の様子が”いつも通り”と変わらない様子だったの指して言っているのだろうと、想像できたが、その言い方が、ジョーにとってはなんともくすぐったい言い方だった。

不意に鼻先で短く笑ったジョーを覗き込み、どうしたの?と尋ねてきたフランソワーズに、彼は「別に、なんでもないよ」と、短く答えた。
フランソワーズはその答えが不満だったらしく、小さく唇の先を尖らせた。が、それは一瞬のことで、きらりと青い瞳を好奇心に輝かせてきゅっと口角を上げた笑みにころっと表情を変えてジョーに尋ねた。

「ねえ、どんな夢を見ていたの?」
「え?」

通りすぎていく、町の一つを”昔、この辺に住んでことがあってさ”っとフランソワーズに教えたのは、バスに乗って3つ目の停留所を過ぎたときだった。

「夢、みていたのでしょう?」
「なんで、そんなこと訊く訳?」
「だって寝言を言ってたもの」
「・・・言ってないよ」
「あら、私は003よ?その私が”言った”と言ってるの。ジョーは私があなたの声を訊き間違いをすると思っていて?」
「言ってない・・よ」



夢?

夢なんかみていたかな?



フランソワーズから視線を外して窓の外へと顔をむけた。
空の一番高い位置にまで上った太陽が、ご機嫌良く白く輝いている。窓の日よけネットをおろしながら、よくこんな眩しい中で居眠りできたな、と胸の中で呟き、夢を思い出そうとこころみる。

「・・で、僕はなんて言ったの?」
「気になる?」

フランソワーズは嬉しそうにくすくすと笑う。
その笑顔が悪戯ッ子のような可愛い意地悪さを含んだ笑みだったので、よっぽど変なことを言っていたのだと思い、ジョーは顔をほてらせて下唇を突き出した。

「いい、言わなくていいよ。僕は夢なんかみてないし、寝言も言ってないから」

フランソワーズは嬉しそうに笑い続けた。









バスを降りて、なだらかな丘を散歩するように歩く2人の間に、それきり会話はなかった。


会話がなくても別になんともない。

ただ、彼女が隣にいる。
視界に彼女がはいる、ときおり触れる、気配を常に感じ取っている。


少し甘い感じの花の香りが鼻孔をくすぐるだけで、十分に自分は・・・・。
それだけで十分に自分は彼女はコミュニケーションがとれていると、ジョーは思っていた。


フランソワーズの歩調に合わせるのがいつの間にか癖になっている。
その歩みを一歩一歩意識してみた。

不意に、自分の歩調を思い出すかのように、歩き始めた。
すると途端にフランソワーズと距離ができてしまう。








不安になった。
全神経が背中へと、背後を歩くフランソワーズへと向う。けれども、速めた歩調はゆるめることは出来ずにリズムよく左右交互に規則正しく足を出して行く。

「ジョーっ!」

フランソワーズは小走りになってジョーを追い掛けると、ジーンズのポケットに手を突っ込み少し強張った感じにつっぱた彼の腕に飛びついた。

「ジョー、私も!!」
「うわっ・・」

彼女の勢いに前のめりにバランスを崩しかけて、おおきく一歩前に出る。


「私も、今、とっても幸せよ!・・・・あなたと一緒に居るもの!」
「え?」


「大分靴底が減ってるわね、買い替え時だわ。時間をみつけて見てみましょうね」と、今朝邸を出る前に言ったフランソワーズの言葉を、踏ん張った足首に響いた地面の衝撃で思い出した。


「幸せよ!」
「・・・・・それは、・・・・その・・よかった、です」


ぎゅうっと抱き締められて、腕に押し付けてられた感触と、彼女の体温がダイレクトに皮膚組織から神経を通り、ジョーの心臓へヒットする。
その衝撃にも耐えるために、ジョーは深く空気を吸い込んだ。








---ああ、フランソワーズの香りだ。






”ジョー、あなたは今、幸せ?”


”うん。”



”本当に?”


”本当に。・・・・フランソワーズと一緒にいるからね”


”フランソワーズ?”







「そうだよ、彼女がいるから、今とっても幸せなんだ」

「幸せなのね!よかったあ!!」


アリスはぎゅうっと抱き締めていた腕をぱ!っと離して、ジョーを見上げた。






「その、フランソワーズって可愛い?ねえ。私とどっちが可愛い?」



















end.








*ジョーとアリスの関係ってタイムとラベルができる女の子(と私は決めつけ)なので、
未来の・・子孫とかそういうのと結びつけてしまいますです。
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