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千年に一度のサービスデー?
「ね?」


きらきらの青。


「・・ね?って・・言われても」


動揺と理性の間で揺れる褐色。


「だって、ね!そうでしょう!!」
「うん、そうだけど・・・」
「ね、ね!!すごいと思うでしょ!!」


ジョーがバイトで通う大学が休みだった、一週間はあっと言う間に過ぎて、明日からまた、普段通りのバイト生活が始まる。


「ね!」


朝食の時間内に、ダイニングルームがある階下に降りて行かなかったなら、まだ、わかる。学生に合わせたスケジュールのために、朝が早いジョーのアルバイト。
朝があまり強いとは言えないジョーにとって、日によって目覚まし時計3つセットしても起きられない日があるため、フランソワーズの協力はとてもありがたかった。


「・・・・・・いや、それより、・・まともに、普通に起こしてくれる・・と、嬉しいんだけど・・・」


普通に起こしている間は。と、付け足しておこう。

ジョーは深い深いため息をつきながら、同じベッドの上にいるフランソワーズから腰を引くように距離を取る。
サイボーグ改造9番目の自分には、とある実験を考慮されて、”そういう機能”が残されていると、早い時期にギルモア博士から説明されていたため、一般青年男子の朝の事情をフランソワーズにバレないようにすることに必死だった。


「も!すごいのっ」
「・・・はい、わかりました。すごいです・・だから、さ・・・」


部屋のドアをバーン!っと勢いよく開けた瞬間、Diving Body Pressで、ジョーの上に落ちたフランソワーズ。の、第一声は「すごいわ、ジョー!」だった。

その言葉の意味を理解するまでの間、別の意味の”すごい”で、もしや朝の事情を見られたのかと狼狽える彼は、今が009抹殺の最大チャンス!と言えた。


「うふふ♪」
「・・うふふ、じゃないって・・・」


危惧していた内容ではないとわかったけれど、興奮気味な彼女にむかって、「サイボーグだから大丈夫とか、そういう問題じゃないんだよ!」と、怒るべきタイミングを逃してしまった、今日。


「ね、ね?素敵だわ!!」
「フラン、・・・あのさあ」


朝の起こし方シリーズにプロレス技が組み込まれたのは、ほんの数ヶ月前。
技の種類が豊富なことと確実に技を決めることから、フランソワーズの背後にジェット、もしくはピュンマがいることが解る。

普段なら、ジョーが起きたことを確認すると、さっさと部屋を出て行くので、それほど警戒することがないジョーだけれど、今日は違った。


「ちゃんと見て!!」


彼女のお気に入りの、卓上日替わりカレンダー『水木○げる・浮世絵/妖怪道365』を手にもって、ジョーに迫ってきたのだ。


「見てます・・から、ちゃんと、見て、・・・あの・・さ、・・・・み、見えるから、その、そんなに近付かなくても・・」


顔につきつけてくる、カレンダ-の日付が”9/9”プラス、”2009”。


「9がいっぱい!それにね、2”009”で、9月9日ってすごいと思うわ!!」
「・・・すごい、すごい、・・・だから、ね?」


---・・・勘弁してよ・・・マジで・・・。


棚作りになっているヘッドボードに背中を押し付け、ちらりと、棚の右側にある3つの目覚まし時計を見て、その6個の針が指している時間に、脱力する。

6時46分・・・(2)51”7”、(3)52”8”、(4)53”9”・・・3つの時計の秒針はカチカチと、それぞれ気ままに走っている。


「素敵よね!」
「・・・はい、素敵です」


躯の上に降ってきたフランソワーズを押し除けるのと一緒に、腰をぐっと引いて枕と掛け布団を重ねてカバーするジョーは頭の中でフランソワーズのプロレス技にかけて一生懸命に、プロレスラーのオイル過剰塗りな肉体美を想像し続ける。が、目の前のフランソワーズの姿に、それらはまったくといって役に立ちそうもなく、無駄な努力だった。


「今日はすごいわ!!」


ジョーの目の前にいるフランソワーズは、今朝起きてすぐにシャワーを浴び、身支度も整わないままに階下に降りたようだ。そして、リビングルームの日替わりを捲ったときに気づいた3つ並んだ9に興奮し、その足で(ボクの)部屋へやってくると、まさしく文字通り、飛び込んだ。


