RSSリーダー
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
web拍手 by FC2
君に振り回される自分がいる/7(完)
「足下にお気をつけ下さい、ドアを閉めます」


係員の誘導に従ってゴンドラに乗り込んだ、ジョーとフランソワーズ。
外側から係員がドアをがつんと力強く押し、銀色の取手を両手で握りしめると、ぐっと両肩に力をいれて、体重を載せるようにしてドアをロックした。

丸いゴンドラの中で、ジョーはまっすぐに建てず、少し腰を曲げながら、くるっと躯を回転させて、フランソワーズと向い合わせになるようにふっくらと綿がビニールの中に詰められたベンチに腰を下ろした。フランソワーズはゴンドラに乗り込んですぐに、入って右側のベンチに腰を下ろすと、躯を捻って少しずつ遠ざかって行く観覧車乗り場ゲートの係員に小さく手を振った。
フランソワーズのすぐ後ろに並んでいた、Wデートらしき4人のうちの1人がゴンドラの中でそんなフランソワーズを見上げていたので、自然に視線がその1人とぶつかってしまい、フランソワーズはにっこりと視線があった人にむかって微笑むと、躯の位置をただして、ジョーと向き合った。


「マーブルチョコレート♪」


ゴンドラの中で、肩からかけていた小さな皮作りのポシェットに手を伸ばしたフランソワーズ。
その中には、薄いお財布(所持金3000円)と着ぐるみショーでもらった年間フリーバス(乗り放題)に、プリクラのシールが2枚、きちきちに入れられて、筒状の箱2/3が突き出すように出ている。そのせいで、彼女のポシェットのマグネット式のボタンが中途半端に開いていた。


「まだお腹いっぱいで、食べられないよ・・・」
「お菓子は別腹よ!」


ジョーはフランソワーズの膝上にある、彼女のポシェットを見る。
筒状のそれはフランソワーズの手の動きに合わせて、かしゃかしゃ。と、鳴った。


「無理だって・・」


眉根を下げて苦笑しながら、ジョーは躯をフランソワーズが身を乗り出すドアとは反対方向に捻り、窓から外を見た。


「・・・思ったよりも進むのが早いね。世界最大級って言うけど、本当なのかなあ?30分って短いと思うんだけど?」
「ふふ、何色がいい?」
「!」


正面のベンチに座っていたフランソワーズが、すっと軽やかに立ち上がり、一歩半、宙を舞うように足を出すと、すとん。とジョーの隣へと座った。


「ね?」


回転焼きのような形をしたゴンドラは、半分が透明な窓となっている。高く、高く、上がって行くゴンドラの窓が飾るのは、太陽の光に薄まる柔らかな乳白色の空。


「な、何色でもいいよっ・・」


花の香りが舞い、ハチミツ色の髪がジョーの目の前で揺れて、窓枠の銀色の部分からきらっと弾けた昼間の明るさが、フランソワーズの髪を撫でた。
肩と肩が触れ合っうと、フランソワーズが、つんと愛らしい丸みのある顎を上向けにして微笑む。

