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それが、僕


お題を最後まで読んで下さってありがとうございました!企画SS。



「それが、僕」


####



歩き出した。空を流れる雲に歩調を合わせて。
歩き出した。左足を一歩前に出してみる。

歩き出した。もう、止めることはできない。





誰にも、歩き出した僕を・・・・止められない。























キミが好きだ。
















キミが好きだ。














ずっと、ずっと、ずっと・・・・好きだった。






















誰よりも、キミが好きだ。






















伝えたい。

キミに伝えたい!!!


















フランソワーズ、キミが好きだ。

























「好きだよ」


「なあに?・・・突然」

「フランソワーズが好き」


晴れた午後。
梅雨入り前の明るい季節。
つきぬけるような青い空の下。


「好きだよ、フランソワーズ」



フランソワーズは大きな瞳をくりっとさせて、その愛らしいくちびるで微笑んだ。


「ありがとう」


今日の分の洗濯物を庭に干し終えて、彼女は洗濯かごを手にもった。


「好きだ」


「私もジョーが好きよ?」

「・・・・それは、イワンを好きとかと一緒の好き、だろ?」


「・・・・・・・・いけない?」



ジョーに背を向けて、庭からリビングルームへと戻っていく。
その背にむかってジョーは言った。



「ダメだよ・・・・僕の好きとは、違う」

「・・・どう、違うの?」





「好きだよ、フランソワーズが好きだ」



フランソワーズはぴたり、と足を止めた。
ジョーは足を止めてしまったフランソワーズに近づく。
フランソワーズはジョーの近づいてくる気配に、慌ててリビングルームに入っていこうとした。



手に持った洗濯かごが、落ちた。








「僕は、キミだけが好きなんだ」








彼女の躯に腕をまわして力を込める。
フランソワーズの背中に、自分の躯をぴたりとあわせる。
その細い肩に流れる、甘い香りのするハチミツ色の髪に、くちびるをよせて囁いた。





「・・・・キミが好き。それが、僕」





「それが、ジョー?」

「うん。キミが好きでいることが、僕」

「私を、好き・・・?」

「キミが好き。フランソワーズが好き・・・・キミだけが好き・・・それが、僕なんだ」




フランソワーズの躯が動く。
ジョーはその動きに合わせて腕の力を緩め、彼女を自分の方へむくように誘導する。



「ジョーが、私を、好き?」
「僕は、キミが好き」



フランソワーズの瞳の中に、恋する1人の青年。



「それが、僕」




近づいてくるジョーの瞳。
いつの間にかフランソワーズの頬にそえられた、少し震えを感じる手。





「             」





声にならない、フランソワーズの答え。









つきぬけるように晴れた青い空。
雲は風に流れて。




歩き出した。僕は彼女と一緒に。
歩き出した。彼女と手を繋いで。



彼女の手を離さない。


それが、僕。


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