009は、003の数分前の行動をそのように予測しながら視線を必死で、フランソワーズの手に持つカレンダーへ集中させようとする。


「フラン・・・ほら、ね?あの・・・朝食の準備はいいの?」
「まだ大丈夫よ!」


・・・集中しようとするが、うまくいかないでいた。

乾ききっていないのか、いつもよりしんなりとフランソワーズを追うハチミツ色の髪に、彼女のトレードマークといっていいカチューシャはない。

太ももの付け根部分から下、布が見当たらないために、太もものむっちりとした生々しさがジョーの目に沁みる。

思わず、腰まわりをガードする掛け布団をしっかりと握り、その上に載せた枕を抱き込んでしまう。

頭の中に浮かべていたオイル過剰なプロレスラーなど、あっという間に吹っ飛んでしまっている。


「いや、ほら・・せっかく早く起きたなら、朝の散歩とか・・」
「ふふ、そうね!でもそれより今日はどんなお祝いをするかよ!」


華奢で柔らかそうな丸い肩から、今にもするっと滑りおちそうな位置にあるキャミソールの細いレース。
可愛らしいそれがフランソワーズの胸元を飾っているけれど、どうやら、洗濯すると少し伸びてしまうタイプの布地を仕様しているのか、フランソワーズにジャストフィットしない、サイズなのか。
ジョーのベッドの端っこに正座をするように座り、前屈み気味にジョーへと手に持ったカレンダーを突きつけるように見せている、フランソワーズ。
ジョーがフランソワーズから心持ち距離を取ろうと動くと、その動きに合わせて上半身を伸ばしすように重心を前に移動させるフランソワーズ。そのために、ゆるやかなラインで重力にそって流れ弛むレースと布が、フランソワーズの隠すべき肌を守り切れず・・・。








神様・・・。
















彼女は風呂上がりなので、もしかして、もしかせずとも、


・・・・・ノーブラなのですか・・・?







フランソワーズの肩に、それらしい”ヒモ”が見あたらない。
身に付けていれば寄せられたときにできる線が、たわわに逆U文字を描かれていた。



---・・・けっこうあるよな・・・・。



フランソワーズが見て!と突き出す卓上カレンダーは、はっきりと言えば眼中にまったくもって入らない。

ジョーの視線は、フランソワーズだけしか写らないように改造し直されたのではと思うほどに、彼女だけを捕らえていた。


「う・・・」


鼻奥が痛いくらいに熱くなるのを感じて、ジョーは出血してないか、慌てて手の甲で鼻下をがしがしとこすった。


「どうしたの?」
「あ・・いや・・・」


邸内でもあまりラフな格好では歩き回らないフランソワーズ。
部屋着と言っても、そのまま街まで出掛けても何ら支障がない着こなしの普段の彼女。





何がどうしてそうなったのか。




シャワーを浴びて、身支度を整えないままに階下に降りる用事とは一体なんだったのか。
そして、その格好のまま、ジョーにDiving Body Pressをかけて、卓上カレンダーをつきつけながら、無邪気に”専念に一度の9並び!”とはしゃぐ。

そんな可愛らしい彼女を目の前にして、ジョーの躯は可愛くもない、朝に不似合いな妄想と反応を示す。


「ね、何かお祝いしなくっちゃ♪」
「フランソワーズ、お祝いもいいけどさ・・・その前に、ね。朝ご飯、頼むよ・・・」


にっこりと笑い、フランソワーズの手から卓上カレンダーを受け取ったジョーは、完全に限界を超えていた。
脳内のどこかの線が焼き切れてしまったのか、パニックに陥ることも慌てることもなく、普段のジョーらしくない反応で、優しくフランソワーズに部屋を出ることを促していた。


「ジョー、お腹が空いてるの?」
「・・・そういう事にしておいて」


---別の意味では、かなり飢えてるんだけど・・・、朝ご飯で我慢するから・・・・。





ぴょん♪と、跳ねるようにベッドから降りたフランソワーズの、短パンとは言わないだろう!と叫びたくなる、太もも付け根から5cmもない布地のおかげで、彼女の尋常なく長く美しいカモシカのような白い足が、ジョーの瞳に焼き付いた。


「あ、ごめんなさい!・・アタシったらルームウェアのままだったわね」


---もしかして自室では、その格好なの!?