窓側に捻ってい躯のまま、振り返るように見たその笑顔に。
かしゃ。と揺れたマーブルチョコレートの箱が傾いて、しゃらしゃらと流れ出した。


「ちっちゃくて可愛い♪」


フランソワーズの手のひらに溢れたカラフルにキャンディ・コーティングのミルクチョコレートたち。


「フラン、こんなにはいらないよ」
「食べて!」


フランソワーズは手のひらいっぱいに乗せたチョコレートを落とさないように、恐る恐る移動させて、ジョーの目の前までもってくる。


「半分でいいって・・・」
「だめ!これはジョーの分なの」


そうなれば、そのチョコレートたちを受け取らない訳にはいかないので、ジョーは両手を水を掬うような形をつくる。


「にっこりがいっぱいだわ♪」


ざら。と、ジョーの手のひらにマーブルチョコレートをうつした。


「・・・・にっこり?」


フランソワーズは、ジョーの手のひらに乗せたチョコレートたちの中の、1粒、ピンク色をつまんだ。


「ふふふ」


それを、ぽい!と、口に放り込む。


「フラン?」


かり。と、奥歯で噛んだ。
甘い見る行くチョコレートが口の中に広がって。


「甘くて、ふふふ♪・・美味しいの!」


満面の笑みのフランソワーズの頬が、嬉しそうに高くなる。


「・・・にっこり、ってそういうこと、ね」


片手にチョコレートたちを集めて、緑色の一粒を、つまんで食べた、ジョー。


「美味しいってすごいことだと思うの」
「うん」


2人は同時にもう一粒づつ、ジョーの手のひらからつまんだマーブルチョコレートを食べて、微笑みあった。







世界一のシェフが作った、世界一贅沢で、最高の料理でも。

1人じゃ、ぜんぜん美味しくない。
”美味しい”を一緒に楽しんでくれる誰かがいないと、そしてその誰かが。




こころから、大好きなキミとなら。



たとえ、公園の水道水を汲んだ一口の水でも、世界で一番美味しい水になる。



















「お誕生日おめでとう、ジョー」
「・・・・ありがとう、フランソワーズ」



ゴンドラはゆっくりとゆっくりと2人を乗せて、広い空色の世界へとのぼっていった。













***

温かな昼下がり、気持ち良くレジャーシートの上で昼寝をしていたギルモア博士が、子どもたちの歓喜の声にふと目を覚ました。


「・・・なんじゃ?」


青空を飛ぶ、竹とんぼが、ギルモアの視界を横切った。


<子ドモタチガ見ツケタ樹ノ枝ヲじぇろにもガネ>
「ほおほお・・・」


どこから見つけて来たのか、数人の子どもたちが引きずるようにして持ってきた枝を見て、大人たちが危ないから枝で遊ばないようにと注意した。
その一部始終を見ていたジェロニモは、イワンを寝ていた博士の隣に座らせると、子どもたちが拾った枝を果物ナイフで削り、竹とんぼを作って空に飛ばしたのだ。

遠目にジェロニモを見ていた子どもたちが、きらきらとした好奇心を瞳一杯に宿しながらも、体を強張らせながら、恐る、恐る、彼に近づいてきた。


「飛ばしてみるといい。」


手早く2つ目を作り、子どもたちの中でも負けず嫌いそうな男の子に、ぬっと腕を伸ばして差し出した。
ジェロニモの顔をと手にある竹とんぼを交互に観て、男の子はやったあ!っと、声をあげると、ジェロニモの手に飛びついた。
それを機に、子どもたちが私も!僕も!と、ジェロニモに竹とんぼのおねだりを始めた。

眠っているギルモア博士を起こさないようにと、2、3mほど離れたところでジェロニモは子どもたちに囲まれた。



<気持チイイネ>


体を起こしたギルモアの膝の上に抱かれたイワンが空を見上げた。
彼の視界の端っこにいったいいつの世界最大級なのか、大きな観覧車がゆっくりと円を描いてまわっているのが見える。


「おーい!」
「お待たせネ!」


いくつかの箱を手に抱えた張大人とグレートが、ギルモア博士とイワンに向って、大量大量!と、声を上げて戻って来た。


<じょーノオ誕生日第2弾ハ、キノコぱーてぃニナルノカナ?>


















***



かり。と、チョコレートコーティングキャンディを噛む音以外、ゴンドラ内は静かだった。
ときおり響く観覧車の活動音と、前後のゴンドラに乗っている人たちの笑い声が耳に届く程度。






お誕生日おめでとう。



改めて、フランソワーズからお祝いされたジョーは、ありがとう。と、返事をしたものの、なんとなく気恥ずかしくなって、それ以上の会話を繋ぐことができなくなった。


「どうしたの?」
「え?」


ジョーはお腹が一杯で食べられないと言いつつも、手のひらに乗せたチョコレートを全部一度に口に放り込み、ゴロゴロと口の中でぶつかり合うチョコレートの粒たちをガリガリと噛んだ。


「?」
「ん・・降りたら、なにか飲み物が欲しいかなーって」


そわそわとしたジョーの雰囲気にフランソワーズも多少感化されてしまったのか、いつもよりも瞬きが多く、落ち着きなく視線をきょろきょろとさせた。


「そうね」
「うん」
「・・・」
「・・・」
「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」


お互いに隣あって座るのは特別なことでもなんでもない。日常の中で当たり前のことなのにも関わらず。


フランソワーズは右側がぴりぴりと痺れている感覚に、戸惑った。
ジョーは、左側だけ日焼けサロン用の紫外線ライトを当てられている感覚に陥った。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」


ゴンドラ内が、2人が出す意識的な緊張の雰囲気にあっと言う間に空気をかえる。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」」


なんとなく、息苦しい。


「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(大汗)」」


酸欠状態になることなどないと解ってはいるけれど、なんとなく落ち着かなくなってジョーは立ち上がった。
左右の窓すべてを全開にする。けれど、窓自体は高さ15cmくらいしか開けることができない。もちろん、それは窓から落ちないようにと、安全のため。


「・・・窓を開けた方がいいかなーと・・・・ね?」


訊かれたわけではないけれど、窓をあけた理由を口にした。


「そ、そうね!」
「ね?」


ジョーはフランソワーズの隣には戻らずに、彼女の正面に座り直したことに、少しほっとしてこころの緊張を解きほぐしつつ、何か会話と頭をフルに回転させたが、こういう時に限って、ごちゃごちゃと意味の解らないことばかり思い出し、気の利いた言葉が浮かんで来ない。


「「・・・・・」」



再び、ゴンドラ内に沈黙が訪れる。



「「・・・・・」」



とにかく、落ち着こうと窓の外から聴こえる遊園地を楽しむ声に耳を傾けた、ジョー。
いつも通り!いつも通りに話せよっと、自分に突っ込みながら。


「「・・・・・」」



フランソワーズは、窓の外に視線を固定して躯をひねり、ジョーを視界から消した。



「「・・・・・」」




窓が飾る晴れた5月の青空を背に飾るフランソワーズに、今更ながら2人きりでいる状況に緊張する胸を抱える中、あらためて、フランソワーズ・アルヌールという、仲間を、家族を、目の前に居る一人の女性を見つめた。













ため息が自然とジョーの口からこぼれおちる。






---・・・フランソワーズ・アルヌール/サイボーグ003。フランス人、17歳。



「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」


ジョーは無心に、フランソワーズを見つめた。



「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」


飽きることなく、彼女を見つめる。






亜麻色と呼ばれる髪色が、天使の輪のような光をつくっていた。
髪に飾ったカチューシャは、彼女にはかかせないトレードマークの1つ。

こぼれ落ちそうな空色の瞳はいつもキラキラに輝いて、たくさんお希望と夢を描いて、語尾を跳ねさせるようなアクセントがあるフランス語を話すのに相応しいハート形のくちびる。
つんとした生意気そうな、小さな形よい鼻は知的に流れて、美しく優雅な横顔のラインとなっていた。






「・・・・・」
「・・・・・」


フランソワーズは窓の外の小さくなってしまったミニチュア模型のような園内を、強化グラスの窓におでこをこすりつけるように、身を乗り出して楽しげに眺めている。



「・・・・・・」
「・・・・・・」


その、横顔をジョーは見つめる。

















ボクは、・・・


きっとボクは。










キミを好きになるために、島村ジョーとして今日、産まれてきたんだ。








---好きだよ、フランソワーズ。
















「・・・・・・」


ジョーに観られている。


「・・・・・・」


ジョーにみられることは、別になんでもないことだけれど、なぜかいつもよりもくすぐったく、彼の視線を意識していしまう、フランソワーズ。


「・・・・・・」


こくん。と、甘い口内にたまった唾をフランソワーズが飲み込んだとき、窓の外へとむけていた視線を、ジョーへとむけた。










---・・・ああ・・・・・。




心臓が、恋の熱にチーズみたくとろとろに溶けていく。




























窓を囲う、銀色のセーフティー・バーに、肘を置いて。
頬杖をついた、角度に傾いた、顔。


同じ方角に流れた前髪が、ゆったりと白い光を流し弾いて。




滅多にみることがない、琥珀色の双眸がやわらかに細められていた。
手が包んだ頬に微かに触れている、微笑みを形作っていた唇が、かすかに動いた。
























”好きだよ、フランソワーズ”






















---え?