ベッドから離れて初めて、フランソワーズは自分の着衣に気づいたのか、恥ずかしそうにキャミソールの裾を引っ張る仕草を見せて、うつむき加減に首を傾けると、頬を染めた。


「え、あ、う、ううん・・ki、気にすることないよっ」



---ひっ・・・ひっぱったらっダメだって・・・!!



「後でね、ジョー♪」


くるり。と、背を向けたフランソワーズの後ろ姿に、ジョーは燃え尽きた。


「・・・・もしかして、2”009”年の9月9日だから、今日はボクのラッキーデー?」


手に持つ、卓上カレンダーに並んだ9.9.9の文字。


「千年に一度の日だから・・・?」


その場に前のめりに突っ伏したジョー。
用もないのに、気軽に男の部屋に入って来たらダメだと口酸っぱく注意しても、聴く様子のないフランソワーズ。

理由はわかっている。
彼女の背後にいる家族たちのせいだ。

『フランソワーズに突然部屋に入られて困るようなことを部屋でしてるのか?』

ニヤリと口の端を上げて笑う癖がある人の声が聞こえた。


してない!と言った記憶がある。
その会話をしたときに、フランソワーズがそばにいたかどうかまでは、覚えていない。

けれど、もしも会話を聴いていたと仮定し、入って来るな。と、フランソワーズに言えば、彼女に”秘密”を持つということになるだろう。





---それは嫌だし、起こしてくれなくなるのも嫌だし・・・。





ジョーはベッドの上で、様々な想いにのたうち回る。


正直に言えば、フランソワーズに”普通”に朝起こされるのは、嫌いじゃない。
どちらかと言えば、”好き”なのだ。

朝起きたときに、彼女の笑顔と一緒に胸を満たしてくれる彼女の花の香りが、好きだから。






---もう、なんでもいいから、とにかく・・・・普通に起こして・・・ほしい・・・。








ごろり、ごろりと、掛け布団をみの虫のように巻き込んで、その中に綴じこまる。


「・・・・ルームウェア・・・・お尻、見えそうっていうか、ちょっと見えてますよー・・・」


みの虫状態の中、思い出した画像にむかってではあるが、一応注意しておいた。


「・・・・・勘弁して、マジで・・ボクだって男で・・・我慢の限界があるんだからね」


はあああっと、大きなため息を全身でついて。
彼女が大切で、大切で、大切で仕方なく、本当に大切で、もう一つおまけに言っておくと、大切すぎて。

雄である自分が嫌になるときがある。


「なんで、そんなに可愛いんだよっ、スタイルが良すぎるんだよっもおおおおおおおっ!!」


3~40分ほど経った頃に、階下から何度かフランソワーズがジョーに朝食ができたと声をかけられたけれど、その声にジョーは気づかなかない。


「・・・・・・・フラン・・」
「なあに?」









いつの間にか2度寝に突入したジョーを、フランソワーズが起こしにやってきた。


「んふ♪」
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっsふらあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっs」
「朝ご飯が冷めちゃうのよ?」
「フランっ!!頼むからっ起こすなら普通に起こしてくれよっ!!」
「や!」
「え.....ええ?!嫌なのっ!?」
「ふふ♪」
「いや、あの・・”ふふ♪”じゃなくてさ・・・」
「今日はすごい日だから、よ!」
「よ!じゃなくって、うわっ駄目だよっ」


がばああ!っと掛け布団を引っぱりはがされた。


「も!いつまで枕を抱いてるの?」
「いや、これは、このままじゃないとっふらああああああああっ頼むっ、ちゃんと起きるから!!」
「我が侭は駄目よ!また寝ちゃうでしょう?」


フランソワーズの手が、ジョーが抱きかかえる枕にのびる。










---駄目だ!もうっボクはっっ・・・・っっ!!!










009、千年に一度のサービスデー大ピンチ






end.














*おまけ*

「朝から元気だ。・・今日からジョーはバイトだったか?」
「いや、明日からじゃろう・・・今日くらいまではゆっくりさせてやってもよいのにのお、フランソワーズも・・・」
<・・・仕方ナイナ・・・>
「イワン、どうしたアルか?」
<ふらんそわーず・・・おむつ!!>
「おいおい食事中だぞ、イワン」














*9.9.2009に、妄想種に載せました。

ちょっぴり書き足ししてます。
<br>を打ち込むのをさぼって、妄想種に載せず記事を作ったのでございます。
面倒くさがりでごめんなさい。








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