彼の、くちびるの動きに。


「・・・・・・」


彼の、琥珀色の両の瞳に。


「・・・・・・」


魅せられて。


「・・・・・・」


外せなくなった、視線。


「・・・・・・」



とろとろと溶けてしまった心臓が、今度はぐつぐつ煮立ってくる。



「・・・・・・」


ぐつぐつ、ぐつぐつ、大きな音で熱されていく音をごまかすように、手にしていた2/3ほどなくなったマーブルチョコレートの円柱の筒をぐっと握りしめてかしゃかしゃ。と、鳴らした。


「・・・・・・」


確実に大きくなっていく心臓の音を消してと願い、かしゃかしゃと鳴らし続けた。



---さっき、・・・え?・・・・そんな。・・まさか・・・・。








ゴンドラが、間もなく最も高い位置、頂上へとたどり着く。

窓を開けたために、ごー、ごーと、ジェットコースターが勢い良くレールの上を滑る音に、楽しげな絶叫が聴こえてくる。
かしゃかしゃと、マーブルチョコレートの筒は鳴り続ける。







・・まさか・・・・。
























”好き”って・・・・?・・・・そんな、の・・・。






















「ダメよっ!」


突然、フランソワーズが叫んだ。


「?!」


2人が乗るゴンドラが一番上に上りきったとき、かしゃ。と、フランソワーズの手の動きを止める。
フランソワーズは膝上にマーブルチョコレートの筒をおく。けれど、ころころとそれは彼女の膝から転がり落ちた。


「あ。」


ジョーは頬杖を解いてさっと立ち上がり、音をたてて落ちた、それを拾い上げた。




「笑ったらダメよっ」



フランソワーズへと渡そうと、顔をあげたとき。



「あっぷっぷいいいいいいいいっ!!」
「な?!」


汗ばんでむくんでしまった手で、おもいっきり今フランソワーズができる最高傑作の”変顔”を作った。




「むいいいいいいいいいいっっ」
「フランっっな、なっっんてっあはははっははっ今の顔!!やっやめなってっhははっあははあはははっひーっっあははははははははははっ、うっははははっははははははははははあっははっshっっっはははっははhsっっっしゃはははっっっ!!」


ジョーの腹の底から笑う声に、何事かと2人の乗る前後のゴンドラに乗っていた乗客が、覗き込むように様子をうかがった。


躯をくの字におって、笑いころげる栗色の髪の青年と、その彼にむかってうにうにと自分の顔を変形させている美少女がいた。








---もっ。アタシってば!ジョーがアタシに好きなんてっ、そんな妄想っ!もっ!もっ!もっ!もっ!!!もおおおおおっ!もっ!もっ!もっ!もっおおおおおっ!!





世界一の観覧車の頂上で、ジョーは人生でこれ以上笑うことはないだろうというくらいに、おもいっきり笑った。




「そ、それ以上はっ・・ふら、フランっ・・か、顔がっ・・・き、kキミの。っっはっgはははあっ顔っがっ」
「むにゅううううううううっっんっ」




















***

史上最強のサイボーグ戦士009、観覧車内で笑い死にす・・・ることはなかったけれど、頂上から残りの半周、ずっと笑い続けて、腹筋を確実に痛めたジョーだった。

フランソワーズは、にこにこと満足そうに「グレートよりすごいかもしれないわ、アタシ!」と笑っているが、どことなしに様子がぎこちない。そんな2人を打ち合わせていなかったにも関わらず、観覧車搭乗口で出迎えた家族たち、と合流。



閉園時間まで、家族みんなで思いっきり遊んだ。






















くたくたに疲れて邸に帰ってきたときには、車内でギルモア博士、張大人、グレート、フランソワーズは夢の中。


<マッタク。赤ン坊ニ世話ヲサセルナンテ>と、文句をいいながら、ふよふよとテレキネシスで家族をそれぞれの寝室へと運んだ、イワン。
ジェロニモはイワンに礼を言いながら彼を抱いて車から降り、トランクから荷物や園内で購入したお土産などなどを次々におろしていく。手伝おうとしたジョーに、「主役の手は借りれない。」と、言って早々に部屋で休むように促した。


「気にするな。楽しい気持ちのままベッドへ入れ、これらはリビングルームに置いておく、明日てつだってくれたらいい。・・ケーキは明日になってしまったな。」
「いくらなんでも今からケーキは無理だよ、ジェロニモ。夕食だって予定外にホテルのバイキングでだったし・・・いったい何回ボクはロウソクの火を吹き消せば良わけ?」

グレートと張大人が遊園地と一緒に経営されていた植物園と提携して『きのこのこのこ・春の味覚フェアー』をやっているホテルへとむかったのだ。
そのホテルでは、デザートコーナーでケーキをフランソワーズに皿に載せる度にろうそくをさし、火をともしては、ジョーに吹き消して!とフランソワーズにお願いされたことを思い出し、苦笑したジョーに、ジェロニモは楽しそうに微笑み返した。


「いくらでも吹き消せば良い、今日と言う日にたくさん感謝し、明日からのことを願いたいだけ願えばいのだから。」
「・・・・まあ、あの歌さえなければ、別にいいんだけど」

吹き消す前にはフランソワーズにアレンジされたハッピーバースデーの歌が疲労された。


「・・・あんなにたくさんバースデーソングがあったとは知らなかった。」
「ジェロニモ、違う、違うから。あれはフランソワーズが原曲を無視して、勝手に彼女が作り上げたのだから、ね」
「うむ・・。フランソワーズに作曲の才能があったとは。」
「・・・・・ま、そういうことで。・・今日は、ありがとうジェロニモ」
「ジョー、誕生日おめでとう。来年もまたみんなで、遊園地へ行こう。」




「うん・・来年も、また、その次も・・だったら、いいなあ」





ジョーはジェロニモの言葉に感謝して、後のことは彼にまかせ自室へと向かった。
途中、リビングルームをのぞき、そのままにしてある大量のてるてる坊主たちに、にっこり笑って礼を言う。


「今日1日を、ありがとう。最高の誕生日だったよ」
















自室のドアを開けて、ルームライトをオンにして、ジョーは手早くシャワーを浴びようと着替えを用意する。
ベッドの上に投げ置いていたはずのパジャマが消えて、奇麗に畳まれていた上に、見慣れない封筒が置かれていた。


「?」


白い封筒を手にとり、びりっと素手で封を切った。
広げたカードから飛び出した、大きなケーキの立体イラストと、ハッピーバスーデーのメロディが鳴り響く。




ジョーへ。




おたん生日、おめでとう。

アタシからのおたん生日のプレゼントは、”フランソワーズ、なんでもします!ケン”5まいです。
来年の5月16日までゆーこうで、このケンをしよおする内ように、アタシはぜったいに”NO”と言いません。


ようく、かんがえて使ってね♪




フランソワーズより。







「なんでもします、ケン?」



封筒の中から、ビジネスカードサイズの厚紙が5枚。



1枚、1枚、カラフルなペンで、色々なイラストと一緒に手書きの文字。
その文字の癖から、フランソワーズの字だとわかった。



---ケンって、券のこと?・・・って・・



「フランソワーズ、なんでもします!券っってっ・・っ!!!ノーと言わないっ?!」



ジョーは5枚のカードを固く胸に抱きしめて、ベッドへダイブした。


「誕生日、最高・・・・!!」






















end.












*6からかなり間が開いてしまいました...が!無事に(?)ジョー誕09’はこれで完です。
最後まで読んでくださってありがとうございました!


『フランソワーズ、なんでもします!券』の使用方法、募集中(笑)です。
使うことなく大切に保管される。が、私の妄想なんですけれど・・・。


今後のもじもじで出てくるのか、は、そのときの妄想力で!


web拍手 by FC2
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。